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【船舶の操舵の設備の基準を定める告示】
(操舵装置)
第2条 船舶(総トン数70,000トン以上の船舶であって危険物ばら積船等(危険物船舶運送及び貯蔵規則(昭和32年運輸省令第30号)第2条第1号の2イ及びロに掲げるばら積み液体危険物又は引火性若しくは爆発性のガスを発生する液体であってこれらのばら積み液体危険物以外のもののばら積輸送に使用される船舶をいう。以下同じ。)以外のもの及び総トン数10,000トン以上の危険物ばら積船等を除く。)に係る規程第135条の告示で定める要件は、次条から第5条までに定めるとおりとする。
第3条 主操舵装置及び補助操舵装置は、そのうちの一の故障により他の操舵装置の作動が妨げられるおそれのないものでなければならない。
第4条 主操舵装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)十分な強度を有し、かつ、管海官庁が適当と認める方法により保護されたものであること。
(2)最大航海喫水において最大航海速力で前進中に、舵を片舷35度から反対舷35度まで操作でき、かつ、片舷35度から反対舷30度まで28秒以内に操作できるものであること。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
(3)最大後進速力で後進しても破損しないものであること。
(4)舵柄と接合部の舵頭材の径が120ミリメートルを超える場合には、動力によるものであること。
2. 補助操舵装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)操舵機室を有する船舶に備えるものにあっては、操舵機室において操作することができるものであること。
(2)最大航海喫水において最大航海速力の2分の1又は7ノットのうちいずれか大きい方の速力で前進中に、舵を片舷15度から反対舷15度まで60秒以内に操作できるものであること。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
(3)主操舵装置が故障した場合に、速やかに作動させることができるものであること。
(4)舵柄との接合部の舵頭材の径が230ミリメートルを超える場合には、動力によるものであること。
(5)動力によるものにあっては、その制御系統(操舵輪又は舵レバーを除く。以下この号、次条第4号、第7条第4号及び第9条第5号において同じ。)は、主操舵装置の制御系統と独立したものであること。
(6)前項第1号に掲げる要件
(関連規則)
船舶の操舵の設備の基準を定める告示第4条関係(心得)
4.2
(a)〜(c) (略)
(d)第5号の制御系統と主操舵装置の制御系統との独立性については、次に掲げるところによること。
(1)主操舵装置の制御系統と補助操舵装置の制御系統との間には、共通回路配線及び単式切替スイッチが設けられていないこと。
(2)制御系統の増幅器、リレー等は、自動操舵装置と兼用して差し支えない。
(3)船橋と操舵機室間の制御回路ケーブルとして他心ケーブルを用いる場合には、主操舵装置の制御系統と別個の多心ケーブルが用いられていること。
(4)可変吐出容量式のポンプを使用する動力装置を備える電動油圧補助操舵装置にあっては、当該ポンプの傾転量を制御するための油圧サーボシリンダ及びこれに付随する油圧システム(ポンプ駆動電動機及びその始動器類を含む。)又は電気サーボモータがそれぞれ2組備えられていること。
第5条 主操舵装置が動力によるものであり、かつ、前条第1項第1号から第3号までに掲げる要件のほか、次に掲げる要件にも適合するものである場合は、当該船舶には、補助操舵装置を備えることを要しない。
(1)同等の能力を有する2以上の動力装置を有すること。この場合において国際航海に従事する旅客船及び国際航海に従事しない旅客船であって遠洋区域又は近海区域を航行区域とするものにあっては、当該動力装置は、そのうちの1が作動していないときにおいても前条第1項第2号に規定する操舵能力を維持することができるものでなければならない。
(2)油圧操舵装置にあっては、その油圧駆動系統(ラダー・アクチュエーターを除く。)に1の故障が生じた場合に、速やかに操舵能力を回復させるための措置が講じられたものであること。
(3)油圧操舵装置以外のものにあっては、前号の要件に適合する油圧操舵装置と同等以上の効力を有するものであること。
(4)船橋から操作することができる2の独立した制御系統を備えたものであること。ただし、油圧テレモーターにより構成される制御系統にあっては、1とすることができる。
(関連規則)
船舶の操舵の設備の基準を定める告示第5条関係(心得)
5.0
(a)第1号の動力装置の分離については、3.0(a)を準用する。
(b)第2号の「速やかに操舵能力を回復させるための措置」とは、弁操作により故障部分を切り離す措置又はこれと同等以上の措置をいう。
(c)第4号の制御系統の独立性については、次に掲げるところによること。
(1)共通回路配線及び単式切換スイッチが設けられていないこと。
(2)制御系統の増幅器、リレー等は、自動操舵装置と兼用して差し支えない。
(3)船橋と操舵機室間の制御回路ケーブルとして多心ケーブルを用いる場合には、系統別に別個の多心ケーブルが用いられていること。
(4)可変吐出容量式のポンプを使用する動力装置を備える電動油圧補助操舵装置にあっては、当該ポンプの傾転量を制御するための油圧サーボシリンダ及びこれに付随する油圧システム(ポンプ駆動電動機及びその始動器類を含む。)又は電気サーボモータが主操舵装置の制御系統と別個に備えられていること。
第6条 総トン数70,000トン以上の船舶であって危険物ばら積船等以外のものに係る規程第135条の告示で定める要件は、動力による操舵装置であって第4条第1項第1号から第3号まで及び前条各号に掲げる要件に適合するものを備えていることとする。
