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1999/04/09 読売新聞朝刊
「憲法改正賛成」最高の53% 20、30代は60%超/読売新聞全国世論調査
 
◆最大の関心「環境」 戦争放棄上回る
 読売新聞社が先月二十、二十一の両日に実施した全国世論調査で、今の憲法を「改正する方がよい」という意見が53%にのぼり、過去最高となった。憲法のどんな点に関心を持っているかでは、「環境問題」がトップとなり、これまで一貫して最多だった「戦争放棄・自衛隊の問題」を初めて上回った。一方、憲法の規定と社会の実態との間に矛盾を感じる人は74%で、昨年に続いて四人に三人を占め、憲法論議を「望ましい」とする声も73%と、五年連続で七割を超えている。この調査結果は、憲法論議を「九条」問題に集約させてタブー視する考え方が過去のものになったことを示しており、施行から半世紀余を経て、大きく変化した国際、社会状況を背景に、日本国憲法を巡る論議は新たな段階に入ったと言えそうだ。(調査の内容16・17面)
 憲法を「改正する方がよい」は、昨年(52%)とほぼ同水準で、「改正しない方がよい」は昨年と同じ31%だった。本社が憲法に関する世論調査を本格的に開始した八一年以降、改正賛成派が二年続けて過半数を占めたのは初めてで、特に二十、三十歳代では六割を超えており、こうした考え方が若年層を中心に国民の間に定着しつつあることがうかがえる。
 その背景には、社会状況の変化に伴う価値観の多様化があると見られ、憲法を改正する方が良いと思う理由では、「国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じている」46%が最も多く、次いで「権利の主張が多すぎ、義務がおろそかにされている」30%。憲法を改正しない方がよいと思う理由は、「すでに国民の中に定着している」57%、「世界に誇る平和憲法だ」35%などだった。
 また、憲法について関心を持っている点では、「環境問題」37%が昨年(29%)から大幅に増えて最多になった。人々が良好な環境のもとで生活する権利や、国の環境保全義務を憲法に盛り込むべきではないか――という議論がある中、ダイオキシン問題で環境汚染の深刻さがクローズアップされていることなどが、影響したと見られる。これまで最も関心を集めていた「戦争放棄・自衛隊」は36%(昨年32%)で二位だったほか、「プライバシー保護」25%(同21%)、「情報公開」23%(同18%)が増加してこれに続いており、国民の憲法をめぐる関心は、一層幅広いものになっている。
 憲法論議については、「望ましい」73%、「望ましくない」16%。憲法の規定と社会の実態との間に矛盾を感じることが「ある」は74%で、「ない」20%を大きく上回り、憲法改正反対派でも六割を超えた。
 一方、憲法に関する修正意見への賛否を聞いた質問では、「その通りだと思う」が「環境権など新たな権利についての考え方を盛り込んだ方がよい」について76%、「自衛権を持っていることをはっきり書いた方がよい」についても70%にのぼった。その他の項目についても賛成の声が六割を超えており、現行憲法の規定を見直すべきだ――という意見は、実際には「改正した方がよい」と答えた五割を大きく上回っていることがうかがえる。
 このほか、国会での憲法論議の場として、衆参両院に「憲法調査会」を設置することが検討されているが、国会議員による憲法論議のための委員会を作ることについては、「作った方がよい」が60%と、昨年(63%)同様多数を占め、「そうは思わない」は26%。憲法論議を「望ましい」とする人では、「作った方がよい」が七割にのぼった。


 
 
 
 
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