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インドネシア(Republic of Singapore)
(1)一般事情
1. 面積:約190.5万km2(日本の約5倍)、約17,000余の島々からなる世界最大の島嶼国家。東西約5,110km(米国の東西両海岸間の距離に匹敵)、南北約1,888km(赤道を挟む)に及ぶ。
2. 人口:約2.06億(2000年インドネシア統計局)。世界第4位の人口である。大半がマレー系(ジャワ、スンダ等27種族に大別される)。中国系は約500〜600万人。総人口の約6割に当たる1億人強が、全国土面積の約7%に過ぎないジャワ島に集中している。
3. 首都:ジャカルタ(人口約1,000万人)
4. 人種:大半がマレー系(ジャワ、スンダ等27種族に大別される)
5. 言語:国語はインドネシア語(全国に広く普及している)、その他に、ジャワ語、スンダ語等約300以上の種族語がある。
6. 宗教:イスラム教87.1%、キリスト教10.1%、ヒンズー教1.8%他。インドネシアは世界最大のイスラム人口を有するが、イスラム教は国教ではない。
7. 略史:7世紀スマトラを中心に仏教王国スリウィジャヤ王国が成立。以後ジャワを中心に仏教、ヒンズー王国が興る。
13世紀イスラム教の伝来(アチェ地方)
1512年ポルトガル、モルッカ諸島のアンボンを占領
1602年オランダ、ジャワに東インド会社を設立。植民地経営に乗り出す。
1945年インドネシア独立宣言
1967年スカルノ、大統領の権限をスハルトに移譲。
1998年ハビビ、スハルトに代わり大統領に就任。
1999年アブドゥルラフマン・ワヒツド大統領、メガワティ副大統領選出。
2001年メガワティ大統領就任
8. 政治体制・内政
(1)政体:共和制
(2)元首:メガワティ大統領(2001年7月23日第5代大統領就任)
(3)議会:
(1)国会(DPR):定数500名
(2)国民協議会(MPR):国権の最高機関。国会議員500名と地方代表135名と団体代表65名で構成、計700名
(4)内閣:内閣は大統領の補佐機関で、大統領が国務大臣の任免権を有する。
(5)内政:
1998年5月、スハルト大統領が辞任し、ハビビ副大統領が大統領に就任した。
1999年6月7日、新しい選挙制度の下で総選挙が実施。10月20日、国民協議会においてアブドゥルラフマン・ワヒツドが第4代大統領に選出されたが、2001年7月23日、国民協議会特別総会で解任され、同日、メガワティ副大統領が大統領に昇格し現在に到る。
9. 外交基本方針:ASEANと連帯し、非同盟・積極自主外交を行い、西側諸国との協力関係を維持するとしている。
10. 経済指数:
1)主要産業:鉱業(石油、LNG、アルミ、錫)、農業(米、ゴム、パーム油)、工業(木材製品、セメント、肥料)
 
    1999 2000 2001
2)GDP 10億米ドル 140 152.7 145.6
3)一人当りGDP 米ドル 678 742 707
4)経済成長率 -13.1(98-99) 0.9(99-00) 4.9(00-01)
5)物価上昇率 9.4(98-99) 12.6(99-00) 10.0(00-01)
出典)外務省HP(インドネシア統計局)
 
