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第4回 誘導・警告ブロック改善検討会 議事録
 
1. 日 時 平成13年7月6日(金)14:00〜16:00
 
2. 場 所 食糧会館2C会議室
 
3. 出席者(敬称略)
 
【委員】
末田委員長(徳島大)、加藤委員(日本ライトハウス)、笹川委員(日本盲人会連合)、田中委員(日本点字図書館)、有山委員(JR東日本)、清水委員(東武鉄道)、荒川委員(都交通局)、四ノ宮委員(鉄道総研)
【オブザーバー】
水信、石井、山崎、輪笠(以上 国土交通省)
【事務局】
鈴木、大野、藤浪、水上、佐藤、山本(以上 鉄道総研)、岩佐、藤田(以上 交通エコモ)
 
4. 提出資料
・資料4-0 第3回 誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
・資料4-1 平成13年度の調査研究計画(案)
・資料4-2 <検討1>ブロック形状選定試験計画(案)
・資料4-3 <検討2>柱部等、構造物の配置条件によって異なるブロック敷設方法の一元化に向けた検討(案)
 
5. 議事概要
資料4-0 第3回誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
 第3回誘導・警告ブロック改善検討会の議事概要が事務局から説明された。質疑は特になかった。
 
資料4-1 平成13年度の調査研究計画(案)
 事務局から、本年度の調査研究計画と実施スケジュールが説明された。質疑は特になかった。
 
資料4-2 <検討1> ブロック形状選定試験計画(案)
 事務局案を受け、ブロック形状選定試験計画に関する実験内容についての討議が行われた。主な論点は、触条件と使用するブロックパターンについて、ブロックヘの進入方向や教示等についてであった。
 
・線状付加ブロックには方向性があるのでブロックヘの進入方向が重要である。一対比較実験では、ブロックAとBのどちらを先に踏むかで結果に差異が出る。また、ブロックに直角に進入する場合、点と線のどちらの方向から入るのか、あるいは利き足による検知能力の違いも効いてくる。その他、ブロックを踏み越えてしまった時や、同定実験の場合に点だけを踏んだ場合の対処法を決めておく必要がある。
→(事務局)一対比較実験では、被験者の半分はブロックAから先に実施する。また、線状突起が被験者からみて左側に来る試行と、逆の試行とを半分ずつランダムに出現させることを考えている。また、被験者には、線路と平行方向に敷設してある5枚のブロックの手前に、線路と平行方向に立ってもらい、一歩踏み出せばブロックに載るようにしておく。そして、「体の方向を変えても構わないのでどちらがホーム内側かを答えて下さい」と教示し、自由に探ってもらうことにすると、進入方向や、線状突起部か点状突起部に触れるかなどは被験者全体ではキャンセルされると考えている。
→ブロックに載っただけでは方向はわからずに、つま先で探り始めると思う。すぐわかるブロックと時間のかかるブロックがあると思われるので時間を計測すべき。従って、つま先で探っても良いという指示を入れた方が良い。さらに、すぐにその方向を手で示させるようにしないと時間がはっきりしない。
・認知実験の場合、慎重にする人は正答率が良く、即答する人は逆で相関傾向が出てしまう。そのあたりの分析方法は難しい。
→(事務局)制限時間を設定すれば、多少は限定されると思う。
→その制限時間に関してだが、実際のホーム上でのことを考えると、2、3歩踏み変えてわからなければそれはわかり難いブロックとなるのではないだろうか。
・今回用いるブロックは全く新しいものなので、被験者によっては点だけを踏み続けるという惧れもある。一対比較実験より先に、同定実験を先に行うことによって、被験者にブロックのパターンや幅をよく知らせることにもなり、どの程度動けば良いかがわかり、点だけを踏むことは減るのではないか。
・使用するブロックの内、2本線付加ブロックを2種類にした理由は何か。
→(事務局)2本線付加ブロックEだと幅がかなり広くなるという点と、2本線付加ブロックが1種類だけで良いかという議論がある。線のピッチを75mmより大きくすると幅が広過ぎるので、60mmにしたものがブロックDである。触条件を1種類のみにできるなら2時間内になるので、ブロックを5種類にしても問題ない。
・被験者への負担を考えると、触条件として考えている2条件の内、どちらか一方を減らすか、ブロックパターンを減らすということが考えられる。まず、触条件として、「足のみの条件」と「杖と足のどちらで探るかは本人に任せる」の2条件は、両方とも必要だろうか。
→個人的には足で探って判断すると考えるが、杖と足はどちらとも使用しても良いということにしておいて、どちらを選択するかは本人に任せておけば良いのでは。
→(事務局)ブロックの検知方法は、本人の最も自然なやり方に任せて、実験者はその時の記録をとっておけば良い、つまり「両方を使って良い」という1条件で良いということか。
→そうである。
→加えて、被験者にどちらで分かったかを尋ねるということは可能だろうか。
→(事務局)昨年度の実験などから考慮すると、言葉の上では回答可能だと思う。従って、本人にどちらで判断したか確認することと、観察結果を記録しておけば両方を併用可とする1条件のみで良いか。
→ただ、足で判断する人が多いとすると、杖も使うとさらに良くなるので、実験では、厳しい方の条件、つまり足のみで行うという考え方もできる。条件がより統一されることにもなる。
・2本線付加のブロックで60mm間隔はわかり難いと思われるので入れる必要はないのでは。
→(事務局)5種類のブロックを試作し、事務局の内、数名で感触を確かめた感想としては、この60mm間隔の2本線付加ブロックは意外と分かり易かった。事務局としては、2本線に関しても複数条件は検討しておきたい。もし幅を変えることで成績に変化が出るのなら、1本線より2本線が良く、かつその幅が重要であるということになる可能性がある。
→実験条件としては、触条件を足のみで行い、ブロックパターンは5種類ということで良いだろうか。
→(委員からの異議無し)
・ブロックヘの進入はホームの内側(線状突起のある側)からブロックに直角に入るのではないのか。
→(事務局)常に内方から入ると、「分かり易いか」という観点は良いが、どちらが内方かということに対する回答が得られない。現実には、ホーム縁端ブロックより外側に位置することも多々あるのでそれを考慮する必要がある。ただ、一歩踏み出すと前にブロックが繋がっているという状況は現実にはない。しかし、時間計測も必要でありこのような状況にならざるを得ない。
・同定実験で点状、線状ブロックは線状付加ブロックと同じ幅にするのか。また、線状付加ブロックには現状の30cmより幅の広いブロックがあることを教示しておかないと、足を動かさない可能性もある。
→30cmの点状・線状ブロックとの誤認を調べるとすれば、点状、線状ブロックはどちらも30cmで良いと考えられる。また、そのような教示は必要であろう。
・(事務局)実験開始までにWGを開催する時間もあまりないので、今日の議論を経て、修正された実験計画が出来た時点で事務局から委員の方にお知らせして、再度コメント等を頂いてから実験に取り組むことにしたい。詳細な実験スケジュール等も決まり次第お知らせする。
 
