日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1999/01/09 産経新聞朝刊
【主張】PKF凍結解除 国際常識に近づく合意だ
 
 自民、自由両党の連立へ向けた政策協議の中で、両党は国連平和維持軍(PKF)本体への自衛隊参加を可能とするよう、国連平和維持活動(PKO)協力法で凍結されているPKF本体業務条項を解除することで一致した。
 昨年六月には、PKO任務遂行中の自衛隊員の武器使用について、正当防衛のような場合、統制のとれた上官の判断による、などのPKO法改正が行われた。それと合わせると大きな前進であり、PKO法はほぼ所期の枠組みに到達したといえる。PKF凍結解除が早期に実現するよう、公明党なども合理的な判断を下すことを望みたい。
 一連のPKO法見直しは、ひとことでいえば、国際基準あるいは常識に近づいたことを意味する。PKOの趣旨は、停戦合意などが何とか成立してはいても、依然リスクの残る元戦場での平和維持である。崇高な国際貢献の典型的な姿といえる。
 PKF(つまり歩兵部隊)の仕事は停戦監視、兵力引き離し、武器の収集などであり、リスクが最も高いことは論をまたない。PKOには不測の事態も起こり得る。それはカンボジアPKOでの文民警察、国連ボランティアの殉職によって証明された。
 日本は、リスクが高いとみられる仕事からできるだけ逃げようとしてきたといっていい。日本ではPKF本体と後方支援部門を、あたかも別の任務のように分け、後者の輸送、施設などを安全とみなして、それなりに派遣実績を積み重ねてきている。ところが、カンボジア暫定統治機構(UNTAC)をみてもわかるように、国連は文民部門と軍事部門を二本柱としたが、“PKF本体”だけを特別扱いなどしなかった。武器使用を個人判断にゆだねたのも、つまりは自衛隊員の手を縛ってきたのではないか。
 しかし、PKF本体への参加凍結解除をもって、PKO法改正作業は終わりというわけにはいかない。というのは、PKO法の規定では、なお重要な任務が欠けているからだ。典型的なものは「警護」である。
 カンボジアPKOで国民がショックを受けたのは、日本の文民、ボランティアが殉職したさい、自衛隊に文民を守る法的裏付けがなかったことだ。しかも、国際共同作業としてのPKOの性格を考えれば、守るのは日本人だけに限られないのが常識である。
 武器使用もこの観点から、その性格をより明確化する必要があるといえる。少なくともPKO法第三条に盛られた業務に「警護」を付け加えるべきである。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
14位
(29,250成果物中)

成果物アクセス数
434,585

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年12月18日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【北朝鮮について】
2.私はこう考える【中国について】
3.私はこう考える【ダム建設について】
4.私はこう考える【死刑廃止について】
5.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
6.私はこう考える【天皇制について】
7.私はこう考える【国連について】
8.私はこう考える【憲法改正について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から