日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 産業 > 運輸.交通 > 成果物情報

海外運輸 2003年6・7月 141号

 事業名 基盤整備
 団体名 海外運輸協力協会 注目度注目度5


海外運輸 2003年6・7月
トピックス
モンゴルの「第二次鉄道線路基盤改修計画」について(無償資金協力)
 我が国政府は、モンゴル国政府に対し、「第二次鉄道線路基盤改修計画」および「人材育成奨学計画」の実施に資することを目的として、総額7億2,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月23日行われました。
 このうち運輸案件は以下のとおりです。
 
「第二次鉄道線路基盤改修計画」(供与限度額:6億6,800万円)
 内陸国であるモンゴルでは、鉄道が長距離国内輸送および国際輸送について重要な役割を果たしています。特に南北を縦貫しロシアと中国を結ぶスフバートルからザミンウードに至る幹線は、道路網整備が遅れていることもあり、モンゴルにおける幹線輸送機関としての役割を果たしています。
 しかし、輸送事業を開始し50年を経過した現在、橋梁・盛土等の線路基盤施設は、本格的な修復工事がなされていないことに加え、厳寒な気象条件等の影響もあり、老朽化が著しく進行しています。特に雪解け時期や雨季においては、自然河川の氾濫、線路横断排水路の容量不足による線路冠水、路盤の崩壊および落石等が恒常的に発生し、しばしば列車の運休を余儀なくされ、国民生活を支える物流の確保が困難となり、モンゴル経済に大きな影響を与えています。
 このような状況の下、モンゴル政府は「第二次鉄道線路基盤改修計画」を策定し、この計画のための改修工事および機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものです。
 この計画の実施により、モンゴル鉄道の北部区間の計30カ所において落石防護対策、河川護岸整備、鉄道横断排水溝増強等の工事が実施され、安定的な物流の確保や鉄道沿線に居住する約100万人の安全かつ確実な輸送が確保されることが期待されます。また、鉄道線路基盤の改修に必要となる機材が整備されることにより、今後はモンゴル側で改修工事が可能となります。
 
<協会だより>
1. 「政策説明会」等の開催について
 当協会では、会員各位への情報提供活動として、「運輸分野国際協力セミナー」(帰国アタッシェ等による現地事情の説明会)を開催して好評を博していますが、これに加えて、政府の政策・方針について説明を受ける機会を設けたいと考え、国土交通省と相談を重ね、この度、同省にご協力をいただけることになりました。今年度は月1回程度のペースで、会員を対象にした「政策説明会」を開催することとし、第1回は、7月10日、レストラン立山において、国土交通省稲葉国際業務課長より、ODA大綱の見直しの状況についてご説明いただきました。参加した約40名の方々の中からは、「非常に明解なお話しぶりで有益であった」などのコメントをいただいています。
 「運輸分野国際協力セミナー」(現地情勢セミナー)、「政策説明会」のほかにも、国際協力分野の専門家に最新テーマについてお話しいただいたり、当協会が実施した調査研究の結果をご報告するため年数回の「国際協力講演会」の開催も企画しています。(詳細は以下のとおりです)。
 
JTCA会員への情報提供事業について
 当協会では、会員(賛助会員を含む)に対して、現地事情、政府の政策・方針および調査研究成果等を提供するため、15年度事業として次のような事業を行う予定です。テーマの選定、開催の仕方等については、会員の要望に応じて、必要な変更を加えます。
 
●「現地情勢セミナー」
 帰国したアタッシェ、JICA専門家、実施機関担当官等に現地事情を報告していただく「運輸分野国際協力セミナー」については、「現地情勢セミナー」として引き続き開催する。
 従来どおり、アタッシェ等の帰国にあわせて適宜開催する。(年間数回)
 
●「政策説明会」
 国土交通省の担当官に、国際協力に関連する政府の政策、方針等について説明を頂いた後、出席者との間で自由な意見交換を行う。
 月1回程度開催する。
当面の予定
・7月「ODA大綱の見直しについて」
国土交通省 稲葉一雄 国際業務課長
・8月「イラク復興について」
国土交通省 竹田聡 国際協力政策企画官
・9月「日ASEAN交通連携について」
国土交通省 稲葉一雄 国際業務課長
 
