日本財団 図書館


 
被験者への教示
 
実験時の被験者への説明案内
 
【イントロダクション】
 
挨拶
・今日は〈新しい点字ブロックに関する実験〉にご協力いただき、有り難うございます。
・今日は、○○(=スタッフA)と、○○(=スタッフB)、○○(=スタッフC)の3名で担当させて頂きます。よろしくお願い致します。
・それでは、早速ですが、実験内容について説明させて頂きます。
・ご質問がございましたら、説明の途中でも構いませんので、随時、訊いてください。
 
実験の背景
・まず最初に、今日の実験の背景です。
・国土交通省が『施設整備のガイドライン』というものを示しているのですが、今日の研究は、そのガイドラインを見直すために平成11年度から3年計画で進められている研究プロジェクトの一環です。
・その研究プロジェクトでは、特に視覚障害者の方々のホームからの転落事故を減少させることを目標としており、研究を進めるにあたっては専門委員会を設けて実施内容を検討しております。今日の実験もその委員会で検討された内容です。
 
スケジュール
・今日のスケジュールについてご説明いたします。
・○○さんには、これから2つの実験にお付き合い頂きます。
・2つの実験にはそれぞれ10数回の試行があり、実験と実験の間には10分間の休憩を挟みます。
・実験が両方とも終わりましたら、感想等をお聞かせ頂き、それで終了になります。
・休憩や感想なども含めて、全体で2時間程度の予定です。
 
・トイレの必要があるときは、休憩時間以外でもいつでも構いませんので、(また、スタッフには女性のものもおりますので、)気軽に声をかけてください。担当者がご案内します。
 
写真・ビデオ
・この後の実験では実際に点字ブロックを踏んで頂きますので、今、どんな靴を履いておられるのかということが重要なデータのひとつになります。そこで、まず、今履いておられる靴の記録を取らせて頂きたいと思います。
・どちらでも結構ですので、靴を片方、お貸し頂けますか? 長さや幅を測らせて頂き、また、靴の外形を写真に撮らせて頂きます。
 
《靴の全長・全幅の計測、外形のデジカメ撮影》
 
・この後、実験中には、実験の様子をビデオカメラで撮影させて頂きます。これは、後で正確な分析を行うためで、その他の目的に流用することは一切ありません。
・また、必要に応じて、実験の風景をカメラで撮影させていただくことも場合もあり、その場合、撮った写真の一部は報告書に掲載させて頂くこともあります。但し、掲載する場合は個人が特定できないような形とします。
・ご了承いただきたいのですが、よろしいでしょうか?
 
白杖・アイマスク
・今日の実験に際し、お願いが2つあります。
・まず1つは、今日の実験では点字ブロックを足で踏んだ感触でお答え頂きたいので、白杖は使わないで頂きたいということです。
・もう1つは、この実験にご協力いただく皆さんは40名近くいらっしゃるのですが、皆さんの条件が同じになるように、スポーツの時と同様、念のためアイマスクを着けて頂きたいということです。
・よろしいでしょうか?
 
使用するブロックの説明
・それでは、今日の実験で使う点字ブロックについて説明させて頂きます。
・点字ブロックには「点ブロック」と「線ブロック」があることはご存知と思います。今日、踏んで頂くブロックは、このたび私たちが新しく考案したもので、「点ブロック」と「線ブロック」を組み合わせたような形をしています。
・ただし、この新しいブロックはまだ基礎的な検討を重ねている段階ですので、すぐに実用化になる訳ではありません。
 
・それでは、実際にブロックに触れて、確認していただきます。こちらにお越しください。
 
《説明用ブロックに移動する》
※説明用ブロックは試作ブロックA〜Eのうちから1種類。種類は毎日、ランダムに決定する。
 
・ここでしゃがんでください。すぐ前に、新しく考案したブロックが1枚だけあります。手で触ってみてください。
・この部分は「点」がついています。そしてこの部分に「線」がついています。
・今日使うブロックは、このように点ブロックと線ブロックを組み合わせたような形をしています。ですから、従来の「点ブロック」と「線ブロック」に対して、このブロックを仮に「混合ブロック」と呼びたいと思います。
・何故このようなこのブロックを考案したかと言いますと、鉄道駅のホームの縁端部には点ブロックが一列に敷かれていますね。その点ブロックは役に立っていると思っていますが、しかし現状では、ホームの内側と外側に関する情報は、ブロックの中には含まれていません。もし、このような混合ブロックを使えば、ホームの内側と外側を示すことが出来るのではないかと考えたわけです。
 
