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「誘導・警告ブロック改善検討会」議事録
 
注)本研究は平成12〜13年度の2年計画で実施されたものである。資料編1は、平成13年度に開催された4回の委員会の議事録を示したものである。
 
第3回 誘導・警告ブロック改善検討会 議事録
 
1. 日 時 平成13年4月27日(金)14:00〜16:00
 
2. 場 所 海運ビル304号室
 
3. 出席者(敬称略)
 
【委員】
末田委員長(徳島大)、田内委員(岡山県立大)、加藤委員(日本ライトハウス)、笹川委員(日本盲人会連合)、田中委員(日本点字図書館)、有山委員(JR東日本)、清水委員(東武鉄道)、荒川委員(代理 高橋、都交通局)、四ノ宮委員(鉄道総研)
【オブザーバー】
水信、石井、山崎、輪笠(以上 国土交通省)
【事務局】
鈴木、大野、藤浪、水上、青木、河合、薄田、山本、江國(以上 鉄道総研)、岩佐、藤田(以上 交通エコモ)
 
4. 提出資料
・資料3-0 第2回誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
・資料3-1 平成13年度の調査研究計画(案)
・資料3-2 点状ブロックに隣接して線状突起を付加することの有効性に関する実験検討(案)
・資料3-3 柱部等、構造物の配置条件によって異なるブロック敷設方法の一元化に向けた検討(案)
 
5. 議事概要
資料3-0 第2回 誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
 第2回誘導・警告ブロック改善検討会の議事概要が事務局から説明された。質疑は特になかった。
 
資料3-1 平成13年度の調査研究計画(案)
 事務局から、本年度の調査研究計画と実施スケジュールが説明された。質疑は特になかった。
 
資料3-2 点状ブロックに隣接して線状突起を付加することの有効性に関する実験検討(案)
 事務局の資料説明を受け、線状突起付加の有効性に関する実験についての討議が行われた。主な論点は次の3点である。(1)点状突起の形状と配置、および線状突起の形状をJIS原案に準拠することについて、(2)実験の主要なパラメータ(点状突起と線状突起との間隔、線状突起の本数)の設定と実験方法について、(3)その他の実験に関する検討事項と実施スケジュールについて
 
(1)点状突起の形状と配置、および線状突起の形状をJIS原案に準拠することについて
・(事務局)点状ブロック該当部については検討に要する時間の効率性の観点から300mm×300mmのみにし、その点状突起の形状と配置はJIS原案に準拠したい。また線状突起の形状についても、JIS原案に準拠したい。
・JISに準拠するのであれば、高さ、幅、角、長さというパラメータはなくなるが、それで良いか。
→(委員からの異議無し)
 
(2)実験の主要なパラメータ(点状突起と線状突起との間隔、線状突起の本数)の設定と実験方法について
・線状突起を追加したブロック幅は最大400.0mmなのか。あるいは、どれくらいの幅までなら敷設可能なのか。それによって、2本線付加を検証の対象に加えるべきかどうかの判断が異なる。
・現場での線状突起部の敷設工事を考えると、付加するパーツ内での線状突起の位置はなるべく単純にして欲しい。
→(事務局)400mmというのは、支障する箇所をなるべく減らすこと、及び施工上の簡便さという観点から出された一つの目安値で、絶対的なものではない。また、点状突起と線状突起との最適間隔の値によっては、ブロックの基盤を含めて400mm以上となることも考えられる。そこも含めて議論して頂きたい。
・付加する線状突起を1本にするか、2本にするかは、何を期待するかにより異なる。足でより分かり易くするという観点からは、2本の方が良いのではないか。
・分かり易さを決めるのは、点状突起と線状突起との間隔であると思う。
・ホームにおけるわずかな段差や工事中の箇所、その他の敷設物の角部分が線状突起1本の場合と誤認され易い(2本の場合は誤認され難い)。また、実際の視覚障害者の歩き方から考えて、白杖でなら線状突起が発見できるという条件は外すべきである。
・付加した線状突起と線ブロックの誤認を避けるという目的からすると線状突起を2本付加することは検討対象から外して良いのでは。また、幅拡張の効果を考えると、2本線付加の方が良いことは、昨年度の実験結果から検討しなくてもわかる。
→線状突起を線ブロックと誤認した結果、どのような危険性が生じるかの分析が必要である。
→昨年度の実験のようにブロックを検知するということと、内外方を知るということは別であり、実験のモードを変えて行う必要があると思われる。
→昨年度の異種2列敷きの実験で、線ブロックのみを踏んで、停止しなかった人がいることを考えると、今年度の線状突起付加についても、そのような危険性の有無を確かめる必要があるのではないか。
・実験のパラメータを、点状突起と線状突起との間隔と、線状突起の本数という2つにすると、検討すべきブロックの種類が増えてしまうが、現実的なスケジュール等から考えるとどの程度までなら可能か。
→(事務局)点状突起と線状突起との間隔の違いによる効果を連続的に推測するためには3、4点は必要である。これに線状突起の本数をパラメータとして入れると8種類程度になる。検討のスケジュールを踏まえると、全て実験を行うことは困難であるので、なるべく条件を絞って欲しい。
・過去の通産省での線ブロックの認知性に関する実験結果から、点状突起と線状突起との間隔を60mmにするのは、意味がないと考えられるので、検討すべき間隔の最小値は75mmとすべきである。
・基本的には、1本線付加の場合は、点状突起と線状突起との間隔を75mm、2本線付加の場合もさらに、75mm空けて付加すれば良い。その際に、施工時の簡便さという観点から、線状突起部が、区切り易い100mm、あるいは150mmになるように間隔を調整するという対応策も考えられる。
・1本線の場合は、点状突起と線状突起との間隔を75mm、95mm、105mmの3種類、2本線の場合は75mm間隔の1種類の、計4種類で検討するというのはどうか。
・説明資料では、予備実験とされているが、今回、一番大事なのはこの部分なので、できるだけ多くの人数でやって欲しい。
→(事務局)予備実験を第一実験、本実験を第二実験とし、予備実験の被験者の数を増やして行う。
・間隔の上限をどこに設定するかを含め、寸法の詳細は今後、検討することにして、まず、提案された4つの条件で比較検討を行うこと、さらに予備実験とあるところは、本格的に行うということで良いか。
→(委員からの異議無し)
 
