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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1998/05/02 毎日新聞朝刊
[その時どうなる]日米防衛新指針/4止 機雷掃海 敷設国へ武力行使の恐れ
◇戦場での作業要請に懸念
 自衛隊最大のヘリコプターは、海上自衛隊掃海部隊に配備されている。米軍が対機雷戦用に開発し、7枚ものローター、3基のエンジンを持つMH53E(全長30・2メートル)。低空飛行しながら音響機雷、磁気機雷を処分できる掃海具を、ワイヤでえい航する。
 新たな日米防衛指針(ガイドライン)には、対米協力項目として、自衛隊による公海上の機雷除去が盛り込まれている。必要が生じれば、この大型掃海ヘリや掃海艦艇が派遣される。しかし公海上とはいえ、機雷の処分は、その機雷を敷設した国に対する武力行使になりかねないという問題が生じる。
 日本の領海外で行われた掃海は、1991年の湾岸戦争後のペルシャ湾での例がある。当時の派遣が「正式停戦の成立」「わが国船舶の航行の安全確保」を根拠に行われたのに対し、今回の指針では武力紛争が続いているさなかでの掃海作業となる。そこが、決定的な違いだ。
 自衛隊法99条は「海上における機雷の除去及び処理を行う」と規定するが、対象地域には触れていない。日本の領域外に部隊が出ていくことを想定していなかったためだが、政府はこの規定の仕方を理由にして、法改正しないままペルシャ湾に掃海部隊を送り出した。今回も同じ理屈で、掃海についての自衛隊法改正は見送られた。
 防衛庁は「公海上に遺棄された機雷なら、処分しても武力行使にはならない」と説明する。だが、海自幹部の一人は「遺棄された機雷かどうかは、敷設した国にしか分からない。だれがそれを聞いてくれるのだろうか」と笑う。
 海自の掃海能力は昨年以降、一気に向上した。89年から96年にかけて計10機のMH53Eが導入されたが、その大きさが逆に障害となって、掃海部隊の艦船には搭載できなかった。しかし97年に「うらが」型掃海母艦(基準排水量5600トン)、今年3月に同型2番艦「ぶんご」が就役したことで、ようやく艦船搭載が可能になり、今では本土から遠く離れた海面での機雷掃海作業もできる。
 在日米海軍は、掃海艦を2隻しか配備しておらず、機雷掃海に関しては手薄だ。「いざとなったら、米軍は日本に最前線での掃海を要請してくるかもしれない」との懸念は、自衛官の中にもある。そこが戦場ではないと言い切れるのだろうか。=おわり
【この連載は衛藤親、人羅格が担当しました】
 
 
 
 
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