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5 まとめ
(1)散布試験(水)
〔1〕試験結果の吐出量をノズルメーカーカタログ値と比較すると、どのノズルもカタログ値よりも少ない結果であったが、本試験では、吐出圧が同じであれば、ノズル取付け個数に関係なく、ほぼ同値の結果となった。(ホロコーンスプレー0.1MPa及びオリフィススプレーは、カタログ値なし)
(参考:吐出量のカタログ値との比較)
 
・ホロコーンスプレー
81%〜87%
・フルコーンスプレー
87%〜91%
・フラットスプレー
85%〜92%
 
 また、全散布幅についても、ノズル取付け位置の違いを考慮すると、全散布幅の値は近似している。
〔2〕各ノズルの散布状況
・ホロコーンスプレー
 粒径が小さく風の影響を受けやすい。(写真−III.2.12
・フルコーンスプレー
 散布幅は4種類中で最も広い。粒径は、円錐外側は大きいが、内側は小さく、粒径は不安定であった。(写真−III.2.13
・フラットスプレー
 風の影響を受けにくく、粒径も安定していた。(写真−III.2.14
・オリフィススプレー
 散布軌道は棒状で、吐出量は4種類中最も多い。
 以上から航空機用農薬散布装置を自己攪拌型油分散剤散布装置として使用する場合のノズルは、フラットスプレーが適当であると考えられる。
 
(2)散布試験(S−7)
〔1〕フラットスプレー1ヶで水及びS−7を散布した結果(表−III.2.7III.2.8)を比較すると、各吐出圧における吐出量はほぼ同値であったが、散布幅は水と比べ、S−7の方が狭い結果となった。
(参考:散布幅の散布試験(水)との比較)
 
圧力(MPa)
 
(%)
・0.1
(MPa)
57%
・0.2
(MPa)
69%
・0.28
(MPa)
72%
 
〔2〕ノズル取付け位置〔3〕・〔20〕でS−7を散布した場合、反対側の散布管の散布軌道と大きく重なる。その為、ノズル取付け位置を先端側へ変更する必要がある。ノズル取付け位置〔3〕・〔20〕の散布軌道とノズル取付け位置を〔3〕・〔17〕に変更した散布軌道を図−III.2.3、III.2.4、III.2.5に示す。
〔3〕透明水槽中の水面上にA重油を浮かべ、フラットスプレーノズル付きの散布管を高さ5mの位置に設置後、S−7を散布し、効果を確認した。(写真−III.2.15、III.2.16、III.2.17)高所から落下したS−7の粒は水面上のA重油に対し、効果的に作用していた。
 
(3)浸漬試験
 本試験で使用したQuick Teejetのシール類はEPDM製が標準品であるが、浸漬試験結果よりS−7散布を行う場合は、耐油性に優れるバイトン製のものを使用することで対応可能である。
 
 
 







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