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循環資源・リサイクル製品の海上輸送の促進に関する調査  報告書

 事業名 循環資源・リサイクル製品の海上輸送の促進に関する調査
 団体名 九州運輸振興センター  


第6章 海上輸送の利用条件の検討
 ここでは、アンケート調査、ヒアリング調査に基づき、海上輸送を実現する上で望ましい条件を整理した。
 
6.1 海上輸送の利用条件の整理
 現在、北九州市へトラック輸送されている循環資源が海上輸送へシフトする場合と新たに北九州市でリサイクルされる循環資源が海上輸送される場合について、海上輸送の利用条件を整理した。
・他の輸送機関からのシフト(現在トラック輸送されている循環資源の海上輸送へのシフト)
・北九州市への新たな循環資源輸送(新たに北九州市でリサイクルされる循環資源の海上輸送)
 
表−6.1 海上輸送の利用条件
  (1)他の輸送機関からのシフト (2)北九州市への新たな循環資源輸送
1)コストに関する条件 ・他の輸送機関より輸送コストが安い。 ・トータルコスト(輸送コスト、処理コスト)が他の地域でのリサイクル、焼却処分等より安価である。
2)輸送頻度、ロットに関する条件 ・排出地に保管場所を確保できる(大量輸送をする場合。ただし、その他船舶の場合であり、フェリーについては必要なし)。
・リサイクル工場(工場敷地内、工場周辺)に受入量を調整する保管場所を確保できる(大量輸送をする場合。ただし、その他船舶の場合であり、フェリーについては必要なし)。
・排出地に保管場所を確保できる(大量輸送をする場合。ただし、その他船舶の場合であり、フェリーについては必要なし)。
・リサイクル工場(工場敷地内、工場周辺)に受入量を調整する保管場所を確保できる(大量輸送をする場合。ただし、その他船舶の場合であり、フェリーについては必要なし)。
3)北九州港・関東、離島の港湾利用に関する条件 ・公共岸壁を利用できる。
・港湾において荷姿に関する制限がない。
・港湾において積替え・保管ができる(その他船舶の場合であり、フェリーについては必要なし)。
・公共岸壁を利用できる。
・港湾において荷姿に関する制限がない。
・港湾において積替え・保管ができる(その他船舶の場合であり、フェリーについては必要なし)。
4)関係する業者の選定に関する条件 ・信用、実績のある収集運搬業者であることが認知されている。
・調整機能が必要とされている。
・信用、実績のある収集運搬業者であることが認知されている。
・信用、実績のあるリサイクル業者であることが認知されている。
・調整機能が必要とされている。
注:「その他船舶」とは、フェリー以外の船舶を示す。
 
6.2 コストに関する条件
(1)輸送機関別の輸送コストの比較
 アンケート調査、ヒアリング調査より、関東、九州離島等の遠隔地から北九州市への循環資源輸送ニーズがあることがわかった。この場合、海上輸送あるいは鉄道輸送が利用されるには、他の輸送機関よりも低コストで輸送される必要がある。
 ここでは、アンケート調査、ヒアリング調査より明らかになった今後実施される可能性のある北九州市への循環資源輸送について、輸送機関別の見積上の概算輸送コストを比較した。概算輸送コストは、北九州市へ循環資源の輸送を行った実績のある収集運搬業者7社に算定を依頼した。
 
(1)東京都から建設混合廃棄物を輸送するケース
 
 東京都西多摩郡から北九州エコタウンへ建設混合廃棄物を輸送する場合、最も輸送コストが低い輸送機関は、海上輸送(フェリー以外のその他船舶)である。
 
表−6.2 輸送状況
循環資源名 積出地 循環資源の状態 年間輸送量
建設混合廃棄物 東京都西多摩郡 ばら貨物 500(トン/年)
比重注1 その他船舶注2の船種注3
0.7 199GT貨物船、499GT貨物船(定期船、傭船)
注1:比重については、収集運搬業者への問い合わせより設定した。
注2:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注3:その他船舶の種類については、概算輸送コストを算定した収集運搬業者が設定した条件を示した。
 
