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2003年度 国際協力事業団集団研修 都市交通コロキウムII 国別報告書(翻訳)

 事業名 基盤整備
 団体名 海外運輸協力協会 注目度注目度5


1. 序文
 
 ネパールは、東経80度40分から88度12分、北緯26度22分から30度27分の間に位置し、中央アジアのヒマラヤ山脈の麓に沿って広がる。国土の総面積は14万7181km2で、その国土は、西側、南側、東側はインドの国境に接し、北側は中華人民共和国のチベット自治区の国境に接する。
 
 ネパールは立憲君主制であり、国民は成人選挙権を行使している。行政、立法、司法の各機関が機能し、それぞれの権限を独立して行使している。立法制度は2段階になっており、上院はRastriya Sabhaと呼ばれ60名の議員で構成、下院はPratinidhi Sabhaと呼ばる代議院で、その議員は75の地区に分散する205の選挙区から選出される。政府のトップは首相である。
 
 国土は、地理的に3つの地域に分けられる。すなわち、ヒマラヤ地帯、山岳地帯、タライ地方で、それぞれ全国土の35%、42%および23%を占めている。
 
 ネパールには、5つの開発地域と75の行政地域がある。これらの地域は、さらに村落開発委員会(Village Development Committee:VDC)と市(Municipality)とに分けられる。現在、3915の村落開発委員会と58の市がある。各村落開発委員会は9つの区からなり、各市は9から35の区で構成されている。カトマンズは首都である。ネパールには多数の高峰、河川、湖がある。主な高峰はエベレスト(8848m)、世界第3位の高峰でネパールでは第2位のカンチェンジュンガ(8586m)、ローツェ(8516m)、マカルー(8463m)、チョウユー(8021m)、ダウラギリ(8167m)、マンナスル(8163m)、アンナプルナ(8091m)、ガウリサンカール(7134m)、マチャプチャレ(6996m)、その他多数である。
 
主な河川:
コシ、カルナリ、メチ、マハルカリ、バグマティ、ラプチ
主な湖:
マエヘンドラタール(ララダハ)、ペワ湖、シェイプホクスンドタール、ベグナスタール、サティヤバチタール、カプタドタール、ティリチョタール(世界で最高度にある)。
主な氷河:
マハラングール、クンバカルナ、カンチェンジュンガ、クンブ、ランタン、マチャプチャレ。
 
国土の面積:総面積は14万7181km2
人口:2315万1423人(2001年)
人口密度:1km2当たり152人(人口環境省、2001年)
 
東部開発地区 545万3627人
中部開発地区 772万4717人
西部開発地区 463万2268人
中西部開発地区 298万6171人
極西部開発地区 210万5270人
 
カトマンズ 42万1258人
パタン 11万5865人
ビラトナガル 12万9338人
ビルグンジ 6万9005人
ポカラ 9万5286人
 
 セメント、砂糖、棒鋼、麺類、カーペット、衣類、タバコ類の各産業が盛んである。
道路の距離:1万3223km(晴天時)
鉄道の距離:鉄道路線は1本のみで、52kmのジャナカプルとジャイナガル間を運行している。鉄道運営企業は、ジャナカプルダムにある「ジャナカプル鉄道」である。
 
トリブワン国際空港(カトマンズ)
ポカラ空港(ポカラ)
ビラトナガル空港(ビラトナガル)
バイラワ空港(バイラワ)
ネパールガンジ空港(ネパールガンジ)
 
 ネパールは陸地に閉ざされた国で港湾はない。
 
日本
ドイツ
米国
中国
その他の欧州諸国
 
 ネパールは国連加盟国で、世界の113カ国と外交関係を樹立している。主要輸出品は、糊、豆類、油かす、黄麻製品、袋地、双晶、カーペット(手編みのウールカーペット)、既製の衣服、手工芸製品、ショウガ、茶などである。
 
2. 経済動向
 
 ネパールの経済成長は、過剰な人口増加のため長い間あまり改善していない。現在は年間人口増加率が2.4%であるため、人口増加が、開発努力により得られる利益を相殺している。労働人口の半分強が経済活動を活発に行なっており、1991年には81%が農業活動に従事していた。人間開発の面では、2000年におけるネパールの人間開発指数(HDI)は0.474であった(HDIは0〜1の範囲)。この数字は世界平均の51.3%に過ぎない。非農業活動の国内総生産(GDP)への貢献度がしだいに伸びている。1人当たりのGDPは、2001年度と2002年度では250米ドル程度と推定される。通貨はネパール・ルピーである。
 
国内総生産(不変価格表示)
 
 概算によると、実質GDPの成長率(要素費用表示)は、第9次計画の第4年度にあたる2001年度で約5.8%であり、第9次計画の目標成長率の6.0%に近い。この期間の農業部門の成長率は4.0%と推定され、非農業部門の成長率は6.9%である。1999年度と2000年度における実質GDP成長率は6.4%で、農業部門と非農業部門の成長率は、それぞれ5.0%と7.4%であった。
 
