はじめに
財団法人 海外造船協力センター(以下「OSCC」という。)は、アジア・パシフィック地域各国のポートステートコントロール検査官の中級研修に関し、平成14年度に財団法人 東京エムオウユウ事務局(以下「TMS」という。)から第3回同研修(FT3)の研修実施業務を受託した。これは平成12年度及び平成13年度に実施した研修(第1回及び第2回の総参加国数7ヵ国、総研修受講者数40名)に引き続き行なうものである。
受託業務の範囲は次のとおりである。
I. 研修の実施
1. 座学研修計画の作成
2. 座学研修の実施
II. 付帯業務
1. 地方運輸局における実習の支援
2. 研修受講者の宿泊
3. その他これらに付帯する業務
これらの受託業務の実施に際しては、国士交通省海事局、同地方運輸局(運輸支局及び海事事務所を含む。)及び同神戸運輸監理部の懇切且適切なご指導をはじめ、財団法人 日本船舶振興会ほか多数の関係各位の積極的なご協力とご支援を頂いた。ここに関係の皆様に深甚なる謝意を表する次第である。
以下に、本研修の実施概要を受託業務の実施報告書として取りまとめた。
平成14年度のポートステートコントロール検査官中級研修(以下「研修」という。)は、平成14年11月12日(火)から同年11月29日(金)までの18日間、わが国の休日等の制度に沿って実施され、このうち、11月12日(火)から11月15日(金)までをポートステートコントロールに係る規則の研修、11月18日(月)から11月26日(火)までを同実習、11月28日(木)と11月29日(金)を実習報告会及び評価会とした。
アジア・パシフィック地域の8ヵ国(チリ、中国、韓国、マレーシア、フィリピン、ロシア、シンガポール及びヴィエトナム)から研修受講者20名が受講した。
(研修受講者名簿:別紙1)
研修のうち座学研修は、11月12日(火)から11月15日(金)までの間の21時間を各国のポートステートコントロールの活動状況の紹介及びポートステートコントロールに係る規則の解説に、11月28日(木)と11月29日(金)の両日の12時間を実習報告会及び評価会として夫々OSCCで実施し、また、11月15日(金)の午後は株式会社IHIマリンユナイッドで建造中の新日本海フェリー株式会社向フェリー「ゆうかり」(総トン数18,000)を見学した。
実習は、11月18日(月)から11月26日(火)まで国土交通省地方運輸局(運輸支局及び海事事務所を含む。)及び神戸運輸監理部の18ヵ所で行った。研修の概要は、別紙2「研修カリキュラム及びタイムテーブル」に示すとおりであり、各国のポートステートコントロールの活動状況の紹介、ポートステートコントロールマニュアルの概要説明、IMO決議A.787(19)「ポートステートコントロールの要領」及びその一部改正A.882(21)全般の解釈、IMO条約の新規則の紹介、ISMコードの概要説明、操作要件の解説、船体構造上の問題点、STCWの概要説明並びに船上実習等を取り入れて充実した内容とした。
(研修カリキュラム及びタイムテーブル:別紙2)
教材として下記の図書を中心に使用した。
(1)IMO条約集
・SOLAS74/78(Consolidated edition 2001)
・SOLAS 2000 Amendments
・FSS Code
・LSA Code
・ISM Code
・MARPOL 73/78 (Consolidated edition 2002)
(2)Port State Control Manuals (2001 version with 2002 amendments)
(1)座学
OSCC研修所先任講師 降矢勢三がIMO決議A.787(19)「ポートステートコントロールの要領」及びその一部改正A.822(21)について、国土交通省海事局総務課外国船舶監督業務調整官 渡辺元尚殿が「IMO条約の新規則」と「国際安全管理(ISM)コード」について、国土交通省海事局船員労働環境課長 寺西達弥殿が「操作要件」について、国土交通省海事局海事資格課外国船舶監督係長 伊藤和行殿が「STCW」について、また、TMS企画課長代理Mr.Ning Zhengが「ポートステートコントロールマニュアル」について夫々解説した。
(2)見学
11月15日(金)の株式会社IHIマリンユナイテッドで建造中の新日本海フェリー株式会社向フェリー「ゆうかり」(総トン数18,000)の見学には、本船の建造担当技師の案内で、ほぼ完成状態の船内を隈なく見ることが出来た。
(3)実習報告会
11月28日(木)及び11月29日(金)の2日間に渡ってOSCCにおいて、研修受講者、国士交通省海事局総務課外国船舶監督業務調整係官、同地方運輸局外国船舶監督官及びOSCC先任講師が出席して実習に対する報告会を実施した。
(実習報告会国土交通省参加者名簿:別紙3)
(4)評価会
11月29日(金)、研修受講者、TMS専務理事 岡田光豊殿、同企画課長代理Mr.Ning Zheng、同業務課長代理 秋元文子殿及びOSCC先任講師 降矢勢三が出席して研修全般にわたる評価会を実施した。
なお、国土交通省地方運輸局外国船舶監督官2名がオブザーバーとして出席した。
実習は、わが国のPSCを実施している国土交通省地方運輸局等が担当し、11月18日(月)から11月26日(火)までの7日間、地方運輸局(運輸支局及び海事事務所を含む。)及び神戸運輸監理部の18ヵ所で行った。
なお、11月18日(月)から11月22日(金)までの5日間、九州運輸局、同下関海事事務所及び中国運輸局における実習には、OSCC先任講師 降矢勢三が現地に赴いて支援した。
また、実習の期間中、TMS主催の巡回フォーラムが適宜開催された。
実施場所と研修受講者の配置は別紙4のとおりである。
(地方運輸局等実習配置表:別紙4)
(1)開講行事
研修の開始にあたり、開講行事として開講レセプションを実施した。
日時 11月12日(火)午後5時00分〜7時00分
出席 |
研修受講者 |
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20名 |
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国土交通省 |
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3名 |
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TMS |
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4名 |
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コーディネータ |
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1名 |
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OSCC |
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7名 |
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計 |
35名 |
司会 コーディネータ 大川真知子
次第
記念撮影
挨拶
TMS専務理事 |
岡田光豊殿 |
国土交通省海事局総務課外国船舶監督業務調整官 |
渡辺元尚殿 |
懇親
(2)閉講式及び閉講レセプション
閉講にあたり、閉講式及び閉講レセプションを実施した。
11月29日(金)午後5時00分からOSCC講堂において、来賓及び関係者の出席のもと、閉講式を開催した。閉講式では、まず主催者側から、TMS専務理事 岡田光豊殿の挨拶があり、引き続き来賓を代表して国土交通省海事局総務課外国船舶監督業務調整官 渡辺元尚殿から挨拶があった。
この後、TMS専務理事 岡田光豊殿から研修受講者一人一人に修了証書及び記念品が手渡された。これを受けて研修受講者を代表して中国研修受講者のMr.Xie Huiから答辞があり関係者への感謝の意が表された。
主な来賓は次のとおりである。
国土交通省海事局総務課外国船舶監督業務調整官 |
渡辺 元尚殿 |
国土交通省関東運輸局海上安全環境部先任外国船舶監督官 |
山内 敏夫殿 |
国士交通省近畿運輸局海上安全環境部外国船舶監督官 |
篠岡 幸男殿 |
国土交通省中国運輸局尾道海事事務所外国船舶監督官 |
藤原 裕宣殿 |
引き続き、閉講式出席者による閉講レセプションを開催した。
なお、閉講式及び閉講レセプションには研修受講者を含め、約45名が出席した。
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