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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1995/10/20 毎日新聞朝刊
[国連50年]期待と限界/5止 旧ユーゴ問題 「無能力」のらく印
◇PKOで深刻な挫折感
 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争収拾に活躍が期待された国連防護軍が今、消え去ろうとしている。旧ユーゴスラビアで展開されている国連平和維持活動はクロアチアでも相次ぐ撤退を余儀なくされた。深刻な挫折感に覆われた国連平和維持活動(PKO)は大幅な見直しを迫られている。
 「ここに国連はもういらない」。旧ユーゴ地域のPKOを統括する国連平和軍のザグレブ本部と道路を隔てた公園にいた女性、ブラトカ・シクフチャさん(31)=会社員=は記者に語った。こうした国連無用論がクロアチアとボスニアを支配している。
 旧ユーゴ地域のPKOはまず、クロアチアで一九九二年三月に展開された。激しい内戦となったボスニアにも導入された後、総勢五万人を超える史上最大のPKOになった。国連は「公平な調停者」として登場したはずだった。
 ところが、ボスニア、クロアチアでセルビア人勢力と戦うイスラム教徒やクロアチア人が期待した国連の役割は、中立を前提とした停戦監視でも人道援助活動でもなかった。
 「敵=セルビア人をたたく」。この一点に国連の真価が問われる事態が続いた。両国政府を支援する米国も、国連の中立的姿勢を「セルビア人寄り」として非難した。
 国連は結局、武力行使を迫られ、セルビア人勢力への空爆による“報復行動”をエスカレートさせたが、内戦激化に歯止めをかけられず「無能力」のらく印を押された。そして現在、国連防護軍の撤退と入れ替わりに北大西洋条約機構(NATO)が率いる多国籍軍の進駐計画が進んでいる。また、クロアチアでも政府軍は同国領内のセルビア人勢力への大攻勢を続けた結果、国連部隊の約八割が撤収した。
 十一月一日付で離任する明石康・国連事務総長特別代表は最近、「私も国連もスケープゴート、いわば人身御供にされた」と公言している。特に紛争各派に和平への意思がみられなかった状況の中で、「国連が介入した時期、環境自体に問題があった」と、明石代表は振り返る。
 PKOは今後、どうなるのか。「旧ユーゴやソマリアのような大型PKOはもはや財政面からも無理。休戦監視など小規模な活動が中心になる」。それが、明石代表の結論である。
(ザグレブ・町田幸彦)=おわり
 
 
 
 
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