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(2)障害児教育に対する関心
 図4-2は、将来、障害児教育に対する関心について尋ねた結果を示したものであり、表4-2はその理由についての自由記述をまとめたものである。「大変ある」と「ある」を合わせると365人(80.9%)と8割以上を占めており、学生の障害児教育に対する関心が強いことが明らかとなった。また、男子より女子の方が関心は強いという傾向がみられた。受講学生にとって、これまでの小中学校や高等学校での障害児との出会い、接触、加えて、テレビや映画などのマスコミを通してみる障害者の姿、コミュニティのなかでみかける印象、などを通して、障害児・者やその教育への関心が高いものと考えられる。そして、本調査は授業開設期間の終了時におこなったことから、授業の受講をとおして障害児教育への関心が高まったこともあげられる。その要因のひとつとして、ビデオ教材を用いたり、白杖や車椅子等を使用したりするなど実体験的な学習形態を採り入れたことが考えられる。一方、B大学では「介護等体験実習」を1年生で実施していることから、障害児・者のいる特殊教育諸学校や社会福祉施設で障害者と出会う機会が必ずある。調査項目にはなかったが、受講生の授業中の感想文のなかで、実際に障害者と接するなかでの疑問や戸惑いなどに対して理解が深まったこと、基本的な知識があって接することはそうでない場合と大きく違うこと、障害者との出会いや接触経験があって授業に対する興味・関心が高まった、などの声が聞かれた。こうした「介護等体験実習」との相乗効果も、本結果に反映されたことが推測される。
 自由記述では、「大変ある」「ある」の理由として、「身近にいたから」が最も多く、逆に「ない」「全くない」の理由としては「接したことが無いから」が最も多く、障害児との接触や関わりの経験が重要であることが示唆された。
 
図4-2 障害児教育に対する関心
 
 
 
表4-2 理由についての自由記述の分類
a)「大変ある」と「ある」の理由
  人数
身近にいたから 65
興味関心があるから 57
教員として将来必要だから 23
必要な知識だから 57
通常学級での授業の進め方を知りたいから 40
障害児の教育の仕方(接し方)を知りたいから 37
あまり知らないから 10
その他 16
305
 
b)「ない」と「全くない」の理由
  人数
理解できないから 6
興味がないから 14
接したことが無いから 19
その他 17
56







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