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2 第三セクターに関する指針(抜粋)
(平成15年12月12日付、各都道府県知事、各指定都市市長宛総務省自治財政局長通知)
 
第3 運営の指導監督等に当たっての留意事項
 
3 議会への説明と住民への情報公開
(1)地方公共団体の出資比率が二分の一以上である第三セクター及び地方公共団体が資本金等の二分の一以上の債務を負担している第三セクター等の経営状況については、議会への報告義務が定められているところである(地方自治法第243条の3)が、これらの場合以外でも、地方公共団体が筆頭株主である等出資の状況や公的支援の状況、更には債務超過であること等経営諸指標(経常収支比率、流動比率、自己資本比率、有利子負債比率等)の状況等を総合的に勘案して、必要があると認められる第三セクターについては、適宜議会にその経営状況を説明するようにすること。
 
(2)第三セクターの経営状況に関する情報については、商法法人については、商法により取締役が貸借対照表又はその要旨を公告すること、民法法人については、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」等により公益法人の業務及び財務等に関する資料を主たる事務所に備えて置き、原則として、一般の閲覧に供するとともに、インターネットにより公開することとされており、地方公共団体は、その徹底を図る必要があること。
 
(3)地方公共団体は、公的支援の内容及び当該地方公共団体の出資比率が二分の一以上である第三セクター等の経営状況等について、インターネット等も活用し、地域住民に分かりやすく公開するよう努める必要があること。
 また、当該地方公共団体の出資比率が二分の一未満である第三セクターについては、筆頭株主である等出資の状況や公的支援の状況等を総合的に勘案して、必要があると認められる第三セクターについても、同様の対応をすることが望ましいこと。
 さらに、情報公開制度に基づき、地域住民等の要請に応じて、情報の提供に努める必要があること。
 地方公共団体は、第三セクターに対しても、自ら積極的かつ分かりやすい情報公開を行うよう指導に努めること。
 
第4 経営悪化時の対応に当たっての留意事項
 
3 経営の改善が極めて困難とされる場合の留意点
(1)(略)
(2)(略)
(3)債権債務関係の整理に当たって、地方公共団体は、出資の範囲内の負担、損失補償契約に基づく負担を負うというのが原則であり、過度の負担を負うことのないようにすべきであること。
 また、既存施設の利活用等について、行政として対応する場合については、それ自体に公共性が必要であり、その点を慎重に判断して決定すべきであること。
(4)(略)
 
予備的診断の参考例
1 事業についての予備的診断
 
 次の2点について可能な限り定量的な評価を行った上で、地方公共団体にとって不可欠な事業であり、かつ、第三セクター方式で事業を実施することが適当と認められる場合にあっては、「2 経営状況についての予備的診断」へ進み、それ以外の場合にあっては、「3 今後の方向性」へ進むこと。
(1)事業の意義(事業の必要性、公共性、社会的便益、採算性、並びに類似事業を実施する民間企業の活動等の関係)
(2)第三セクター方式の活用の意義等(設立目的、PFI方式等他の事業手法で行う場合との比較、民間の経営ノウハウの活用状況等)
 
2 経営状況についての予備的診断
 
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【凡例】
A: 経営努力を行いつつ事業は継続
B: 事業内容の大幅見直し等による抜本的な経営改善が必要
C: 深刻な経営難の状況にあり、経営の観点からは、事業の存廃を含めた検討が必要
【注】
・上記の「自己資本」とは、資本金に法定準備金と剰余金を加えたものをいうこと。
・上記の「事業計画」とは、事業開始当初に策定された計画ではなく、時代背景等を踏まえた現実的な視点から修正したものとすること。
・経営諸指標(数値水準を含む。)は、第三セクターの業種や設備投資の多寡等によって適切なものとすること(例:鉄道事業を行う第三セクターにあっては、対自己資本比率を対設備投資比率に置き換える等)、設立時の資本金の不足や災害等、経営の責めに帰すべきではない理由によって経営諸指標が悪いという場合もあること等に留意すること。
 
 
3 今後の方向性
 今後の方向性については、次より選択し、その基本的方針を示すこと。
(1)経営努力を行いつつ存続
(2)事業内容等の見直しを行った上で存続
(3)再建を行いつつ存続
(4)廃止、又は完全民営化、若しくは事業の民間譲渡
(5)その他
 
【予備的診断全般の留意点】
 診断結果は、第三セクターのあり方を最終的に決定するものではなく、点検評価委員会等での議論の基礎資料等として活用されるものであること。







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