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1. 3 平成15年度実施内容とその結果
(1)本年度の検討項目
1)目的
 本事業は平成14年10月から2月までの間、パイロットプロジェクトとして和泉市立緑ヶ丘小学校において教材および進め方の検討を行い、一般化に向けた課題等の整理を行った。
 そこで本年度は、昨年度の実施結果を踏まえ、教材および進め方の改良を行い、その検証を行うことを目的とする。
2)検討項目
(1)プログラムの検証と改良
 平成14年度実施した教材および進め方の改良を行い、パイロットプロジェクトとして実施する。
(2)追跡調査による効果の持続性の検討
 昨年実施した「かしこいクルマの使い方」に対する意識が1年経過した現在でも持続しているか評価するためにアンケート調査を実施する。
3)検討の枠組み
(1)実施対象
対象校:和泉市立芦部小学校 5年生(3クラス)
教科:総合的な学習の時間
(2)取組みの体制
 原則として、小学校が主体となってプログラムの取り組みを行う。この場合、できる限り家庭や地域団体との連携を考える。
 学識経験者、行政、コンサルタントが、教材作成、授業の支援、記録と評価などの取り組み支援を行う。
 
図II-1-3 取り組みの体系
 
(3)実施体制
 プロジェクトは、パイロット的位置付けでもあり、学習の実施に際しての支援を行うとともに、今後の定着に向けての検討評価を行う必要があることから、委員会、研究会を構成して支援する。
 
図II-1-4 実施体制
 
4)経過報告
 本年度に実施した委員会、研究会などの経過を表II-1-2に示す。
 
表II-1-2 経過報告
 
(2)プログラムの改良検討
1)本年度のプログラム改良検討の方針
(1)1か月程度のショートプログラムを目指す
・子どもたちにとっては、1か月1テーマ程度の学習が一つのタームである。
・教師が、年間カリキュラムの中で位置付けて構成できることが可能なプログラムとする。
(2)子どもたちおよび保護者の負担の軽減
・単純な計算の反復、複雑なワークシートを避ける。
→シンプルなデータ収集と計算、パソコン授業の活用など
・保護者の作業量を少なくする。
→家庭での作業量の縮減(ただし、家族との話し合いは活用)
(3)子どもたちが興味を持って取り組めるカリキュラムが構成できるようにする
・全員が一つのカリキュラムで足並みをそろえて取り組むのではなく、動機付けのコア部分だけを用意して、あとは子どもたちの興味に基づいた対応をする。
(4)ワークシートの工夫
・副読本方式をやめて、ワークシートの積み重ねによってドキュメント化する。
2)プログラムの構成
 プログラムは、交通と環境というフィールドで、「子どもたちが興味を持って取り組める」という前提の下に、次のような要件を考慮して改良した。
 
・身近な題材を取り上げる。
・体験活動を重視する。
・できるだけ家庭、地域との連携を図る。
 
 また、標準的には、課題発見プログラムと実践プログラムの2つのステップで構成し、それぞれ1か月以内(3〜4週間程度)で完結するようなプログラムとして、子どもたちの興味に応じて構成することとした。
 芦部小学校で採用したプログラム構成は、図II-1-5に示すとおりである。
 まず、芦部小学校5年生における「総合的な学習の時間」の年間テーマは「環境問題に取り組む」であり、課題発見のための学習をして、「水辺の学校」、「校区内の空気を調べよう」を採用することとした。「校区内の空気を調べよう」は本検討で開発する教材であり、「科学的に調べる」ことを要請するというねらいにあわせて、実施することとした。
 次に、実践プログラムでは、一人一人が取り組みたいテーマを決め、そのテーマに対して、“調べ”、“実践し”、“評価する”ことにした。
 最後に、発表会などを通して、評価、提言するという構成とした。
 
図II-1-5 芦部小学校でのプログラムの構成







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