第7条 総トン数10,000トン以上の危険物ばら積船等に係る規程第135条の告示で定める要件は、動力による操舵装置であって次に掲げる要件に適合するものを備えていることとする。
(1)油圧操舵装置にあっては、その油圧駆動系統に1の故障が生じた後45秒以内に操舵能力を回復できるものであること。ただし、当該故障がラダー・アクチュエーターの焼付き又はラダー・アクチュエーターを1のみ備える油圧駆動系統の当該ラダー・アクチュエーターの故障である場合は、この限りでない。
(2)油圧操舵装置にあっては、その油圧駆動系統は、次に掲げる要件のいずれかに適合するものであること。ただし、ラダー・アクチュエーターを1のみ備える油圧駆動系統については、管海官庁の指示するところによるものとする。
イ. 2の独立し、かつ、分離した油圧駆動系統であって、かつ、そのそれぞれが第4条第1項第2号に規定する操舵能力を有するものであること。
ロ. 2の独立した油圧駆動系統であって、そのうちの1に作動油の漏出が生じた場合に、これを自動的に探知し、かつ、当該系統を自動的に切り離すことにより、他の系統の作動を維持することができるものであること。
(3)油圧操舵装置以外のものにあっては、前2号の要件に適合する油圧操舵装置と同等以上の効力を有するものであること。
(4)船橋から操作することができる2の独立した制御系統を備えたものであること。
(5)第4条第1項第1号から第3号まで及び第5条第1号の要件
(関連規則)
船舶の操舵の設備の基準を定める告示第7条関係(心得)
7.0
(a)第4号の制御系統の二重化については、5.0(c)を準用する。
(動力装置)
第8条 動力による操舵装置の動力装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)船橋から始動させることができるものであること。
(2)故障により停止した動力源からの動力の供給が復帰した場合に、自動的に再始動するものであること。
(3)故障した場合に、船橋に可視可聴の警報を発するものであること。
(関連規則)
船舶の操舵の設備の基準を定める告示第8条関係(心得)
8.0(動力装置)
(a)第3号の「故障した場合」は、電動油圧操舵装置にあっては、油圧ポンプを駆動する電動機の無電圧状態として差し支えない。
(b)第3号の可視警報は、2系統を共用したものではないこと。
(制御系統)
第9条 動力による操舵装置の制御系統は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
(1)船橋(操舵機室を有する船舶にあっては、船橋及び操舵機室)において操作することができるものであること。
(2)船橋から作動を開始することができるものであること。
(3)操舵機室を有する船舶にあっては、船橋から操作する制御系統を操舵装置から切り離すための装置を操舵機室に備えたものであること。
(4)電気式のものにあっては、給電が停止したときに、船橋に可視可聴の警報を発する警報装置を備えたものであること。
(5)外洋航行船(限定近海貨物船を除く。)に備える2の独立した制御系統の管又は電路は、相互にできる限り離れた位置に設置されたものであること。
(関連規則)
船舶の操舵の設備の基準を定める告示第9関係(心得)
9.0(制御系統)
(a)総トン数10,000トン以上の船舶にあっては、2の制御系統ともフォロー・アップ方式であること。ただし、総トン数500トン以上10,000トン未満の船舶にあっては、1の制御系統のみをフォロー・アップ方式として差し支えない。
(b)2の制御系統が要求される操舵装置の制御系統用の油タンクは、2個備えられていること。
(c)(略)
(d)第4号の可視可聴警報は、2系統共用のものとして差し支えない。
(代替動力源)
第10条 規程第136条の告示で定める値は230ミリメートルとする。
2. 規程第136条の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)非常電源又は操舵機室に備える専用の動力源であること。
(2)第4条第2項第2号に規定する操舵能力を維持するために必要な動力を動力装置及びこれに係る制御系統に10分間(総トン数10,000トン以上の船舶にあっては、30分間)以上供給することができるものであること。
(3)主動力源からの動力の供給が停止した場合に、自動的に、かつ、45秒以内に動力の供給を開始することができるものであること。
(附属設備)
第11条 規程第137条第3号の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)1の油圧駆動系統(作動油タンクを含む。)に必要な量の作動油を貯蔵することができるものであること。
(2)固定式のものであること。
(3)油量計を備えたものであること。
(4)操舵機室において作動油を油圧駆動系統に補充することができるように固定配管したものであること。
第143条 船舶には、舵柄の回転止めその他管海官庁が指定する操舵装置の附属設備を備えなければならない。
(関連規則)
船舶検査心得
143.0
(a)「管海官庁が指定する操舵装置の附属設備」とは、次に掲げるものとする。
(1)動力駆動の操舵装置にあっては、操舵装置を設置する場所(船橋を除く。)に舵角を確認するための装置
(2)非常の際、舵を固定するための索その他の適当な装置。この場合において、油圧操舵装置の弁であって当該弁を閉鎖することによって舵を固定することができるものは、適当な装置とみなして差し支えない。
(3)油圧操舵装置以外の操舵装置を有する船舶にあっては、ばね、その他の適当な緩衝装置。ただし、総トン数500トン未満の船舶又は平水区域を航行区域とする船舶については、緩衝装置を備えることを要しない。
(自動操舵装置)
第144条 総トン数10,000トン以上の船舶には、機能等について告示で定める要件に適合する自動操舵装置を備えなければならない。







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