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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1997/06/18 毎日新聞夕刊
[この人と]元日教組委員長・槙枝元文さん/3 中教審にユニークさ
 
▼委員長就任の翌1972年に現実路線の第一弾として学校週5日制を打ち出しましたね。「詰め込み教育をやめて子供たちが創造力や主体性を持てるように」と。今の中教審とよく似た主張ですね。
−−「ゆとりのある教育をしなきゃいかん」と言いました。文部省に話を持っていったけど、詰め込み教育に慣らされている文部省は見向きもしない。それどころか、父母からも賛成より反対の意見が多かった。でも永井(道雄元文相)さんとは「教育課程を抜本的に変えて、子供に創造力を付けようじゃないか」と一致していたんだよ。
 
▼かつて日教組は中教審を「粉砕」と叫んで反対しましたが、完全学校週5日制や公立の中高一貫教育の導入を打ち出す現在の中教審はどう評価しているのですか。
−−昔の中教審とは変わってユニークな面が出てきていると思う。教育の理念については私の考えと同じものが出てきているから、いいと思うね。文部省との対立の発端には、我々があまりにも社会党支持路線で議員を送り出しすぎて自民党の恨みを買ったということもある。自己弁明すれば、政治活動に熱心になっていったのは、ひとつに占領下の50年にできた地方公務員法の中にスト行為禁止が入っていたからだ。労働基本権の剥奪(はくだつ)、それに政治活動の禁止も。ほかに勤務評定、職階制が入っていた。これはいかん、というので天野貞祐文相に相談した。天野さんはカント哲学が専門の人でね。「言うことは分かるが、文部省に言われてもどうにもならん。GHQ(連合国軍総司令部)と相談して作られている法律だ。文部省がどうこう言うわけにはいかない。とにかくGHQと掛け合いなさい」と。
 
▼GHQの反応はどうでしたか。
−−エイムスという労働課長がこう言った。「職階制とか勤務評定は確かに教育の世界では百害あって一利なしだ。公務員の一般行政職には職階制は必要だが、教員は課長や係長とかすべきではない。一人一人が専門職であって、これは適用しないでもいい」と。GHQの理解を得たわけです。だから職階制はずっと適用されなかったし、勤務評定も法律ではやることになっていたけど、勤評闘争があるまではやらなかったんだからね。
 それに、スト権については憲法にある。GHQは「自分の勤務している市町村内での選挙活動は禁止せざるを得ないが、それ以外はよろしい」と修正してくれたんだ。「政治活動にエネルギーを使え。民主主義の国というのは選挙が一番大事だから」と言われ、政治活動を大いにやろうということになった。それが50年の出来事でしょう。だから50、51、52年には、やったなあ。自民党でそのために落ちた議員が随分出た。だから自民党は日教組をたたくようになったんだよな。
(つづく)<聞き手・城島徹、写真・西村剛>


 
 
 
 
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