●「国際協力講演会」
 様々な分野の専門家に、国際協力に関する最新のテーマについてお話しいただいたり、当協会が実施した調査研究の結果をご報告する。
年間数回
当面の予定
・「CDMプロジェクトについて」(仮題)
・「ASEAN諸国の物流状況調査報告」(仮題)
 
 当協会は、会員の皆様のお陰をもちまして、今年創立30周年を迎えることができましたが、これを機に会員各位のニーズに応えるべく一層努力して参りますので、よろしくご支援のほどをお願いいたします。
 
2. 一般特設「観光振興とマーケティング」コースの実施
 国際協力事業団の委託を受け、観光振興を経済発展の重要施策とする開発途上国の政府機関などで観光開発・振興業務に携わる中堅クラスのスタッフを対象に、「観光振興とマーケティング」セミナーを平成15年5月6日〜6月22日の間実施しました。本セミナーに次の15ヶ国から15名の参加を得ました。
 参加国:コスタ・リカ、キューバ、マレイシア、ミクロネシア、モンゴル、ナミビア、オマーン、スロヴァキア、ソロモン諸島、南アフリカ、スワジランド、タジキスタン、トーゴ、ウクライナ、ザンビア
 研修内容は、観光マーケティングとプロモーションに重点を置いた理論と実践を研修させることを目的として、次のようなカテゴリー毎に講義・視察を行うとともに全体の理解のために研修員による演習(グループワーク)を折り込んだプログラムを作成、実施しました。
 カテゴリー毎のプログラム:
1. 日本の観光事情:1)観光行政 2)日本人の海外旅行マーケット 3)国際観光振興会(JNTO)と日本旅行業協会(JATA)の役割と活動 4)観光分野のODA
2. 観光開発とプロモーション(ケーススタディ):1)環境を配慮した持続的開発 2)ビーチリゾート開発とプロモーション 3)ツアー商品造成 4)日本における外国政府観光局事務所の活動 5)旅行情報誌の役割と活動 6)旅行会社の販売促進活動
3. その他(人材育成、観光施設など):
ホテル学校視察、日本旅館体験など
 今回、視察プログラムの中で、1980年にラムサール条約(特に水鳥の生息地として、国際的に重要な湿地に関する条約)に、日本ではじめて登録された釧路湿原を訪れて、地元コミュニティーと合意の上の条約締結と1987年に湿原の大半を厳しく特別保護区に指定する国立公園の誕生に至る経緯などの講義を永年、湿原の保全に尽力した地元第一人者より受講しました。その後、その講師の案内で湿原のエコツアーの実習指導を受けました。
 富良野市を訪問して、従来、スキーリゾートとして年間100万人を受け入れる冬の観光地でありましたが、ラベンダー畑などの夏季観光プロモーションを行い今では140万人、人口2万7千人に対して年間240万人が訪れる一大観光地に至った観光振興の努力と実績について当市観光課長より講義を受け、観光状況の視察を行いました。
 阿寒湖にて旅館「鶴雅」に一晩宿泊して、和室での宿泊、温泉大浴場、大座敷での夕食会などを体験しました。
 演習(グループワーク)では、"Regional Tourism Development & Promotion","Community Based Tourism",「日本人観光客誘致」の各課題毎に3班に分かれて研究成果の発表を行いました。各班ともハイレベルな発表を行い、特に「日本人観光客誘致」について5ヶ国からの研修員がJICASTAN(ジャイカ国〉と言う仮想国を定めてユニークな課題発表を行いました。6月20日に閉講式を迎えて初期の目的を達し、全員無事帰国しました。
 