・今日の実験はこの混合ブロックについての実験ですが、実をいうと、今日、用意している混合ブロックは1種類ではありません。
・それらの混合ブロックは、「点」の横に「線」がついているという意味ではすべて同じです。また、「点」の数や並び方もすべて同じです。さらに、「線」の太さ、長さ、高さも同じです。
・しかし、「線の本数」や、「点と線との間隔」、また、線が2本以上ある場合は、「線と線との間隔」も1種類ではありません。
・混合ブロックが何種類あるかといった内容については、今はコメントできませんので、どうかご了承ください。
 
・この後の実験ではブロックを足で踏んで頂きますので、実際に足で踏んでみてください。ただし、ここにあるブロックは1枚だけで、周囲には段差がありますのでご注意ください。
※ブロックを踏んで頂く際、体重をよくかけてもらうことに注意!
《被験者を立たせ、ブロックを踏ませる》
※必要に応じて、「体重をかけて」などと注意
 
【同定実験】
 
概要
・それでは、前半の実験について説明いたします。
・ここでアイマスクを着けて頂いてよろしいでしょうか?
《アイマスク着用》
・前半の実験は、ブロックを踏んで頂いて、そのブロックの種類を言い当てて頂くというものです。踏んで頂くブロックには、〈混合ブロック〉の他に、普通の〈点ブロック〉や〈線ブロック〉も混ざっています。
・ただし、1度に踏んで頂くブロックの中にいろんな種類のブロックが混ざっていることはありません。
 
手順
・手順を説明いたします。
・まず最初に、私が、踏んで頂くブロックの手前まで案内します。決められた位置(図1)に立ちましたら、静かに合図を待ってください。
・立っていただいた所の状況をご説明しますと、足を一歩前に踏み出したところにブロックがあります。そして、そのブロックは○○さんの前方向に3〜4歩にわたって続いています。
・合図を待っていただいていると、○○(=スタッフB)が「スタート」と合図をしますので、その合図を聞いたら、足を前に踏み出してブロックを踏んで、その種類を確かめてください。
・ただし、その際、ブロックには幅がありますので、ある一部分だけを調べるのではなく、前・後・左・右によく動いて、くまなく確認してください。
・また、立ち止まってブロックを確かめるという状況を前提にしていますので、ブロックの上を歩くということにこだわる必要はありません。足を地面に擦らせで調べても結構です。具体的な調べ方は特に指定しませんので、ご自由にお願いします。
 
 
図1. 被験者の立ち位置
点状突起部分の中心線を左右対称にまたぐように被験者を立たせるものとする。
 
・ブロック種類の確認は、「出来るだけ早く」そして「できるだけ正確に」行ってください。
・ブロックの種類がわかりましたら、「はい」と合図をして、手を挙げてください。
・ただし、「はい」と合図をした後はもう足を動かさないでください。
・次に、私が「今のブロックはどの種類でしたか?」と訊きますので、ブロックの種類を「混合ブロック」か、「点ブロック」か、「線ブロック」かのいずれかでお答えください。
 
・スタート合図の後、足を踏み出してブロックを踏んだ瞬間から時間を測っており、制限時間を設けます。
・制限時間は60秒です。途中30秒を経過したところで、「30秒経ちました」とお知らせしますが、その後は60秒まで何も言いません。
・もし60秒経って回答がなければ、次のブロックに移ります。
 
・なお、私達実験スタッフの間で、連絡のために暗号のようなもので話をすることがありますが、それは気にしないでください。
・ここまでで何かご質問はありますか?
 
練習試行
・それでは練習に移りたいと思います。こちらにお越し下さい。
《練習用のブロック枠に移動》
※練習用のブロック枠は毎日、ランダムに決定する。
・練習の位置に来ました。
・もう一度確認ですが、○○さんの前にはある種類のブロックがありますので、その種類をなるべく早く正確にお答えください。ブロックの種類がわかりましたら、「はい」といって手を挙げてください。
・では、用意はよろしいですか?
 
・それでは練習試行です。
・スタート。(byスタッフB)→ス卜ップウォッチ開始
《被験者によるブロック探索》
・はい。(by被験者)→ス卜ップウォッチ停止
・今、踏んで頂いたブロックはどのタイプのブロックだったでしょうか?
・○○ブロックです。(by被験者)
・ありがとうございます。
この時に、お答えが合っているか間違っているかはお知らせしませんので、ご了承ください。
・ここまでで何か質問はありますか? 質問がなければ、本番に移りたいと思います。
 
本試行
《第1試行のブロック枠に移動》
・それではこれから本番です。
・それでは第○試行です。<ビデオカメラに声が入るように大きな声で>
《第1試行〜第14試行》
※必要があれば、再試行(第15試行〜)を追加する。
・以上で、前半の実験は終了です。
 
・ここで10分間の休憩をとります。元のお席に戻りますので、こちらにお越し下さい。







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