3. 都市公共交通とカトマンズ
 
 カトマンズはネパールの首都であるとともにネパール王国の最大の都市である。国土のほぼ中央に位置し、人口は約50万人である。ネパールで最も人口密度の高い地域がカトマンズである。カトマンズの人々のほとんどは、比較的新しいコミュニティの出身者である。
 
土地の特徴
 
 カトマンズの土地はおおむね平坦で、多少起伏のある部分もあり、高い丘に囲まれている。依然として多くの土地が農業に使用されている。
 
歴史的背景
 
 ネパールは幾多の世紀にわたる極めて古い歴史を持つ国である。およそ1500年前に存在したリッチビ王朝にその証を見ることができる。
 
 ネパール王国の統一以前に、カトマンズ、ラリトプル、バクタプルという3つの分離・独立した国があった。当時の王であった偉大なプリトビ・ナラヤン・シャハ(Prithvi Nartayan Shah)王に敗れたあと、これら3つの国は統一されシャハ王の傘下に治められた。現在のカトマンズはこれらの国の1つである。
 
公共交通
 
 カトマンズ盆地内の公共交通システムは民間部門が運営している。現在、公共交通としてのバスやその他の交通機関を運行する政府機関は存在しない。数年前までは、2つの政府機関がSajha Yatyatとトローリーバス・サービスという公共交通事業を運営していた。しかし、その誤った経営と非能率な機能が原因で、政府は、これらの政府機関を両方とも廃止した。このSajha Yatyatについては、日本政府が積極的に支援し、数十台のバスを無償供与した。都市公共交通を促進するためには政府機関を復活させることが必要である。これらの事実を考慮し、ネパール政府は公共交通に積極的に取り組んでいる。
 
 公共交通の主なものとしては、テンポ(Tempo:電動三輪車)、ミニバン、タクシー、ミニバスなどがあり民間部門が所有・運営している。政府は、カトマンズ市への大量輸送システムの導入を検討し実施すべきである。
 
幹線道路
 
 環状道路はカトマンズとパタンを通過する重要な道路である。その長さは27kmである。カトマンズ盆地では、バクタプルマルガ、ラガンケルマルグ、カトマンズ新道が主要かつ道幅の広い道路である。
 
4. カトマンズの既存の都市交通問題
 
 カトマンズ市は非常に大きな既存の都市交通問題を抱えている。主に、道路の数が膨大な車両の数に比べて少ないことである。その他の差し迫った問題としては次のものがある。
1. 道路使用に関する公共意識の欠如
2. 道路に関する有効な規則と規制の欠如
3. 非常に多くの時代遅れの車両
4. 大量輸送システムの欠如
5. 自家用車の輸入と販売管理の欠如
6. 小型の公共用車両の台数の増加
7. 一般市民による沿道の不法占拠
8. 道路わきに置かれた小屋や商売用の資材
9. 道路事故の増加
10. 公共用車両の停車に関する規則の欠如
11. 無秩序な駐車
12. 交通料金の不統一など
 
5. 将来計画
 
 上で述べた様々な弱点による非効率で不十分と思われる既存の交通輸送管理システムは、新しい政策と計画を必要としている。国家運輸政策「2058B.S.」の重要な点のいくつかは、次のとおりである。
1. 都市開発マスタープランにより、運輸インフラとサービスを開発し、拡張する。
2. 交通事故と環境汚染のコントロールを助ける交通マネージメントシステムを導入する。
 
計画
 
1. 都市部における土地利用と道路輸送容量をベースとして、輸送密度を維持する。
2. 飲料水、電話、電気などのような他のサービスの配給システムを分離する一方、都市道路を建設する。
3. Euro-1と同等の排出基準に従う車両を導入する。
4. 車の排出ガス問題が厳しくなってきているカトマンズ盆地から20年以上の古い車を廃止する。
5. 新しいブランド車のみを輸入する。
6. 2ストロークエンジン搭載車のさらなる輸入を禁止する。
7. 交通事故の防止、救助、交通安全対策に専心する。
 
6. 提案
 
 カトマンズの既存問題を解決するための主な対応策
1. 段階的な古い車両の削減
2. 車両の輸入制限
3. 自家用車への高率課税
4. 大量輸送システムの導入
5. 外環状道路の改善(これにより、カトマンズ盆地の農村地帯のほとんどがカバーされ、カトマンズ市のみへの人々の集中が抑制される)
 
7. 参考資料
 
1. 第9次計画(2054-2059BS)(ネパール国国家計画委員会:NPC)
2. 第10次計画の基本資料(2059-2064)(ネパール国NPC)
3. ネパール人口報告2057 BS(ネパール国人口環境省)
4. ネパールに関する事実(Yogeshraj Upadhaya、1980年、カトマンズ)







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