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(5)アンケート
 今後も地域住民の協力を得てバリアフリーマップ等地域コミュニティマップの作成を進めていく上での参考とするためバリアフリーマップに関するアンケート調査を行った。
 概要は以下のとおり。
調査対象:バリアフリーマップ作成にかかる現地調査参加者
調査時期:平成15年11月22日(土)現地調査終了直後
アンケート配布・回収状況:配布数 39枚
回収数 36枚
回収率 92%
結果:以下のとおり
 
ア インターネット上でのバリアフリーマップ公開の有効性について
 8割弱の人が有効と感じており、今後も公開を継続していくことが住民のニーズに応えることになる。
問1)バリアフリーマップをインターネットで公開することは有効だと思われますか?
 
(1)思う 28人(77%)
(2)思わない 1人(3%)
(3)わからない 6人(17%)
無回答 1人(3%)
 
 
イ バリアフリーに関する活動への参加意欲について
 参加意欲については、6割の人が参加意欲を持っていることが分かった。前問の有効性を感じている人の割合よりも若干低くなっていることから、有効性は感じつつも自分が参加していくことに躊躇している人の存在がうかがえる。
問2)今後ともバリアフリーに関する活動に参加したいと思われますか?
 
(1)思う 23人(63%)
(2)思わない 1人(3%)
(3)わからない 11人(31%)
無回答 1人(3%)
 
 
ウ バリアフリー調査と地図の有効性について
 ほぼ全ての人がバリアフリー調査に地図は有効と考えている。今後もバリアフリー情報は地図と結びつけて記録公開していく必要がある。
問3)バリアフリーの調査に地図は有効だと思われますか?
 
(1)思う 34人(94%)
(2)思わない 0人(0%)
(3)わからない 0人(0%)
無回答 2人(6%)
 
 
エ バリアフリー情報としてどのような情報を公開すべきか
 住民が望む情報としては、「公共施設、病院、民間のバリアフリー」情報、「安心して歩けるバリアフリー化された道路」情報、「(バリアが指摘された場所の)改善点や今後の改善計画」の情報が挙げられた。
 また、直接バリアフリーとは関係ないが、「危険な場所(ひったくりや痴漢被害のあった場所、街灯がなくくらい場所)」や「交通量の多い場所」の情報が挙げられていた。
 今後、住民ニーズを汲み取り協働のもとで多様なマップの作成が望まれる。
問4)バリアフリー情報として、どのような情報を公開すべきと思われますか?
 
《バリアフリー関連》
○公共施設のバリアフリー、病院のバリアフリー、民間のバリアフリーを公開する。安心して歩けるバリアフリー化道路の公開
○改善点や今後どのように計画を進めていくかを情報公開する
《バリアフリー以外》
○危険な場所の公開(用水路、ひったくりや痴漢、街燈がなく暗いところなど)
○交通量の多いところ、少ないところを公開
 
オ バリアフリー化への取り組みとして今後、どのようなことが必要か
 今回のバリアフリー調査に関わりがあるものとしては、「情報の信頼性(の確保)」、「障害者、お年寄り、子どもからの積極的な情報収集」という意見が挙げられた。どちらも今後、マップを作成していくにあたって欠くことのできない視点として留意すべきである。
問5)バリアフリー化への取り組みとして、どのようなことが必要だと思われますか?
 
○情報の信頼性
⇒実際に歩いてみる、半年に一度のペースで見直すようにする。行政との連携。
○お年寄りや障害者、子供からの情報をもつと積極的に取り入れる
○バリアフリーの必要性をPRして、多くの人への協力を求める
○児童への学習を導入
○車の交通規制
○住民参加の活動
 
 
(6)実施上気づいた点等
ア 事前準備の徹底
 今回の実験では、事前に住民団体の代表者に調査の主旨を説明する機会を設け、調査の進め方や調査票の記入などについては、当日、地域ごとにグループ分けした後に、全員を前に説明する形をとったが、当日は遅れてくる人もおり、必ずしも進め方や調査票記入について理解を得るまでにはいかなかった面もあった。
 住民団体代表者が現地調査に加わった地区のデータや調査票などがよく整っており、後段の作業が楽に行える傾向があった。このことから、今後、現地調査当日までに団体代表だけでなく、グループのリーダー(決まっていなければ決める)に対しても調査の主旨や進め方を説明し、理解を得ておく必要があるものと考えられる。
 また、調査票その他準備するものについては、当日なるべく余計な作業が入らないよう準備しておく必要がある。
 
イ 役割分担の必要性
 限られた時間の中で効率よく的確に調査を行うためには参加者各自の役割を明確にする必要があるが、今回の実験ではその辺りが不明確で、現場対応に任された部分が多かった。
 その分、収集した情報の整理に時間がとられ、問題となりそうな箇所の議論や検討を行う時間をとることが難しかった。
 今後、現地調査時に必要な役割を洗い出し、効率よく情報収集ができるよう調査体制を検討する必要がある。
 
ウ 参加者の活動意欲の促進
 今回、土曜日という休日にもかかわらず、40名ほどの参加者を得ることが出来たことは、地域住民一人ひとりが普段から自分たちの地域の事を考えていることの表れにほかならず、地域の団結力の高さを感じることができた。
 そんな中、今回のアンケート調査をみても分かるように、バリアフリーマップを公開していくことに有効性を感じている参加者は多いが、その活動への参加意欲となると3割の人が“わからない”と回答している。今後、住民参加によるバリアフリーマップ等を作成していくにあたり、こうした参加者の意欲をより一層高める方策を検討していく必要がある。







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