釧路湿原のエコツアー体験
 
日本旅館宿泊体験
 
3. 第3回運輸国際協力セミナーの開催について
 国際協力銀行(JBIC)開発セクター部の田中裕部長をお招きし、平成15年度「運輸国際協力セミナー開催事業」の第3回セミナーを次のとおり開催しました。
 田中部長からは、「最近のJBIC運輸分野「セクター調査」の概要と今後の方向等について」というテーマで、開発セクター部設立の経緯・目的から、平成14年度にJBICが実施した運輸セクター調査3件の概要、平成15年度に実施予定のセクター調査、セクター調査の手続き、スケジュール、その他最近のJBICの重要な動向・活動について、約1時間のお話を頂き、その後約30分に亙り、質疑応答が行われました。
 会場には、約40名の会員企業が詰めかけ、盛況裏に終了しました。
 
日時:平成15年5月29日(木)16:00〜18:00
場所:レストラン立山「D会議室」
テーマ:「最近のJBIC運輸分野「セクター調査」の概要と今後の方向等について」
講師:JBIC開発セクター部部長 田中 裕氏
 
講演要旨:
1. 開発セクター部は、平成14年4月に発足しました。
 その目的は、円借款の質の向上のため、一つ一つの案件を国の観点からと同時に、セクターの観点から串刺し的に見ることであり、より体系的に課題を把握して質の良い案件の採択に繋げることを目指すものであります。
 当部の主な業務内容は以下の3点であります。
 (1)技術面の検討(エンジニアが審査や中間管理の時に現地調査を行うもの)、
 (2)セクターの課題の体系的な把握(分野別業務実施方針を策定したり、セクター調査を行ったり、個別イシューセクター調査等を行うもの)、
 (3)その他(例外的に審査・承諾を行うもの。例えば、国を跨るもの等が考えられよう)であります。
 
2. JBICは、今後とも、日本との関係が強いアジア地域を援助対象の中心として、業務を実施して行く方針であります。また、現在の「海外経済協力業務実施方針」の中で、重点7分野が設定されています。
(1)貧困の削減、
(2)経済成長に向けたインフラ整備、
(3)環境改善、
(4)地球規模問題への対応、
(5)人材の育成、
(6)IT化(インフォメーション・テクノロジーの重視)、
(7)地方開発への支援、であります。
 
3. 特に、世界銀行では、現在までは、社会開発や貧困削減に傾斜しすぎてきたきらいがありましたが、最近は、世銀もインフラ重視に若干方向転換するような傾向が出てきています。JBICも世銀と協力して、インフラ案件を重視し、環境配慮や社会開発配慮、各種ステークホルダー、住民参加とか、NGOの意見も十分に反映したインフラの案件にしていこうということが主たる目標になって行くと思われます。
 
4. 開発セクター部は4つの班に分かれており、社会開発班は、貧困削減を中心に扱うところ、第1班は交通運輸班であり、第2班は電力と通信を扱っており、第3班は、農業と水及び環境全般を扱っています。しかし、内部の専門家のみでは対応できませんので、セクター調査を、外部の民間コンサルタントや大学の先生方や公共機関等に次々と委託しています。
 
5. 従来からの円借款の基本であった要請主義は、要請主義だけでは先細りしてしまいますので、日本の技術、経験、その他の上流部での課題の把握という観点からすれば、必ずしも先方途上国政府が要請してくる案件だけでいいということではなく、要請主義を原則として、我々の案件形成努力によって取り上げる案件も増やして行く必要があるという議論が出始めています。
 
6. 具体的な案件の発掘でボトルネックになりそうなのは、最近、JICAのF/S作成件数が減少してきていることであります。インフラの案件のF/Sがなかなか出てきません。また、案件としてF/Sの段階から、ステークホルダーの意見はすべて取り入れられているか、環境への配慮、社会配慮、貧困層住民の意見は大丈夫か、キャパシティービルディングは大丈夫かといった多角的な検討を実施する必要があります。
 
7. 平成14年度のセクター調査の実績としては、まずフィリピンの道路セクター調査を行いました。次に、インドネシアの鉄道セクター調査では、従来から円借款でジャボタベック鉄道に大きな金額を供与してきましたが、必ずしも十分な運営維持管理ができていませんので、財務状況の改善、経営の改善、輸送力の増強、維持管理をどのようにしたらいいのかという事項に焦点を当てた調査を行い、これは最終の報告書ができる前段階にあります。ベトナムの交通セクター調査では、道路、港湾、鉄道とそれぞれのあり方について検討しています。電力セクターでは、スリランカとインドネシアについて調査を行いました。ベトナムの通信セクターは、IT化をにらんで、主として基幹通信網の整備に焦点を当てました。また、フィリピンの農業セクターとベトナムの農村開発セクター及びインドネシアの教育セクター調査も行いました。その他、個別のセクター調査として、JTCAにアジア地域の航空セクター支援調査を委託しました。
 
8. 平成15年度のセクター調査としては、インドネシアの道路セクター、アジア諸国の港湾・海運セクター、ネパールの電力セクター、中央アジアの電力セクター、フィリピンのITセクター、スリランカの地方開発セクター、タイの環境保全セクター、ベトナム、フィリピンの上下水道セクター、ベトナム、ブラジルの教育セクターに関する調査を予定しています。
 
4. 外務省経済協力局長に対するODA大綱の見直し提言等について
 当協会では、ODA大綱の見直しに関する提言について、去る7月30日(水)、コンサルタンツ4団体で外務省の古田肇経済協力局長を訪問し、以下のような提言を中心に懇談を行いました。古田局長からは、今後もコンサルタンツ協会との連携を図りたいという前向きなご意見を頂くとともに、更に大綱について提言があれば、ホームページでパブリックコメントを募集中(注)であることから、そちらへも送って欲しいとのコメントを頂きました。
 
1. コンサルの経験と知見の活用。
2. アジア重視、政策協議の徹底による脱要請主義
3. JETRO F/Sや民活等、ODA資金の効率的活用
4. JICA会計基準の弾力的運用(単年度主義廃止等)
5. NGOばかりでなくコンサルの更なる活用
6. コンサル育成も良いがパートナーとしての活用の促進
 
外務省古田肇経済協力局長面談者(平成15年7月30日)
氏名 所属(会社名・組織名) 所属・役職
本村 雄一郎 (社)海外コンサルティング企業協会
((株)パデコ)
会長
(代表取締役社長)
前 迪 (社)海外コンサルティング企業協会
((株)パシフィックコンサルタンツインターナショナル)
副会長
(代表取締役社長)
熊岸 健治 (社)海外コンサルティング企業協会
((株)日水コン)
企画委員会委員長
(海外事業部 顧問)
高梨 寿 (社)海外コンサルティング企業協会 調査研究グループ 主席研究員
荒牧 英城 (株)国際建設技術協会 理事長
澄川 啓介 (社)国際建設技術協会
(日本工営(株))
常務理事
(代表取締役専務執行役員)
的場 泰信 (社)海外農業開発コンサルタンツ協会 専務理事
横澤 誠 (社)海外農業開発コンサルタンツ協会
(太陽コンサルタンツ(株))
監事
(代表取締役社長)
桑原 薫 (社)海外運輸協力協会 常務理事
亀山 千尋 (社)海外運輸協力協会 調査役
(敬称略)
編集部注:ODA大綱(案)に対するパブリックコメントは8月8日(金)をもって終了しました。







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
1,065位
(31,571成果物中)

成果物アクセス数
9,066

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年12月7日

関連する他の成果物

1.JTCA 30年のあゆみ
2.平成15年度 ハノイにおける都市及び公共交通開発セミナー 報告書
3.2003年度 国際協力事業団集団研修 都市交通コロキウムII 国別報告書(翻訳)
4.海外運輸 2003年2・3月 139号
5.海外運輸 2003年4・5月 140号
6.海外運輸 2003年8・9月 142号
7.海外運輸 2003年10・11月 143号
8.海外運輸 2004年1月 144号
9.港湾の観光レクリエーション機能の充実に関する研究
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から