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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2000/11/23 産経新聞朝刊
【豊中の教育】(6)進路保障委員会 中学校ごとに“割り当て”
 
 「教育の機会均等を守り、進路における差別と選別をなくし、全教育活動を総点検するとともに、一人ひとりの未来への進路を保障する」
 大阪府豊中市で、「地元高校を育成する」「高校間の(学力)格差を解消する」目的で、中学校ごとに各府立高校の受験者数の「目標・限度数」の“割り当て”を示していた「市進路保障委員会」(進保委)。その規約の第一条で「なくす」とされた「選別」には高校入試も含まれる。
 進保委の役員は、豊中市の市立小・中学校長や市教委、教職員、全教職員の研究組織「市同和教育研究協議会」の各代表が務め、活動費も市教委から出ていた。こうした“準公的組織”が、高校入試自体を否定するような目標を掲げるのはどうだろうか。
 進保委現会長の喜多忠政・市立第十一中学校長は「入試の全廃を狙った運動ではないと思うが、『選別』という言葉が適切だったかどうか…」と言う。
 “割り当て”は約二十年前から行われ、市内や近隣に新設された地元校を「育成」し、一部の学校の志願倍率が極端に高くなって大勢の不合格者が出るのを防ぐことが大きな目的だったという。
 「育成」とは、定員割れを防ぐこと。「倍率が定員割れするのと、たとえ〇・〇一ポイントでも一倍を超すのとでは、生徒たちの活気がまったく違う」(学校関係者)からだが、「まずは教職員や生徒の努力。かつて府内の別の地区でも『地元の高校に進学しよう』という運動があったが、高校側が『何もしなくても生徒がくる』とあぐらをかいてしまう弊害もあった」と話す府教委関係者もいる。
 「目標・限度数をもとにした強制的な進路指導はなかった」と市教委や進保委は強調するが、複数の中学校教員によると、実際にはない高校との「姉妹」関係を持ち出したり、「高校間格差をなくしたい」という思いから、より難易度の高い学校に合格できる学力のある生徒に「校内で成績上位でいたほうが伸びる」と言ったりして、“割り当て”の多い地元校の受験を勧める教員もいるという。
 昨年度、東豊中高校の“割り当て”と実際の受験者数が「0」だった中学校の今年の三年生の保護者は「昨年も東豊中を受けたいという子はいたんですが、どんな指導があったのでしょうか。少しでも難易度が高く、大学進学や就職実績のよい高校に行きたいと子供も保護者も頑張っていますが、その気持ちを裏切るようなことはなかったのでしょうか」と不信感をもらす。
 “外”の世界には通用しない『理想』を掲げ、実践する。進保委の“割り当て”は、そんな豊中の学校現場の空気を象徴しているようだ。(おわり)


 
 
 
 
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