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全施協50周年記念誌

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


施行者の皆さんにはこれからいい目を見てもらわなければ
 
 
 中地 笹川理事長が連合会の副会長、そして会長時代を通じて4大競走というのが今や8大競走になっていますが、そうやってSG競走を増やしていったのは、やはり賞金をたくさん取らせようということ以外に何かお考えはあったのですか。
 
 笹川 「いいレースばかりをつくって・・・。平場で人気のない選手しかあっせんされない施行者の立場になってください」と皆さんからいつも私はおしかりを受けます。それはわからないでもないのですが、いけないのは、施行者の皆さんの頭の中にいまだに「一升マス理論」というのがあるわけですよ。自分の経済圏のお客様の可処分所得は決まっている、だから他場の舟券は売らない。いまだにそんなことを思っている人がいます。でも、「ここの金はおれの金だ」ではなくて、日本全国の金をみんなで分けたらいいではないか。そのためにはやはり幾つか峰をこしらえて、その上にエベレストをつくらないと格好にならないわけです。そういうことで、毎月一つはSG競走をつくりたかったのだけれども、正月レースがあるから1月は要らないと言われて、また、2月は地区選手権があってできなかったのです。
 ただ、施行者の皆さん、特に首長さんの競艇にかける情熱というのは本当にそれは熱心でいらっしゃったし、話せばわかっていただけましたよ。議会対策だとか市民対策、いろいろ難しい時代もありました。箕面市だって狭山の時代から、もう競艇をやめると言っていたし、その後の尼崎の議会での閉鎖運動などというのは激烈なものでしたからね。そういう中で、よくぞ施行者の皆さんが頑張って今日まで来られた。これからはいい目を見てもらわなければならないですね。
 その一方で、非常に申しわけないと思っていることがあります。連合会長として一つできなかったことがあります。笹川良一は、競艇のお金がどういうふうに使われているかということをお客様の前で必ずしゃべっていました。あの域には、僕はとてもなれなかった。その点、反省しなければならないと思っています。だから、日本財団の仕事の内容について施行者の皆さんにやはり知ってもらって、誇りに思ってもらいたいと思っています。この間も、青梅の市長さんと丸亀の市長さんが日本財団が行っているミャンマーでの小学校建設の現場を見て本当に感心してくださったけれども、できるだけ現場にお連れして見ていただきたいと思うし、もっともっとお客様のお金がこうやって生かされて使われているということを説明していかなければいけないと思っています。
 中地 売上がずっと減って、もう1兆円を割ろうとしています。そういう厳しい状況の中で売上向上、施行者の収益確保のためにいろいろご尽力賜ってきたわけですが、例えば3連勝式の導入なども一つの大きな決断だったと思います。今、「躍進計画」というのを推進して施行者を盛り立てていこう、助けていこうということですが、この辺のことについて何かお話がございましたらお願いします。
 
 
 笹川 長期的な展望に立ったときに、こういう事態を招いたということはすべての人にとって、これからの飛躍のためにいい反省材料だと、私はそう思っているのです。それは、日本財団のお金を使っていただくことによって、例えば従事員の賃金などを世間並みのコストに下げていただくという努力、ようやく施行者の皆さん方も気づかれてコスト意識というものが出てきたということは、私は大変いい方向だと思うのです。世間から突出したコストで「儲からない、儲からない」と言ってみてもそれでは話にならない。例えばアウトソーシング等をしてしっかり儲けていただいて、それを市民のために使うというのが法律の趣旨ですから、儲からないでやってもらうわけにはいかないのです。私、一遍、施行者協議会の総会に呼ばれたときに、「赤字のところはどうぞおやめください。」と言いましたけれども、赤字でやる理由なんか何もないのです。ただし、赤字にならないものを赤字にしてやっていたとしたらこれは問題です。1億円の売上で採算が合うようなことをきちっと考えてください。皆さん方からすれば1億円のお金というのは少ないと思われるかもしれないが、あなたの地域で一日に1億円売れる商売、何があるのですか、競艇場か競輪場だけでしょう。粗利益も決まっていて、貸し倒れもない、こんなにピシッと数字が出てくる商売はないのですから、しっかり利益を出してくださいということを申し上げたことがありました。
 それで、皆さん方、大変努力をしていただいて、首長さんには申しわけないけれども、私もしょっちゅう手紙を書いて激励や全国比較の上での対応などをお願いして、一応ギリギリのところまでコストが下がってきました。まだ大都市部はちょっと不満はありますけれども、これを土台にこれから飛躍する、そういう一つのチャンスが来たのではないでしょうか。
 