(3)その他の実験に関する検討事項と実施スケジュールについて
・ホーム上で視覚障害者が実際どう歩いているのか、それが転落事故に繋がるかどうかの分析がないと、単なる検知能力の実験になってしまう。今回は、実験時に、敷設のルール(線状突起部分を付加したブロック)を最初から被験者に伝えておくのかどうかで実験の意味や結果が変わってしまう。知る、知らないに関わらず事故が起こり難いという確認が必要である。
・予備実験と本実験全体で結論のストーリーはどうなるのか。
→(事務局)厳密なストーリーができているわけではない。何れにしてもブロック敷設方法の一元化の検討もあり、場所と時間の点から屋外敷設実験は1回しか行えない。
  その意味では予備実験でパターンを絞ってからフィールド実験に移りたい。また、スケジュールを動かさないためには、梅雨から夏にかけての試験が必要になるので、体育館のような適切な場所を見つけたい。実験の方策、及び具体的な実験方法については事務局側で提案したい。
・新ルールなので周知する必要はあるが、わからない人がいるのも当然である。新たな設備を付加することによって現状より転落事故が増えるというのでは問題である。そのための確認と、ホームの内外がわかるということを確証して欲しい。
 
資料3-3 柱部等、構造物の配置条件によって異なるブロック敷設方法の一元化に向けた検討(案)
 事務局の資料説明を受け、点状ブロック敷設方法の一元化に向けて行うべき検討項目について議論が交わされた。主な論点は次の3点である。(1)コの字、断列、連続敷設の考え方についての整理、(2)ホーム縁端から警告ブロックまでの距離について、(3)その他の検討事項や実施スケジュールについて
 
(1)コの字敷設、断列、連続などの考え方についての整理
・基本的に、ホーム縁端部のブロックは、あくまでも警告用で、誘導させるものではない。柱なども迂回せずにホームから一定距離の所に敷設するのが良い。柱にぶつかることと、ホームからの転落では警告の必要性の度合いが異なる。今後は、警告用のブロックであることを知りながら、安全上のことも認識しながら歩くことを薦めるということになるのでは。
・コの字敷設には反対である。線状突起が付加されていれば、歩いている時に、どちらが線路側かがわかるので、柱にぶつかった時でも(ホームの内外方がわかるという点においては)問題ない。
・ブロック敷設の一元化に関しては、実験的検討というよりも、考え方を整理してルールを決めることが重要だとすれば、そのルールの下で、実際にどのように使われるか、その上での問題点は何かということに集約していく方向もある。
・まず、「警告」や「誘導」との関連において、ホーム縁端の点状ブロックの敷設コンセプトを明確にし、その後、具体的な敷設方法の検討を行うこととしたい。
 
(2)ホーム縁端から警告ブロックまでの距離について
・ホーム縁端から警告ブロックまでの距離に関する上限が、現在、決まっておらず、問題である。実験するというよりも、ISOの動きなども把握した上で、今回検討すべきではないか。
・ISO規格案では最大の距離を60cm以上、2m以内としているが、その2mは広いのではないかという議論がある。警告ブロックからどの程度行けばホーム端になるのかという範囲は決めざるを得ないのでは。
(3)その他の検討事項や実施スケジュールについて
・一元的な敷設の検討は、線状突起付加の結論が出てから行うべきである。そのブロックで、柱等とぶつかった場合の敷設方法を考えれば良い。
・本検討は、1本線をどのように付加するかの実験とは違い、杖が非常に大事な意味を持つ。ただ、その使用の仕方は個人差が大きい。この点をどうするかも検討事項の一つである。
・ホーム端の狭い所で、かつ、実際そこに乗降口がある割合はどれ位か。例えばホーム幅が3m程度しかないが、両方に乗降口があるという所は何らかの対策がないと視覚障害者に限らず危険である。今回、コの字敷設がなくなり、「点状ブロックがない箇所は危険である」と認識されていく方がむしろ良いのではないか。ホーム端における視覚障害者の事故は少なからず発生しているので、そういう意味も含めてホーム端部のデータが欲しい。
・一元敷設に関する検討方法は、早急にワーキングで検討し、それを次の委員会に諮ることにする。年度末には、内外方の検出支援となるブロックとその一元的な敷設方法を提案することとしたい。
・(事務局)今年度は最終年度なので報告書作成の時間もかなり必要である。ワーキングという形で検討を行い、実験等のイメージが固まったら、委員にお知らせすることとする。
以上







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