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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1995/08/05 産経新聞朝刊
【主張】防衛費論議は落着したが
 
 平成八年度防衛費の対前年度伸び率(シーリング)は、二・九%に決まった。社会党が「軍縮元年」を掲げて、七年度の伸び率〇・八五五%を下回る〇・七%を主張し、人件・糧食費や正面装備つけ払い(後年度負担)などの当然増を根拠に三・九%を妥当とした自民党との調整は、結局当然増を認める常識的な伸び率に落ち着いた。しかし、今回の防衛費論争は、考えねばならない幾つかの問題をあとに残したと思われる。
 「軍縮元年」と社会党はいってきた。なにをもって軍縮とするのか、社会党の説明では明確ではなかったが、もっとも分かりやすい正面装備(兵器)の契約額は、平成二年度をピークに逓減傾向にある(五、六年度は微増)。また、自衛隊を動かすエネルギーともいえる一般物件費は、過去四年間一貫して減り続けている。軍縮は、装備品や運営費についてはとっくに始まっていたのである。
 〇・七%を具体化するために、社会党は、後年度負担の繰り延べなどを打ち出していた。だが、国家が約束した分割払いである後年度負担を一方的に先送りしてまで、見かけの軍縮を達成しなければならない必然性があったのか。社会党のいう軍縮論は、説得力に欠けたといわれてもしかたあるまい。政党がその独自色を強調せんがために、国の安全保障政策を誤らせるようなことがあってはならない。
 防衛庁にもいっておきたい。財政の苦しい昨今では、限られた原資をいかに有効に使うかが工夫のしどころである。通称“振り仰ぎ料”(農耕・漁業阻害)といった根拠の薄いばらまき補償は果たして皆無か。自衛隊を限りなく精強にするよう、予算は適正に配分されているのか。
 そしてまた、防衛費を硬直させている後年度負担の縮小についても、さらなる努力が求められるだろう。
 そのひとつは、新しいプロジェクト、たとえば航空自衛隊次期支援戦闘機「FS−X」の量産化などについても、再検討が必要だと思われる。FSXの量産コストは、一機百億円以上になるだろうといわれている。しかし、その改良母機になったロッキード社のF16戦闘機は、米空軍の調達コストが一機二千万ドル(一ドル=九十円として約十八億円)、ざっと五分の一である。量産が始まると、防衛費に大きな比重を占めてくるそうしたFSXに大方の理解が得られるのかどうか、防衛当局はじっくり考えてみなければならないだろう。
 
 
 
 
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