表−6.3 概算輸送コストの比較
  輸送コスト
(円/トン)
輸送経路と輸送機関 1回当たり
輸送量
(トン)
荷姿
海上輸送
(その他船舶注1
6,000〜8,000 東京都 西多摩郡 → 横浜港 トラック 500 ばら貨物
横浜港 → 北九州港 船舶
北九州港 → 北九州 エコタウン トラック
海上輸送
(フェリー)
8,000〜9,000 東京都 西多摩郡 → 東京港 トレーラー 20.0 フレコンバッグ
東京港 → 北九州港 フェリー
北九州港 → 北九州 エコタウン トレーラー
鉄道輸送 18,000〜20,000 東京都 西多摩郡 → 八王子駅 トラック 4.6〜5.0 コンテナ
八王子駅 → 北九州貨物 ターミナル駅 鉄道
北九州貨物 ターミナル駅 → 北九州 エコタウン トラック
トラック輸送 26,000〜50,000 東京都青梅市 → 北九州 エコタウン トラック 7.0 ばら貨物
注1:「その他船舶」とは、フェリー以外の船舶を示す。
資料:北九州市へ循環資源の輸送を行った実績のある収集運搬業者7社による概算輸送コストの算定結果より作成。
 
(2)神奈川県から廃プラスチックを輸送するケース
 
 神奈川県川崎市から北九州エコタウンへ廃プラスチックを輸送する場合、最も輸送コストが低い輸送機関は、海上輸送(フェリー以外のその他船舶)である。
 
表−6.4 輸送状況
循環資源名 積出地 循環資源の状態 年間輸送量
廃プラスチック 神奈川県川崎市 ばら貨物 10,000(トン/年)
比重注1 その他船舶注2の船種注3
0.4 499GT貨物船(定期船、傭船)
注1:比重については、収集運搬業者への問い合わせより設定した。
注2:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注3:その他船舶の種類については、概算輸送コストを算定した収集運搬業者が設定した条件を示した。
 
表−6.5 概算輸送コストの比較
  輸送コスト
(円/トン)
輸送経路と輸送機関 1回当たり
輸送量
(トン)
荷姿
海上輸送
(その他船舶注1
6,000〜9,000 神奈川県 川崎市 → 横浜港 トラック 640〜830 ばら貨物
(ベール状)注2
又はフレコンバッグ
横浜港 → 北九州港 船舶
北九州港 → 北九州 エコタウン トラック
海上輸送
(フェリー)
7,500〜11,000 神奈川県 川崎市 → 東京港 トレーラー 17.6〜20.0 ベール状注2
東京港 → 北九州港 フェリー
北九州港 → 北九州 エコタウン トレーラー
鉄道輸送 17,000〜18,000 神奈川県 川崎市 → 川崎貨物駅 トラック 4.8〜5.0 コンテナ
川崎貨物駅 → 北九州貨物 ターミナル駅 鉄道
北九州貨物 ターミナル駅 → 北九州 エコタウン トラック
トラック輸送 16,000〜26,000 東京都青梅市 → 北九州 エコタウン トラック 16.0
(トレーラー)
ベール状注2
注1:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注2:ベール状とは、圧縮梱包した状態。
資料:北九州市へ循環資源の輸送を行った実績のある収集運搬業者7社による概算輸送コストの算定結果より作成。
 
(3)神奈川県からペットボトルを輸送するケース
 
 神奈川県秦野市から北九州エコタウンへペットボトルを輸送する場合、最も輸送コストが低い輸送機関は、海上輸送(フェリー)である。
 
表−6.6 輸送状況
循環資源名 積出地 循環資源の状態 年間輸送量
ペットボトル 神奈川県秦野市 1m3に圧縮梱包 100(トン/年)
比重注1 その他船舶注2の船種注3
0.3 199GT貨物船、499GT貨物船(定期船、傭船)
注1:比重については、収集運搬業者への問い合わせより設定した。
注2:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注3:その他船舶の種類については、概算輸送コストを算定した収集運搬業者が設定した条件を示した。
 
表−6.7 概算輸送コストの比較
  輸送コスト
(円/トン)
輸送経路と輸送機関 1回当たり
輸送量
(トン)
荷姿
海上輸送
(その他船舶注1
10,000〜20,000 神奈川県 秦野市 → 横浜港 トラック 100 ばら貨物
(ベール状)注2
又はフレコンバッグ
横浜港 → 北九州港 船舶
北九州港 → 北九州 エコタウン トラック
海上輸送
(フェリー)
8,000〜15,000 神奈川県 秦野市 → 東京港 トレーラー 13.2〜20.0 ベール状注2
東京港 → 北九州港 フェリー
北九州港 → 北九州 エコタウン トレーラー
鉄道輸送 17,000〜21,000 神奈川県 秦野市 → 相模貨物駅 トラック 3.6〜5.0 コンテナ
相模貨物駅 → 北九州貨物 ターミナル駅 鉄道
北九州貨物 ターミナル駅 → 北九州 エコタウン トラック
トラック輸送 21,000〜26,000 東京都青梅市 → 北九州 エコタウン トラック 12.0トン
(トレーラー)
ベール状注2
注1:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注2:ベール状とは、圧縮梱包した状態。
資料:北九州市へ循環資源の輸送を行った実績のある収集運搬業者7社による概算輸送コストの算定結果より作成。
 