6)総貿易額:(1)輸出:534(97)、488(98)、486(99)、621(00)、563(01)
(億米ドル)(2)輸入:417(97)、273(98)、240(99)、335(00)、310(01)
7)貿易品目:
(1)輸出:石油・天然ガス、繊維、合板、履物、ゴム
(2)輸入:石油製品、機械、自動車部品、鉄鋼板
8)貿易相手国:
(2000年)
(1)輸出:日本(23.1%)、米国(13.8%)、シンガポール(9.5%)
(2)輸入:日本(15.1%)、米国(10.4%)、シンガポール(10.2%)
注)非石油・ガスの統計
9)通貨:ルピア(Rp)
10)為替レート:1米ドル=9,400ルピア(2002年1月13日)
11)経済概況:1997年7月のアジア通貨危機により、外資導入、非石油・天然ガス産品の輸出志向産業の振興を中心に推進されてきた開発政策は大打撃を受けた。現在IMFとの合意に基づき、経済構造改革に努力中。経済は好調な輸出入に支えられ回復基調にあるが、国内消費、国内・外国投資も経済危機以前の水準に戻っていない。経済の本格的な回復のためには、政治情勢の安定と国際社会との協調、特にIMFプログラムの着実な実施が重要である。
12)二国間関係
1)日本にとりインドネシアは輸入額で米国、中国、韓国、台湾に次ぐ第5位の貿易相手国である(2000年外国貿易概況統計)。又、インドネシアにとって日本は輸出入両面で最大の貿易相手国である(シェア:輸出23.2%、輸入16.1%)。(2000年産業・貿易省統計)
2)日本・インドネシア貿易は、伝統的に日本の太幅な入超(約90億ドル、2000年産業貿易省統計)。
3)日本のインドネシアからの主な輸入品は、石油・液化天然ガス、石炭、鉱物資源、エビ、木材、合板、パルプ、繊維及び繊維製品、一般機械、家電製品、機械部品等。
 他方、日本からインドネシアヘの主な輸出品は、化学製品(薬品、プラスチック、化学繊維等)、一般機械及び部品、家電製品、四輪車・二輪車及び輸送機器の部品、電子機器等である。
4)インドネシアは日本にとって重要なエネルギー供給国である。
※日本のエネルギー輸入に占めるインドネシアの割合は2001年の通商白書によると
[石油]:4.7%(サウジアラビア、ア首連、イラン等に次いで第8位)
[天然ガス]:24.8%(第1位)、マレイシア(第2位)、ア首連(第3位)
5)インドネシアは、中東の石油、豪州の食料品などの産品を日本に運ぶ重要なルートに位置しており、日本の輸入石油の8割以上はマラッカ海峡、ロンボック海峡、スンダ海峡を通過している。
貿易概況:
 
  1999年 2000年 2001年
実質GDP成長率(%) 0.7 4.9 3.3
貿易収支(米ドル) 206億4,100万 250億4,100万 216億
経常収支(米ドル) 57億8,300万 79億9,100万 49億8,000万
外貨準備高(米ドル・年末) 264億4,500万 285億200万 272億4,600万
対外債務残高(米ドル・年末) 807億2,400万 799億7,200万 755億100万
為替レート(1米ドルにつき,ルピア,年平均) 7,855.2 8,421.8 10,260.9
出典)JETRO貿易投資白書2002年(中央統計局)
 
 2001年の外国投資、輸出は、年半ばから鈍化し減少を示した。2002年に入り、輸出はやや回復をみせたものの、対内直接投資額は大幅に落ち込んでいる。政府は、産業政策では「産業復興・開発計画」を打ち出したが、政権内の対立が生じている。また、投資促進策でも「新投資法案」施行の遅れに加え、税制面でのインセンティブ等では現時点では具体化した政策はない。日本の対インドネシア貿易・投資は2001年半ばから減少傾向にある。こうした中、現地日系企業団体のジャカルタ・ジャパン・クラブは、インドネシア政府との投資環境改善に向けた政策対話を開始した。
 2001年のインドネシア経済は、それまで景気回復を牽引してきた輸出、投資が落ち込み、民間消費が下支えしたものの、実質GDP成長率は3.3%にとどまった。2002年第1四半期(1〜3月)の成長率も前年同期比2.5%で、通年でも政府、民間シンクタンクを含め3%台との見通しが多い。なお、国際収支をみると貿易黒字が前年比13.7%減の216億ドルと97年以降初めて減少に転じ、経常収支黒字も49億8,000万ドルと半減した。一方、不良債権処理や国有企業の民営化などの構造改革は必ずしも順調といえる状況にはなく、逼迫した財政状況を悪化させる可能性も指摘されている。
 中央統計局(BPS)によると、2001年の貿易は、国際市況の低迷や欧米・日本の景気低迷などにより、輪出が減少に転じ前年比9.3%減の563億2,100万ドルであった。ただし、インドネシアは電気・電子製品の輸出比率が低いため、シンガポールやマレーシアなど他のASEAN諸国に比べ、IT需要低迷の直接的影響は大きくなかった。他方、輸入は消費財、原料・中間財が減少したことなどから、7.6%減の309億6,200万ドルであった。
 
表1-(1)インドネシアの主要国・地域別輸出
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
日本 14,415 13,010 23.1 △9.7
アジアNIES* 8,250 7,251 12.9 △12.1
ASEAN 10,818 9,438 16.8 △12.8
中国 2,768 2,201 3.9 △20.5
中東 2,083 2,029 3.6 △2.6
米国 8,475 7,749 13.8 △8.6
中南米 1,069 982 1.7 △8.1
EU 8,665 7,735 13.7 △10.7
ロシア・東欧 393 425 0.8 8.1
アフリカ 1,098 1,182 2.1 7.6
合計(その他含む) 62,124 56,321 100.0 △9.3
出典)JETRO貿易投資白書2002年(中央統計局)
  注)*はシンガポールを除く。
※はASEANおよびシンガポール、べトナム、カンボジア。







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