資料4-3<検討2>柱部等、構造物の配置条件によって異なるブロック敷設方法の一元化に向けた検討(案)
 事務局が示した「4. 敷設方法一元化の検討材料および一元化案」を元に議論が交わされた。主な論点は次の4つである。(1)駅ホーム上における各種ブロックの機能に関する基本的な考え方、(2)駅ホームにおける点状ブロックの敷設ルール案、(3)敷設方法の一元化案、(4)今後の課題。
 
(1)駅ホーム上における各種ブロックの機能に関する基本的な考え方について
・ホーム縁端と平行に敷設された点状ブロックの定義は、線状突起が付加されるとどのように変わるのか。また、特に島式ホームに線状突起付加点状ブロックと点状ブロックが混在する状況は危険と思われるので、このような混在は認めない等について言及する必要がある。この部分は工事段階のマニュアル等に記載するということであればそれでも良い。
→(事務局)線状突起の有効性が確認された場合に、また、現実には敷設困難な実態があることを踏まえてルール化するのかも含め、最終的には年度末までに、文言を見なおす必要がある。
→各種ブロックの基本的な機能と、具体的にどこにどのように敷設すべきかは分けて考える必要がある。
→(事務局)現状のブロックの基本的な機能をまず整理する。どう敷設するかは今後の検討課題である。
・事務局案の「階段、エレベータ、エスカレータの乗降口に敷設された点状ブロックの考え方」は良いか。
→(委員からの異議無し)
・地平の駅舎で改札口から跨線橋や地下道入口を結ぶために、線状ブロックがホーム上に存在する場合がある。この線状ブロック敷設の是非も含めて今後、整理して欲しい。
・事務局が示した「点状ブロックと隣接する線状突起」は、「一体型」等の名称を検討する必要がある。
→(事務局)基本的な考え方の事務局案に対して、メール等で9月頃までにはご意見を頂きたい。
 
(2)駅ホームにおける点状ブロックの敷設ルール案について
・ホーム縁端を示す点状ブロックの範囲(上限)を規定するということに対して、あるいは、「範囲を示すのではなく統一した方が良い」など、事業者サイドの意見はないか。
→それに加えて、位置や範囲を推奨するスタイルをとる方が良いのか否か。
→範囲を示すのは必要だと思うが、スペース的に可能であるのならホーム縁端からブロックまでの距離が長い方が良いのか、短い方(800mm)が良いのかすらわからないのが実状である。
→ホーム縁端から1000mm以内には障害物は作らないという構造規則があり、地下鉄ではそれを1500mmとしているので、事務局が示す基準案はその点では都合が良い。
→利用者側からすれば、ホーム縁端ブロックから電車までの距離が多少変わるわけだが、それほど問題ないのでは。問題があるという利用者の声も聞かない。さらに広いと問題があるかもしれないが。
→ブロック敷設の範囲の案、その他についても意見があれば事務局に知らせて欲しい。
・「幅の狭い島式ホームで2800mmまで敷設」とするとブロックが敷かれない駅がどの程度存在するのか
→(事務局)確か20、30%であったと思われる。
・事務局案の制限を設ける考え方は「狭い端まで行かないで乗車して下さい」ということで良いか。
→(事務局)その駅で降車した場合のことを考える必要がある。ただ、非常に幅の狭いホームの場合はブロックだけでは解決できないのではと今のところ考えている。
→ルールはホームの端まで統一するのか、多少、例外を認めるのかも含め事務局に意見を頂きたい。
 
(3)敷設方法の一元化案について
・ホーム可動柵、ドアなどがある場合は別になるということを記載して欲しい。
→(事務局)それも含め、観点が抜けていれば、メール等で7月末までに事務局に意見を寄せて欲しい。
 
(4)今後の課題について
・実現化に向けて、他にも残された課題がありそうであれば、意見を寄せて欲しい。
以上







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