日本財団 図書館


○案件形成事業
調査件名:ポートビラ港及びルガンビル港港湾整備計画
対象国:バヌアツ共和国
調査分野:港湾
調査期間(日数):15.6.19〜7.7(17)
 
【調査の概要】
 
バヌアツ共和国位置図
 
 
背景
 ポート・ビラ港は首都にある国際貿易港湾であるが、30年前にマスタープランをオーストラリアの資金で立案しているが、港湾施設の老朽化への緊急措置をADB資金で実施したのみで抜本的な港湾整備は実現していない。また、ルガンビル港は同国第2の国際貿易港湾であるが、コンテナヤードが未舗装であるなど、施設整備が十分でない。以上を踏まえ、本調査の実施により、同国政府の要請内容を確認し、港湾施設整備計画についての我が国政府の無償資金協力による支援の可能性を確認することを目的とする。同国の外貿港湾2港は第2次世界大戦時に完成したコンテナ化以前の港湾施設である。取扱貨物量の85%がコンテナである現在、コンテナ化に対応した抜本的な改修が必要との認識から同国公共事業省の依頼で実施したものである。
 
調査事項
 バヌアツ国では2002年−2004年を計画年とした中期開発計画(Mid-term development plan)を策定している。この計画の中で海運については、ポートビラ港及びルガンビル港の2港と内航港湾22港の既存港湾の改修を目標に掲げている。
 また、1999年に制定した沿岸貿易法(Coastal Trading Act)において80トン以上の外国船による貨物の扱いを許可したことから自国船が圧迫されだしており、自国船の振興策、外国船の制限などを含めた総合的な海運施策を策定するため、公共事業省に計画部局の設置を決定している。
 今回、調査事項として1.対象港の絞込み、2.事業スコープの確定、3.事業主体の確認等を実施した。
 
1. 対象港の絞込み:調査により、ルガンビル港はADBファンドによる修復が実施済みであり、港湾機能上の不具合は発生していないことが判明した。一方、ポートビラ港については、ADBファンドで岸壁及び橋梁部の基礎部の補強工事が実施済みであったが、港湾施設がコンテナ化対応になっていないことから、コンテナハンドリング等に支障を来たし、早急に対策を講じる必要性を確認した。
 
2. 事業スコープの確定:調査により、現行の上屋施設の撤去により、同港でのコンテナハンドリングが可能な敷地が確保できることが判明した。また、クルーズ船の寄港岸壁であることから旅客ターミナルの新設の必要性が認められた。これら対策は現行港湾域内で対処可能であることが確認できた。
3. 事業主体の確認等:本件が実施された場合の事業主体が公共事業省であることを確認した。
 
問題点
 調査時には港湾統計が未整備であることが判明したので、港長へのヒアリング、ADBの調査時のデータ等を入手し、事業スコープを確定したが、本格調査では港湾統計の整備をあわせて実施する必要がある。
 
今後の見通し
 本件について、わが国の無償資金協力要請がなされる可能性が高いと思われるが、同国が島嶼国家であることから、内航海運・港湾にかかる長期専門家の派遣なども検討する必要があろう。
 
ポートビラ港
 
ルガンヴィル港







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION