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6. 補助的な道路:既存交通網の連結と容量を改善することによって、交通網の容量を改善させる。
7. 大気汚染:交通による大気汚染の有害な影響を低減する。
8. 空港や港湾へのアクセス:大マニラ首都圏のための空港や港湾に関する戦略の合意を促進し、効果的なアクセスを提供する。
 
 開発と管理の戦略:これは、効果的な制度的体制を造る戦略で、次の事項を含む。
 
1. 開発戦略:部門別の計画の立案、地方自治体による計画の立案、およびその執行のための必要条件を定義する。
2. 制度的な改革:首都の制度の効率を改善する。
3. 運輸通信省(DOTC)の強化:DOTCを強化して、そのあらゆる能力を発揮し、首都圏の多様な計画の実行を可能にする。
4. 民間部門の参加:BOT方式、及びPFI方式の効率を改善する。
 
LRTとMRT
 
 市の重要な交通路としてLRTのサービスが選択されてきた。LRTの戦略は、最初の路線を敷いて確認し、その後で延長を検討する。1号線は1985年に開通し、高い需要に対応して、現在、輸送能力の改善が進めれている。
 
 EDSA MRT路線、すなわち「メトロ・スター・ライン」が2000年7月に全線開通し、2000年12月には1日当たりの平均利用者数が約22万4000人を記録した。ノース通りからEDSA MRTのモニュメント区間までの建設交渉は、大統領の承認を得る最終段階にきている。
 
 オーロラ大通りに沿ったMRT 2号線は、現在、建設中である。その他の計画は立案段階である。
 
鉄道計画
 
1. LRT 1号線の第2輸送能力拡張工事:この計画は、48の新世代の軽鉄道車両を調達することにより、リサール通りとタフト通りを結ぶ交通ルート沿いに走るLRT路線の乗客輸送能力を1時間、1方向当たり27,000人から40,000人に拡大する。
 
2. 1号線修復計画の第2段階:この計画は、鉄道車両、軌道、線路、信号・通信システムおよび電力システムの修理・修復(ベルギーからの技術援助を含む)に関するものである。
 
3. MRTの一体化:3号線の終点を1号線(同じ高架の高さ)まで持ってくるという現在の計画は、この地域の深刻な交通問題を引き起こし、埋立地域への利用機会を制限するものである。また、この計画では、1号線と3号線(場合によってはバクラランとパサイ・ロトンダの区間の6号線)の一体化の改善を目的としている。3号線は、高架にするかまたは地下に移動して埋立地域に連結し、1号線と3号線の駅を統合する。この計画では、1号線と3号線を6号線とを統合することが期待される。車両を除く追加のプロジェク費用は32億フィリピン・ペソと推定される。
 
4. MRT 2号線の建設:この計画は、マグサイサイ大通りとオーロラ大通り、およびクバオ〜カティプナン道路に沿った、11の駅を持つ、14kmの新たな複線の高架都市鉄道を建設するものである。新たな28編成の4両列車が1日当たり60万人の旅客輸送能力を提供する。
 
5. EDSA LRTプロジェクト(MRT 3):この計画は、EDSA路線に沿った路線である。14kmを新たに建設し、複線で、路線長17kmの50%が高架となっている。13の駅と73台のLRV(Light Rail Vehicle)を維持し、1日当たり60万人の輸送能力を提供する。
 
提案済みの鉄道計画
 
 政府は、メトロマニラのための都市鉄道交通システムの完成を目指している。次のLRTプロジェクトが実施されることになっている。
 
1. MRTの乗換地点設備:MRTとアクセス交通機関との統合は、乗り換え地点における交通循環の改善、乗客の利便性と快適性にとって重要である。このプロジェクトでは、バクララン〜パサイ・ロトンダ間(1号線と3号線)およびクバオ(2号線と東へのアクセス)などの1号線、2号線、3号線の重要地点における交通機関の乗り換え機能の改善に重点を置いている。このプロジェクトは、MRT路線間を徒歩で行けるように直接接続する歩行者デッキ、スムーズな乗り換えのためのバス/ジープニーの停留所とターミナルのためのエリア、その他歩行者用施設と将来設置の可能性のある商業・サービス施設のためのスペースを建設するものである。推定費用は約23億フィリピン・ペソである。
 
2. MRT 2号線の延長:MRT 2号線は、道路と効率的な公共交通サービスがない東側に延長し、市の中心部へのアクセスを容易にすることが必要がある。費用は91億フィリピン・ペソである。
 
3. MRT 4号線:このプロジェクトは、レクトとバタサン(最終的にはノバイチェスも)の間をR-4ルートで連結することを目的とするものである。費用は362億フィリピン・ペソである。
 
4. 北部鉄道(Northrail)5号線:このプロジェクトは、クラーク国際空港とメトロマニラ(ボニファシオ/ニノイ・アキノ国際空港エリア)とを結ぶ95kmの複線の高速電車鉄道システムの設計と建設を行なうものである。
 
5. MRT 6号線:このプロジェクトは、バクラランとイマス(最終的にはダスマリニャスまで)の間にMRT路線を建設して、メトロマニラの中心部とキャビットの間の大量輸送システムの提供を目的とするものである。費用は360億フィリピン・ペソである。
 
6. PNR通勤者輸送の改善(MCX):PNRの路線用地(ROW)は、南北交通の根強い需要に対応するには理想的な場所に位置している。このプロジェクトは、PNRの通勤者輸送改善の一貫で、北部鉄道(North Rail)の区間とMCXの区間で構成され、主に北部鉄道が主導するプロジェクトである。このプロジェクトは、カルーカンとアラバンとの間のPNR路線の改善を目的とするものである。プロジェクトの費用は646億フィリピン・ペソである。
 
7. EDSA MRT第2段階の建設:このプロジェクトは、EDSA MRTを約5km離れているモニュメントまで延長するものである。プロジェクトの費用は1億7600万米ドルである。
 







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