お客様のニーズに合わせた構造改革が求められている
 
 中地 最後に、これからの競艇事業に何を期待されますか。
 笹川 これからの競艇事業で重要な役割を担うのは施行者協議会と連合会です。競艇場の施行者の人たちは本当に努力していると思う、ここ5年ぐらいを振り返ってみると、それはもう天と地の差です。ただ、不幸なことに、50年の歴史はやはり社会の構造的な変化というものを伴っています。この業界はずうっと自営業、建設業、サラリーマンの三者によって支えられてきた。特に地方においては商店主の多くが競艇のファンで、ちょっとお母さんに任せて2時間ほど競艇場に来るという人がたくさんいたわけです。ところが、流通革命が起こって商店街、酒屋も米屋も雑貨屋も魚屋も八百屋も、全部なくなってしまった。何十軒もの商店がスーパーやコンビニというワンパッケージの店になってしまったから、その人たちが全部失業したわけです。いわゆる地方の商業の崩壊現象が起こって、私たちの最も大事なお客様が一つほとんど消えてしまった。それから、景気が悪いといったら公共投資を増やして建設業を中心にして景気回復を図るという伝統的なやり方が日本にはあったのに、公共投資がどんどん削られていって建設不況に入ってしまった。ということで、3本の柱の二つが倒れてしまった。これがいつかは回復するかといったら、もうしないと思うのです。残るのは何かと言ったらサラリーマン、勤め人です。じゃあ、勤め人が来るのに、朝10時半ごろから4時半ごろまでやっていて、来られますか。そうすると、やはり勤め人が来てくれる時間帯といったら、もう5時を過ぎてからやる以外に方法がないのです。これをやれば生き残っていけます。しかし、今の時間帯だったら、それは無理です。
 今度は中央が頑張って、ナイターレースの発売を念頭に置いて、たくさんの場外発売場をつくっていく以外に方法がないし、一つできれば50億、60億の売上が確保される商売なんてほかにないわけですから、特に大都市部につくっていく。世の中が不景気になってきたことによって、場外の受け入れに対して非常に寛容になってきています。また、これだけ情報が東京に集中してきたのだから、連合会と施行者協議会が、場外専門の新しい組織をつくるぐらいの気持ちで場外発売場を増やしていくということが最も大事だと思います。経営コストがきちっとここで下がれば、あとは今度は売上を増やす方向です。増やす方法はまず中央団体がしっかりして、この道筋には可能性がいっぱいあるのですから、これをやっていけば、私は新しい発展のチャンスになると思っています。
 中地 ただ、施行者間には結構難しい面があるのです。例えばある競艇場が、そこは自分の商圏だということで、場外発売場を設置することに躊躇しているときに、じゃあおれがやると言って別の競艇場が来てしまうと、結局、その競艇場が影響を受けるわけです。その辺のところは、どうお考えでしようか。
 笹川 そういうことが間違っています。自由競争、それが原則です。
 中地 自由競争こそ発展のもとだ、と。
 笹川 それはそうです。その規制が一番いけない。自分たちで自己規制をかけているわけです。それで売れない、売れないと言っている。競争原理が働かなければだめですよ。お互いに努力するわけです。見てごらんなさい、電気屋さんの安売り店だって、お互いに値段を下げていって両方大きくなっているではないですか。証券会社だってそうじゃないですか。お客様は幾らでも来る。また、つくっていかなければいけない。社会が悪いから売れないわけではありません。不景気だから売れないわけではありません。我々の仕組みがお客様にとって魅力がないというだけの話です。すぐ景気のせいにしたりするけれども、景気のせいでも何でもない、我々のせいですよ。お客様のニーズに合わせるような構造改革が我々にできるかできないかにかかっているわけです。
 やはりここは施行者協議会に頑張っていただいて、連合会と車の両輪で、こういう方向に行くということを明示してあげないといけないですね。
 中地 貴重なお話を賜りありがとうございました。







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