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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2003/01/27 産経新聞朝刊
【解答乱麻】明星大教授 高橋史朗 “拠点”はやはり国立市
 
 「男女共同参画」「男女平等」という誰もが反対できないスローガンを隠れみのにして性差を否定する「ジェンダーフリー」教育と、最近報道が相次いでいる過激な性教育は、実は密接な関係にある。
 双方に共通するのは、妊娠中絶を容認するなど性的自己決定権の強調だが、昨年七月二十二日の衆院決算行政監視委員会で福田康夫官房長官は「児童の権利条約も児童の権利宣言も胎児の生命権を認めている」ことを事実上追認し、坂東真理子・内閣府男女共同参画局長も「リプロダクティブライツ」(性と生殖の権利)については議論が分かれていることを認めている。
 このような政府見解とは裏腹に、「合言葉はリ・プ・ロ」などと記述した過激な性教育冊子『ラブ&ボディBOOK』が中学生に配布され、大きな論議を呼んだ。
 現在発売中の週刊新潮にも報道されているが、東京都国立市立第五小で昨年十月、一年生に男女の性器の名称や両性具有の性器について教える性教育が行われた。保護者から強い抗議の声が上がって校長が謝罪し、東京都と国立市の教育長が、問題があったことを認め、都教育庁は性教育についての全都調査を行っている。
 この過激な性教育の背景には「“人間と性”教育研究協議会」(性教協)の存在がある。授業を行った教員は保護者との連絡帳で、「『性教育』の入門期にとり上げる意義や実践については性教協のとりくみから学んだものです」と正直に告白。これに対し保護者は「性教協なるわけのわからないところから学んだことは教えていただかなくて結構です」と一蹴(いつしゆう)した。
 「男女平等教育の視点からの性教育」や男女混合名簿を全国に広げる発信源となった都教組(全教傘下)や東京教組(日教組傘下)の国立支部の女性教員を中心とする運動も連動しているようだ。
 国立の女性教員が性教協の生みの親、山本直英氏を講師に招いた年に市教委は「国立市男女平等教育指導手引(小学校低学年)」を発行しており、参考文献として性教協グループの本を列挙し、「半陰陽(両性具有)についてもふれる」と明記している。
 国立市は、卒業式での国旗掲揚をめぐって小学生が校長に土下座を迫るなどの反国旗・国歌教育が有名だが、ジェンダーフリー教育や過激な性教育でも“拠点”になっているのである。
 過激な性教育が国立市のみならず東京都全体に広がっていることは、東京教組発行の指導資料『やってみよう女と男の自立のための授業』で、小学校低学年の留意点として「性交を科学的に教える」と述べていることからも明らかだ。全都調査の結果が注目されるが、文部科学省は全国調査を実施すべきだ。
 性的自己決定権の強調は世界的潮流にも反している。WHO(世界保健機関)では憲章の健康の定義に「精神的」などの言葉を追加すべきだという改正論議が行われ、「心の健康教育プログラム」が作成された。日本の性教育は、浅薄な性器・性交教育から脱却して心を重視しない限り、保護者の理解は得られないだろう。
◇高橋 史朗(たかはし しろう)
1950年生まれ。
早稲田大学大学院修了。
スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員、明星大学助教授を経て現在、明星大学教授。


 
 
 
 
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