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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2004/12/05 朝日新聞朝刊
国連の改革 いよいよ勝負どころだ(社説)
 
 国際化したテロや広がる大量破壊兵器の脅威。出口のない民族紛争。地球規模で人を襲う伝染病。世界が直面する課題に対処できるように、国連をどう刷新していくべきか。
 具体案を練ってきた諮問委員会が、アナン事務総長に提言を出した。国連創設60周年に当たる来年の春、アナン氏はこれをもとにみずからの構想を示す。
 焦点は、安保理の改組だ。諮問委は二通りの案を示した。一つは、現在5カ国の常任理事国を11に、非常任理事国は10カ国から13にそれぞれ増やす。もう一つは、常任理事国は今のままだが、8カ国の「準常任理事国」を加え、非常任理事国を11にするというものだ。
 理事国を増やすことは多様な意見を反映させるうえで重要だが、それで安保理の強化が約束されるわけではない。
 二つの案とも、拒否権は現在の常任理事国以外には認めていない。拒否権の拡大に反対する米中仏英ロに配慮した結果だが、5カ国に特権的な地位を与え続けることへの不満はくすぶり続けよう。
 安保理の弱点はむしろ、この5カ国が対立すると機能しなくなることにある。諮問委案ではこのことへの対応策が明らかでない。安保理が立ち往生すれば、総会が特別決議で安保理の一定の機能を代行できるようにするのも一案だろう。
 だが、安保理改革は制度いじりだけでは実現しない。イラク戦争をめぐる米仏の対立が安保理決議を空文化させている。とくに米国が他の4カ国とともに国連憲章の理念を実現しようとする意思を持たなければ、事は前に進むまい。
 また、どのような改革であれ、憲章の改正には3分の2の加盟国による批准が要る。調整は大変な作業になる。
 日本政府は、拒否権なしでも常任理事国をめざし、ドイツやインドなどと共同で憲章改正決議案を提出する方針だ。だが、アジア枠の2カ国をどの国と分け合うのか。核不拡散条約に背を向けるインドが本当にふさわしいのかどうか。
 常任理事国になれば、非公式協議にも参加しやすくなる。だが、拒否権がなければ、実際の権限や役割は非常任理事国と変わらない。常任理事国入りの前提として「自衛隊を普通の軍隊に」などとする主張は、いよいよ論拠を失った。
 諮問委案に沿って常任理事国をめざすのなら、軍縮や不拡散、「人間の安全保障」といった日本ならではの外交原則を堂々と掲げていくべきだろう。
 提言には、もう一つ大きな柱がある。武力行使が認められる基準として▽明白で深刻な脅威の存在▽あらゆる非軍事的手段が講じられた後の最後の手段▽武力行使しない場合よりも、より有効な結果が得られる合理的な見込みがあること、などの5項目を明示したことだ。
 イラク戦争はこの基準を逸脱した戦争だった。米英をはじめ、全加盟国が5項目の順守を宣言することこそ、国連が力を取り戻すための出発点だ。戦争を支持した日本も、もちろんである。
 
 
 
 
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