(4)鹿児島県離島から古紙を輸送するケース
 
 鹿児島県名瀬市から北九州エコタウンへ古紙を輸送する場合、最も輸送コストが低い輸送機関は、海上輸送(フェリー以外のその他船舶)である。
 
表−6.8 輸送状況
循環資源名 積出地 循環資源の状態 年間輸送量
古紙 鹿児島県名瀬市 ばら貨物 3,600(トン/年)
比重注1 その他船舶注2の船種注3
0.375 499GT貨物船(定期船、傭船)
注1:比重については、収集運搬業者への問い合わせより設定した。
注2:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注3:その他船舶の種類については、概算輸送コストを算定した収集運搬業者が設定した条件を示した。
 
表−6.9 概算輸送コストの比較
  輸送コスト
(円/トン)
輸送経路と輸送機関 1回当たり
輸送量
(トン)
荷姿
海上輸送
(その他船舶注1
4,000〜7,000 鹿児島県 名瀬市 → 名瀬港 トラック 450〜770 ばら貨物
(ベール状)注2
名瀬港 → 北九州港 船舶
北九州港 → 北九州 エコタウン トラック
海上輸送
(フェリー)

鉄道輸送
23,000〜33,000 鹿児島県 名瀬市 → 名瀬港 トラック 9.0 コンテナ
名瀬港 → 鹿児島港 フェリー
鹿児島港 → 鹿児島駅 トラック
鹿児島駅 → 北九州貨物 ターミナル駅 鉄道
北九州貨物 ターミナル駅 → 北九州 エコタウン トラック
海上輸送
(フェリー)

トラック輸送
22,000〜32,000 鹿児島県 名瀬市 → 名瀬港 トラック 16.5 ベール状注2
名瀬港 → 鹿児島港 フェリー
鹿児島港 → 北九州 エコタウン トラック
注1:その他船舶とは、フェリー以外の船舶を示す。
注2:ベール状とは、圧縮梱包した状態。
資料:北九州市へ循環資源の輸送を行った実績のある収集運搬業者7社による概算輸送コストの算定結果より作成。
 
(5)輸送機関別の輸送コストの検討のまとめ
 各ケースの輸送機関別の概算輸送コストを比較した結果、以下の知見が得られた。
 
 概算輸送コストを比較した結果、関東、九州離島等から循環資源を輸送する場合、フェリー、その他船舶(フェリー以外の船舶を示す。)による海上輸送を行った場合が最も低コストであることが明らかになった。
 ただし、その他船舶による海上輸送については、帰り荷がなければ循環資源の輸送を請け負わない企業もあった。
 帰り荷がなくても輸送を請け負うと回答した企業についても、帰り荷が確保できれば、その分を考慮した見積りを行う可能性があるとのことであった。
 なお、帰り荷がなければ循環資源の輸送を請け負わない企業と、帰り荷がなくても輸送を請け負うとした企業の概算輸送コストは、帰り荷がなければ輸送を請け負わない企業の方が低い場合が多かった。
 また、フェリー輸送の場合、木くず、建設混合廃棄物など、循環資源の荷姿、特性などによっては、なじまない循環資源もあることが指摘されている。
 
(2)トータルコスト(輸送コスト、処理コスト)の低減
・関東、九州離島など遠隔地の排出業者が、新たに北九州でリサイクルを実施するには、輸送コストだけでなく、処理コストも含めたトータルコストの低減が必要となる。
・関東から排出された循環資源を関東地域内へ輸送する場合と、北九州市へ輸送する場合を比較すると、当然、関東地域内への輸送の方が輸送コストは低くなる。しかし、関東では処理が困難で処理費が非常に高くなる場合であっても、北九州のリサイクル業者では低コストでの処理が可能となる場合がある(現在、関東から排出された建設混合廃棄物、廃油などを北九州においてリサイクルを行っている事例がある)。
・単に輸送コストを比較するのではなく、トータルコストの比較が必要である。その上で、海上輸送を利用するには、他の輸送機関よりも海上輸送を利用する場合の方が輸送コストが低くなる必要がある。







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更新日: 2022年5月21日

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