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序-2-2 建造・管理・運営に向けた伊勢市における関係協力諸団体の体制について
 勢田川流域8地区(大湊地区、神社地区、色一地区、黒瀬・通・田尻地区、二軒茶屋地区、河崎地区、今一色地区、二見浦地区)を活動の場としており、本事業に対して地元活動の協力主体として、伊勢のまちづくり活動の一環として、とくに今後の木造船の運用において協力が期待される団体は、下図のとおりである。
 
■8地区のうち4地区で協力活動団体が形成されている[河崎、大湊、神社、二軒茶屋]
 
■4地区中3地区の団体が、NPO法人として活動しているか、NPO法人化の予定を有している団体である
 
図 伊勢市内における本事業実施にあたっての各種協力団体
 
1-1 神宮を中心とした伊勢地域の形成
1-1-1 伊勢神宮と周辺の変化(古代の伊勢)
 
□伊勢神宮鎮座の背景
・美しく深い森を背とし、前方に海が広がる地形による、海の幸、山の幸に恵まれていたこと
・東に広がる海に面した地形が、水上交通の要衝として機能し、大和朝廷の東国拡大政策の拠点として位置づけられていた
□神宮を中心にした「まち」の変化
・神宮が有する荘園からの産物の流通路が、街道および水運路として整備される
・二見港の整備と二見道、伊勢街道の形成
 
二見道:干しアワビ・野菜などの伊勢神宮への奉納
伊勢街道:麻布などの伊勢神宮への奉納
 
図 古代の伊勢のイメージと川の流れ
(拡大画面:151KB)
(資料) 
「まちづくりブック伊勢」
まちづくりブック伊勢製作委員会編著
 
 
 伊勢神宮への参拝者の拡大は、既に形成されていた伊勢街道、二見道、大湊、神社港などを背景として、山田の「まち」全体を一つの市場町として形成した。
 
□御師の活動による伊勢信仰の全国への拡がり
□室町時代以降における参拝者の増加
□伊勢神宮参拝者の拡大による伊勢の消費都市化
□伊勢街道・二見道・大湊・神社港を拠点とした米、野菜、各種海産物の流通の拡大
□山田の市場町化
 
図 中世の山田の都市構造
(資料)「まちづくりブック伊勢」まちづくりブック伊勢製作委員会編著
 
 
□伊勢神宮は、伊勢の国をはじめとして、東海、北陸、四国などの各地に所領(御厨・御薗)を有していた。
□これら各地の所領から奉納される年貢は、海路をわたり、宇治、山田に集められたが、その集積の拠点が大湊となった。
□この結果、まちは都市としての発展をとげ、廻船問屋が自治を司り、海運業や各地の廻船業者を対象とした宿屋が発達した。
□貿易相手国は全国各地に拡がりがみられるとともに、中国や南方諸島にも及んでいる。
 
図 近世後期の航路
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