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バス、タクシー運送事業におけるグリーン経営のすすめ(表紙)
 
 
●交通エコロジー・モビリティ財団は、国土交通省、(社)日本バス協会、(社)全国乗用自動車連合会の協力を得て、バス、タクシー事業者が環境保全活動を自主的に進めていくためのマニュアルを作成し、グリーン経営の普及を推進しています。
 
■環境問題への対応が企業経営の重要課題です
 地球温暖化問題、大気汚染問題が深刻化する中で、ユーザーは企業等に環境保全への取組みを求め始めています。
 
 
■グリーン経営推進マニュアルの特徴
 ISO14031(環境パフォーマンス評価に関する国際規格)の考え方を参考にしてバス、タクシー事業者が取組むべき環境保全項目を具体的に示したもので、目標の設定と評価が容易にできます。
 
●事業者が自主的、継続的に取組めるもの
 自己評価をもとにして取組みを見直しながら、活動を継続していく仕組みになっています。
●事業者が容易に取組めるもの
 中小規模の事業者でも容易に取組めるように簡易でコンパクトなものになっていて、経営規模に応じた目標レベルの設定と取組みができます。
●環境改善の実効が期待できるもの
 環境方針、推進体制、従業員教育といった管理に関する項目は極力簡素化を図り、また、エコドライブの推進や車両整備といった車両運用を中心とした項目を取上げており、具体的に環境改善の実効が期待できるもの、取組み結果に対する客観的な評価ができるものになっています。
 
■グリーン経営の効果(経営面のメリット)
●費用削減
 エコドライブ推進により、10%の燃費削減を実施すると、バス1台あたり20万円、タクシー1台あたり約8万円のコスト削減ができる。
※バスの場合、年間走行距離10万km、燃費3.0km/l、軽油65円/lで試算
タクシーの場合年間走行距離10万km、燃費6.5km/l、LPG65円/lで試算
 
●事故削減
 エコドライブ推進により、4年間で50%以上の事故削減。
※全日本トラック協会エコドライブ推進マニュアルより
●乗客や取引先にアピールできる(社会的評価が高まる)
 環境経営に積極的な先進的企業として評価されます。
●職場活性化、従業員の士気の向上
 環境保全活動を進めていく中で従業員の自主的取組みの醸成により職場が活性化します。社会貢献を実践し、評価を受けることによって、従業員の士気の向上が図られます。
●国土交通省では環境保全活動実践優秀事業者への表彰制度を検討しています
 国土交通省では、環境保全に配慮し、特に優れた取組みを行っている事業者等を運輸局長名で表彰する仕組みを検討しており、審査時にグリーン経営への取組みが優秀な事業者について考慮することを考えています。
 
●チェックリストによる取組み状況の把握から始めましょう!
 
●グリーン経営は、チェックリストを用いて、自社の環境保全活動への取組み状況を把握し、マニュアルを参考にして改善活動を進めるものです。
 
■グリーン経営のすすめ方
 
●Plan、Do、Check、ActionのいわゆるPDCAのサイクルをまわすことによって、螺旋階段状に改善を図っていきます。
 
★チェックリストの提出はエコモ財団の他、地方運輸局交通環境部(北陸信越運輸局は企画部、沖縄総合事務局は運輸部)を通じて提出することができます。
 
●交通エコモ財団はグリーン経営推進のサポートをします!
特別な費用はかかりません。
 
●マニュアルはエコモ財団より無料で配布します。インターネットかFAXで申し込んでください。
●チェック結果の分析、改善計画の作成アドバイスも無料で実施します。
 チェック結果を送付するとエコモ財団がチェック結果を分析し、各事業者の取組みレベルに応じた行動計画案をエコモ財団から提案します。(改善計画作成が容易になります)
 
■グリーン経営推進項目と取組みのポイント
評価項目 取組みのポイント
大項目 小項目 バス タクシー
1. 環境保全のための仕組み・体制の整備 ・環境方針  環境保全への取組みを進めるためには、まず、会社の方針(環境方針)を示したうえで、取組みのための責任者等を明確にするとともに、従業員に対する環境教育を進めることが重要です。
・推進体制
・従業員に対する環境教育
2. エコドライブの実施 ・燃費等に関する定量的な目標の設定等  燃費の改善によるコスト削減や環境負荷の低減を図るためには、まず、日頃から燃費管理を徹底して行い、それをもとに燃費の改善目標を設定することが必要です。さらに、実際にエコドライブに取組むドライバーへの教育や指導、ドライバーがエコドライブに取組みやすいような装置や機器の導入も重要です。
・エコドライブのための実施体制
・アイドリングストップの励行
・推進手段等の整備
3. 低公害車の導入 ・低公害車等の導入目標の設定と取組み  自動車からのCO2や大気汚染物質を削減するためには、CNG車やハイブリッド車等の低公害車やガソリン車やLPG車の場合、低排出ガス車でかつ低燃費車を導入することが効果的です。また、ディーゼル車の場合には、最新規制適合車を導入することも効果的です。このため、低公害車等について業態に合った車種を計画的に導入することが重要です。また、最新規制適合ディーゼル車についても、できるだけ前倒しで導入する計画を設定することが重要です。
・最新規制適ディーゼル車の導入目標の設定と取組み  
・燃料の管理  
・条例に定める運行規制対象車数の把握  
4. 自動車の点検・整備 ・点検・整備のための実施体制  日常から車両の状況を把握し、整備の依頼時にその結果を伝えたり、法に定められた点検・整備の実施に加えて、会社として独自の点検・整備基準(走行距離、点検期間等)を設けて点検・整備基準を定めて整備を進めることが重要です。
・車両の状態に基づく適切な点検・整備
・法定点検に加えて、環境に配慮した独自の基準による点検・整備の実施
5. 廃棄物の適正処理およびリサイクルの推進 ・廃棄物の適正な管理  自動車の整備に伴って生じる廃油、廃タイヤ、廃バッテリーの処理に際しては、適正な事業者に委託することが重要です。
6. 空車走行距離の削減および効率的走行の推進  ・空車走行距離の削減    顧客の要望に応えた効率的な運行を行うことにより空車走行距離の削減や効率的走行を進めることが環境保全の観点からも重要です。
・効率的走行の推進  
 
●チェックリストのレベル設定●
 チェック項目には取組みの難易度が設定され、自社の取組みレベルがわかるようになっています。







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