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2 海上保安庁における油分散剤の散布装置
(1)TC3
 HELITASK社製油分散剤空中散布装置TC−3の概要を図−IV.1.1、表−IV.1.2に示す。なお、本装置は機体吊り下げ時に機体の下で人が作業しなければならないことからパイロットには不評である。
 海上保安庁では4基地(函館、横浜、三保、那覇)に配備している。
 
図−IV.1.1 TC−3の概要
(拡大画面:27KB)
 
表−IV.1.2 TC−3の概要
概要 油分散剤散布
容量 TC3MKII・・・MAX.910l
噴霧 噴霧口が調節可能 噴霧粒子を100μから1,000μまで調節可能
装着 機体吊り下げ方式 機体ホバリング中 TC3MKII・・・10分以内
汎用性 機体に直接装着するわけではないので、ほとんどのヘリコプターで使用する事が可能
効率 タンク容量が大きく、装着が簡単。しかもホバリング中に装着・交換が可能な為、現場にいて非常にスムーズなオペレーションが可能(注1)
その他 世界各国で計65Unitsの納入をしているが、そのすべてが油分散剤散布装置としての納入。 石油のメジャーも海底油田のリグには常設しているかスタンバイの体制をとっている所がある。(注2)
注1
添付 各ヘリコプターアプリケーションリスト参照の事
注2
〃  メジャークライアント表参照の事
 
写真−IV.1.5 TC−3 取り付け作業
 
(2)O.S.F(Oil Spill Fighter)
 海上保安庁の要求仕様を満たすべく、Heli−Dyme Systems.Inc社が開発・製造した油分散剤空中散布装置である。
 海上保安庁では4基(新潟・えちご、横浜・やしま、名古屋・みずほ、福岡・ちくぜん)保有している。対象油分散剤は、D−1128である。
 なお、O.S.Fの詳細については、「IV−2 油分散剤空中散布装置(Oil Spill Fighter)取扱訓練」に記載した。
 
IV−2 油分散剤空中散布装置(Oil Spill Fighter)取扱訓練
1 油分散剤空中散布装置について
(1)装置の概要及び構成
 本装置は海洋での油流出事故発生時に上空から油分散剤を海面に散布する装置である。
 装置の構成は、油分散剤を搭載するためのタンク・アッシィ(含むポンプ)、空中散布用のスプレー・ブーム、給電系統及び配管等となっている。
 
(2)取付概要
 油分散剤タンクは420リットル(110ガロン)の容量であり、取付位置は客室内に装備されている5人掛け座席を取り外し、座席取付用フィッティングを利用して取り付けることができる。
 又、スプレー・ブームは胴体下面に取り付けた専用のフィッティングにより固定することができ、ブームにはノズルが10ヵ所(最大)取り付けられる。
 
図−IV.2.1 油分散剤空中散布装置の配置







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