日本財団 図書館


(4)新幹線について
 本県の新幹線については、東九州新幹線、九州横断新幹線、四国新幹線が基本計画線として決定されているが、いずれも着工されず今日に至っている。
 本県の高速交通体系の整備の観点から、東九州新幹線の整備新幹線への格上げにより、地域、東九州地域の発展基盤を確立し、九州地方の一体的な発展を図るため、沿線各県市で構成されている「東九州新幹線鉄道建設促進期成会」を通じて、国に対して要望している。
 
(5)フリーゲージトレイン
 フリーゲージトレインについては、国において実用化に向けて試験車両の開発が行われている。日豊本線に導入されれば、小倉駅での乗換が不要となり、時間短縮を図ることができるなど、利便性が大きく向上するため、導入に向けて積極的に取り組んでいく必要がある。
 
フリーゲージトレイン
 
大分県の観光状況について
 
1 概況
 
 大分県には、別府・湯布院をはじめ日本一の湧出量と泉質を誇る多数の温泉地、九州本土で最高峰のくじゅう連山、国宝の宇佐神宮・臼杵石仏などの文化史跡、国東半島の修正鬼会(しゅじょうおにえ)などの地域固有の祭りやイベント、豊後水道や雄大な自然の中で育まれた豊かな味覚など、魅力的な観光資源が豊富にあり、多くの観光客を集めている。
 平成14年に本県を訪れた観光客総数は5447万人(対前年同月比101・0%)で過去最高を記録した。そのうち、宿泊客は795万人、全体の14・6%で、平成12年以降僅かながら減少傾向にある。一方、日帰り客は平成5年以降増加を続けており、短時間旅行の増加傾向が見られる。
 利用交通手段をみると、平成6年の大分自動車道と宇佐別府道路の連結や、平成13年の東九州自動車道の大分米良〜津久見間の開通などにより、自家用車・タクシー・バスの利用者が増加し、全体の90・7%を占めている。
 発地別観光客では、九州内からの入込客が年々増加しており、平成14年は76・6%を占め、「安」・「近」・「短」傾向がみられる。
 外国人観光客については、平成14年6月の日韓共催W杯などの影響もあり、韓国からの宿泊客が過去最高の11万4千人となった。平成14年に本県に宿泊した外国人観光客数は、184413人で、89・8%をアジアからの観光客が占めている。
 
観光客数及び消費額の推移
 
発地(国籍)別外国人宿泊観光客数の推移(主要国)
 
2 今後の観光振興策
 
 今年から来春にかけて、アフリカンサファリ、ラクテンチ、マリーンパレス、高崎山自然動物公園、スギノイパレス等大型観光施設のリニューアルオープンが予定されており、より一層充実した施設で観光客をお迎えするための準備が進められている。
 また、別府市の「別府八湯温泉泊覧会(オンパク)」や豊後高田市の「昭和の町づくり」など新しい魅力づくりが進められ、安心院町など県内各地の農村で、農作業体験により自然や人々との交流を深めるグリーンツーリズムの推進など、地域の活性化に繋がる観光振興策が進められている。
 本県では、今年9月に「ごみゼロおおいた作戦県民会議」を設置し、“全国に誇れる美しく快適な大分県づくり”に向けて観光産業従事者のみならず、県民総参加での取り組みを推進している。
 このほか、観光案内標識やトイレ、駐車場等観光インフラの整備に加え、ホテル・観光施設等の観光産業関係者の資質向上やホスピタリティ(おもてなしの心)の醸成、観光ボランティアガイドの育成を図るとともに、個人旅行の増加に伴って変化する旅のスタイルや観光ニーズの多様化に対応できるよう、インターネット、情報誌などを活用した情報発信の充実につとめている。
 
マリーンパレス、高崎山の完成イメージ図
 
 海外からの観光客の誘致については、観光産業に与える経済的効果だけでなく、国際交流の推進といった観点からも重要であるため、マスコミや旅行エージェント招待事業や海外での観光セールスの実施など、今後もビジット・ジャパン・キャンペーンとして取り組んでいる国や、九州各県との連携を図りながら積極的に実施していく。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION