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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1999/12/27 毎日新聞大阪夕刊
[きょうのテーマは]大学生の学力低下 その2(止) 思考力不足の解決ほど遠く
 
◇大半が「仕方ない」
 まず「学力低下への批判についてどう思うか?」と尋ねたところ、48人が「低下しているので、仕方ない」と答えた。さらに「低下」を実感している学生にはその原因を質問してみた。
 回答は大まかには6通り(重複あり)。最も多かったのは「大学授業・制度のあり方」で26人、次いで「詰め込み型の受験勉強」(12人)「入試科目の削減」(11人)「無目的に大学に入る」(10人)「少子化の影響」(7人)「ゆとり教育の弊害」(4人)の順となった。
 大学の制度、言い換えれば単位認定の甘さが「勉強しない大学生」を生むのは事実だが、最近に限った傾向ではない。つまり学生側からは「低下」の実態が見えてないのだ。
 しかし「自分で問題を設定し、解決する過程を幼少時からしていないので、思考力が不足している」(立命館)点は多くの学生が感じている。
 そもそも文部省が進めてきた「ゆとり教育」は、思考力不足を解決するためのものだった。ところが、少子化の影響で受験競争が緩和され、学生確保の入試科目削減などに拍車がかかり、結果「大学の門戸が広がり過ぎた」(関学)のだという。
 今回の簡単な調査でもその弊害はうかがえる。例えば、理系の学生なら文系科目が、文系の学生なら理系科目がほとんど出来ない。
 問13の振り子の性質を答えられた文系学生は1割強だったし、源氏物語の正確な帖数を答えられた理系学生は皆無だった。
 また問16や問18の正答率の低さからも、基礎的な生物知識が不足していることがわかる。それも「高校で私立理系に進むと決まった時から生物を勉強することはなくなった」(関西)という状況があるからだ。
 さらには「別に法学がやりたいわけではなかったが、看板学部だし就職のことを考えて入学した。でもいまだにやりたいことが見つからない」(関西)学生もいる。文部省が示す理想と社会の現実とのギャップの中で、学生は右往左往させられているように見えた。
 阪大の学生から聞いた言葉が忘れられない。
 「学力低下? 当然ですよ、大学に入ってからわかりました。だって周りはロクにものを考えない人間ばかりですからね」。「ゆとり」はあっても「考える」余裕はない。これが大学生の実態なのだ、という気がした。
 
  【模範回答】 正答率
京阪神 首都圏
(1) 約60億人 39% 75%
(2) ジョージ・ワシントン 77% 70%
(3) 紅葉を観賞すること 74% 73%
(4) 81% 75%
(5) 戦争放棄、陸海空軍など戦力と交戦権の否認 84% 75%
(6) 五臓六腑、体全体 9% 81%
(7) 明智光秀 90% 91%
(8) 北大西洋条約機構 66% 73%
(9) キリスト教、イスラム教、仏教 93% 81%
(10) 1985年、過度のドル高を是正するため5カ国蔵相が協調介入を決め、円高の契機になった 3% 20%
(11) 二酸化炭素など温暖化ガスの増加 57% 83%
(12) ドル、ポンド、マルク、元 69% 73%
(13) 等時性(時間間隔の等しいこと) 21% 11%
(14) 十七条憲法、冠位十二階制など 71% 88%
(15) 5/6、8 81% 98%
(16) 自然淘汰(とうた)説(生物の進化の過程では、環境に適した変異を持つ個体が生き残る) 4% 66%
(17) 第二次世界大戦の連合国が日本の戦争指導者を裁いた 26% 27%
(18) リボ核酸。DNA(デオキシリボ核酸)から遺伝情報を写したり、たんぱく質を合成したりする物質 9% 30%
(19) 社会主義革命と市民革命 33% 30%
(20) 数え年で77、90、88歳 4% 3%
(21) 54帖 13% 14%
(22) 江沢民 53% 50%
(23) 川端康成 77% 83%
(24) ジラフ(giraffe) 26% 33%
(25) レオナルド・ダ・ビンチ 90% 81%


 
 
 
 
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