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循環資源・リサイクル製品の海上輸送の促進に関する調査  報告書

 事業名 循環資源・リサイクル製品の海上輸送の促進に関する調査
 団体名 九州運輸振興センター  


第5章 静脈物流の事例の検討
5.1 事例からみた海上輸送における問題点
 循環資源の海上輸送を行うには、港湾において円滑に循環資源を取り扱えることが最も重要な条件である。
 ここでは、循環資源の積出港である関東と離島の港湾と、循環資源の受入港である博多港、北九州港の事例を整理し、循環資源の取り扱いに関わる問題点を示した。
 
(1)関東の主要港湾の事例
(1)公共埠頭での廃棄物の取扱
・関東の主要港湾である、東京港、横浜港、川崎港では、公共埠頭でのばら貨物である廃棄物の取り扱いはできない。条例等で規制されているわけではなく、港湾管理者の判断により取り扱えない状況である。
・有価物である金属スクラップについては、いずれの港湾でも公共埠頭での取り扱いが認められている。
・コンテナ輸送されている古紙、中古自動車部品、廃プラスチック等については、いずれの港湾でも公共埠頭で取り扱うことができる。
 
(2)私設埠頭での廃棄物の取扱
・首都圏では、廃棄物の排出量が非常に多く、海上輸送の要望も多い。しかし、公共埠頭では取り扱えないため、全て私設埠頭で捌いている状況である。私設埠頭を所有する港湾運送事業者等は、廃棄物を今後の有望品目とみて、取り扱いに力を入れている。
 
写真−5.1 
横浜港の私設埠頭での金属スクラップの取扱状況
注: この私設埠頭では、古紙、金属スクラップ、廃プラスチック等が取り扱われている。
 
(2)離島港湾の事例
・離島においては、島内で適切なリサイクル事業者がいない場合、島外へ海上輸送し、島外でリサイクルすることとなる。
・そのため、離島では日常的に循環資源の島外輸送を行わなければならず、多くの循環資源が一般貨物と同様に、公共岸壁において取り扱われている。
・また、離島港湾は離島の玄関口であり人流も多いが、港湾が狭い場合が多く、人流との分離が困難である。
 
写真−5.2 
厳原港の公共岸壁に接岸している産業廃棄物収集運搬船
 
(3)離島航路がある博多港の事例
・離島航路の船舶が就航している博多港では、離島から輸送した循環資源は公共岸壁で取り扱われている。
 
(4)北九州港の事例
・北九州港は、港湾管理条例には明記されていないが、独自の循環資源の取扱基準があり、公共岸壁の利用には様々な制約が課せられている。
 
表−5.1 北九州港(公共埠頭)における産業廃棄物荷役取扱基準
項目 産業廃棄物荷役取扱基準
対象となる産業廃棄物 ・以下の安定型産業廃棄物
廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・陶磁器くず、がれき類(コンクリートがら等)
上記に準ずると認められるもの。
荷役作業時の原則 ・荷姿は、悪臭、飛散、液体の漏洩等、外部へ影響を与えるおそれのないコンテナに入ったものに限る。
・係留施設での荷役作業時は、トラック荷台〜船舶間で直接揚積すること。(コンテナを直接エプロンに置いてはならない)
・産業廃棄物の入ったコンテナの荷捌施設、保管施設等における蔵置は認めない。但し、産業廃棄物用の空コンテナに限り、蔵置を認める。
資料:北九州市港湾局資料より作成。
 
(5)問題点の整理
(1)積出港の問題点
・関東の主要港湾では、港湾管理者の判断により、ばら貨物である廃棄物を公共岸壁で取り扱うことができない。そのため、関東からばら貨物である廃棄物を海上輸送する場合は、私設岸壁を利用する必要がある。
・離島港湾では、公共岸壁において廃棄物を取り扱うことは可能である。ただし、港湾によっては、一般貨物と廃棄物を隣接して保管するなど、分離が困難な場合がある。
 
(2)受入港の問題点
・離島航路の船舶が就航している博多港では、離島からの循環資源は、公共岸壁において取り扱いが可能である。
・循環資源の受入港である北九州港では、公共岸壁において産業廃棄物を取り扱う場合、品目、荷姿、荷役作業に制限が設けられている。
 
5.2 事例からみた鉄道輸送における問題点
 鉄道による循環資源の輸送事例として、横浜羽沢駅と北九州貨物ターミナル駅における廃棄物収集運搬事業者の許可取得に関する事例と問題点を示す。
 
(1)横浜羽沢駅の事例
・日本貨物鉄道(株)では、横浜市に対し、横浜羽沢駅での積替え・保管を含めた廃棄物収集運搬業の許可を申請しようとした。
・ところが横浜市から、建物の中で積替えが行えるように、横浜羽沢駅に積替え・保管用の建物をつくるようにとの指示があった。
・横浜羽沢駅では、デバンニングする訳ではなく、コンテナをトラックから鉄道に積み替えるだけであるため、建物に入れる必要はないと説明したが、認められなかった。
・廃棄物処理法の解釈は、許可を出す地方自治体によって異なるため、他の地域では許可を取得できたとしても、同じ条件では許可を取得できない地域がでてくる。
 
(2)北九州貨物ターミナル駅の事例
・北九州貨物ターミナル駅では、廃油、廃酸、廃プラスチック、ペットボトル等を取り扱っている。
・北九州貨物ターミナル駅では、積替え・保管も可能である。
・日本貨物鉄道(株)では、循環資源の輸送に、循環資源専用の12ftコンテナを使用している。
・液体物、汚染土壌など、品目によっては12ftコンテナでは輸送が困難であるものについては、荷主側が品目に合った輸送用容器を製造している。
 
写真−5.3 循環資源専用コンテナ
 
写真−5.4 
北九州貨物ターミナル駅の産業廃棄物置場
 
(3)問題点
・北九州ターミナル駅においては、積替え・保管が可能であり、様々な廃棄物を取り扱うことができる。
・北九州ターミナル駅においてより多くの循環資源を取り扱うには、積み出し駅においても、同レベル(取扱可能な品目、積替え・保管許可の取得、荷役機械の設置等)の設備、許可等が必要となる。







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