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2003/05/04 産経新聞東京朝刊
憲法改正を政策綱領に 民間憲法臨調が提言
 
■憲法記念日 改憲派・護憲派、各地で集会
■「国際情勢に合わず、安全守る障害」
 日本国憲法が施行から五十六年を迎えた三日、改憲派、護憲派の団体が各地で集会を開いた。憲法改正を目指す民間有識者らでつくる「『二十一世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(民間憲法臨調、三浦朱門代表世話人)は各政党に対して衆院選と参院選で、憲法改正や集団的自衛権の行使についての立場を、マニフェスト(政策綱領)や選挙公約の重要項目として明確に掲げることを求める提言を発表した。
 民間憲法臨調が東京都千代田区の都市センターホテルで開いたフォーラムには約一千百人が参加。
 提言ではイラク戦争や北朝鮮情勢を踏まえて憲法改正の必要性が高まっているとの認識のもとに、衆参両院の憲法調査会に対して「具体的に憲法のどこが問題か、早急に国民に提示する」ことや、全国会議員に憲法改正への考えを国民に積極的に表明するよう呼びかけた。
 政府・各政党に対し、有事法制関連法案の早期成立、集団的自衛権の行使を可能とする現行憲法の解釈変更などを促した。
 シンポジウムでは、パネリストの田久保忠衛・杏林大客員教授が「現行の憲法と防衛関係法制は国際情勢に合わなくなり、国民の安全を守る障害になりつつある」と改憲を訴えた。
 また、「新しい憲法をつくる国民会議」(自主憲法制定国民会議)は都内の千代田区公会堂で開いた集会で、国防軍の保持などを柱とする新憲法案を正式に発表した。出席した中山太郎衆院憲法調査会長らが憲法改正の必要性を訴えた。
 一方、護憲派では、市民団体などが都内の日比谷公会堂で「2003年5・3憲法集会」を開いた。約二千五百人が参加、憲法九条を守る立場をアピールした。
 共産党の志位和夫委員長が「有事法制は自衛隊の海外での武力行使に道を開く」などとして有事法制関連法案の廃案を主張、社民党の土井たか子党首は「小泉内閣は憲法をねじ曲げて変えようとしている」として、政府を厳しく批判した。
 
【民間憲法臨調の提言骨子】
 一、衆参両院の憲法調査会は具体的な論点を整理、憲法九条二項(戦力及び交戦権の否認)の改正に関する結論を提示
 一、各政党は憲法改正、安全保障問題に関する態度を明確にし、国政選挙でマニフェスト(政策綱領)、公約とする
 一、全国会議員は自らの考えを表明、改正に向けて党派を超えて団結し、憲法改正国民投票法案を提出する
 一、政府は速やかに有事法制を制定し、国民保護法制の整備に着手。九条に関する政府解釈を総点検し、集団的自衛権の解釈変更に踏みきる
 一、マスコミ各社は自社の立場を明確に
 一、国民は憲法改正を望んでいる。欠陥の多い憲法を全面的に見直すべく努力


 
 
 
 
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