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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1989/10/16 毎日新聞朝刊
国連加盟工作失敗の経緯、鮮明に−−52−58年の外交文書公開
 
 外務省は十五日付で一九五二年(昭和二十七)から五八年(同三十三)までの外交文書約二万三千七百ページを公開した。サンフランシスコ平和条約発効で米国を盟主とする西側陣営の一員として独立を達成した日本が、国際連合、関税貿易一般協定(ガット)、国際通貨基金(IMF)への加盟などで国際社会への復帰を目指して苦闘した様子が記されている。また東西対立の火花が飛んだ朝鮮戦争の終結や、インドネシアのバンドンで開かれたアジア・アフリカ会議参加の経緯も今回合わせて公開され、「西側同盟の一員」「国連中心主義」「アジア重視」という現在につながる日本外交の基本枠組みが確立していく過程も浮き彫りになっている。(2、3面に関連記事、4面に特集)
 今回の公開は第一回の七六年以来十回目。前回は一昨年十二月に行われた。公開は三十年を経たものが原則だが、国の安全や相手国との信頼関係、今後の交渉上の都合などで除外される項目が年々増えている。今回の対象期間では日ソ国交回復に向けた日ソ交渉や、日韓交渉、インドネシア、フィリピンとの賠償交渉などが公開されなかった。
 独立達成後の日本が最大の外交課題とした国連加盟では、米ソ対立や台湾問題、同時並行で進められた日ソ交渉をにらみながら行われた加盟工作が明らかになった。特に加盟が実現した五六年の前年、米ソ緊張緩和ムードの中で日本など十八カ国の一括加盟案が成立一歩手前で挫折した五五年の部分では、モンゴル人民共和国加盟をめぐる台湾や米国の対応に日本側が終始甘い見通しを持ち、次々と裏切られた経過が鮮明にあぶり出されている。
 この時、十八カ国加盟についてソ連も賛意を示し、台湾がモンゴル加盟に拒否権を行使するかどうかが最後のカギになったが、日本側は「台湾の動向は結局米国の動向によって決定する」(55年11月2日加瀬国連大使から重光外相)など米国の説得成功を楽観視。説得が不可能と分かってから「米国は当初より現実性を欠き・・・熱意の不足とさえ観察されがち」(同12月8日、同)と弁解に終始するなど、国連代表はじめ外務省の見方に甘さが目立ち、当時開会中の国会では重光外相不信任案が出されたほど。
 それでも政府は朝鮮戦争の休戦会議に参加の意欲を表明したり、アジア・アフリカ会議参加にあたっては事前に「アジア・アフリカの命運を切り開いて行くという態度で臨む」ことが確認されるなど、国際社会に足場を築こうと努力した跡もうかがえる。
 一方、経済関係では、五二年八月のIMF・世銀への加盟、五三年十月のガットへの仮加入が今回の“二本柱”。いわゆる“ブレトンウッズ体制”といわれて戦後の国際経済をささえたもので、両機関への加入によって初めて、わが国も国際経済社会に復帰できた。注目されるのは、両機関への加入とも第二次大戦の敵国だったという日本の弱い立場が浮き彫りになっていることだ。西側陣営のなかでまだまだ大きな力のあった英国などは激しく日本の加入に反対、とくに、ガットの仮加入に関しては、繊維製品など戦前の日本製品の安値輸出の恐怖感から、戦後日本の急速な経済復興、対外進出を警戒する各国の姿勢が描かれていて今日の対外経済摩擦の芽が当時から潜んでいたことが裏書きされている。
◇公開された外交文書◇
 ▽チェコスロバキアとの国交回復▽朝鮮戦争▽日本の国連加盟▽国際通貨基金への日本加盟▽日蘭、日米民間航空協定▽日本とエジプト、西独、イタリア、インド、イラン、メキシコ、パキスタン、タイとの文化協定▽アジア・アフリカ会議▽関税貿易一般協定への日本仮加入▽各国との美術展開催及びベネチア、カンヌ映画祭関係
◇今回公開されなかった主な外交文書◇
 第一次から第三次日韓会談(52年2月〜53年10月)▽奄美群島返還(53年12月)▽日米相互防衛援助協定(54年3月)▽日ソ交渉(55年6月〜56年10月)▽対フィリピン賠償協定(56年5月)▽対インドネシア賠償協定(58年1月)
 
 
 
 
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