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B)人工林を育てる
 人工林とは:木材を収穫するために人がつくった林をいう
 
i. 単層林と複層林
単層林(一斉林)
 
 一度に植えつけられた林
 木の年輪がそろっているので利用できる太さになったとき、一斉に伐採し再び植える。
複層林
 
 人工林で上木を伐採して透かし、その下に植え付けをした林
 年輪や木の高さが違い樹種も異なる場合もある。
 上木が利用できる太さになったら伐採し空いたところに再び苗木を植えつける。
 
ii. 人工林を育てる揚合
 苗木を植え数十年かけて育て太くなったら伐採して利用する。再び苗木を植えて育てる。
 このように樹木は繰り返し生産できる資源である。
 
苗木生産から伐採まで
1・ 苗木生産、
 種子から育てる場合は2〜3年、さし木の場合は苗畑で1年育ててから山へ植え付ける。
2・ 地ごしらえ
 苗木を植える前に、切った木の技や刈払ったかん木など片付ける。
3・ 植えつけ
 1.5〜2メートルの間隔で植え付けて行く。苗木が成長を始める直前の春先に行うことが多い。
4・ 下刈り
 植えつけ後数年間は、成長の早い雑草木に苗木が覆われてしまう。すると、苗木が成長できなくなるので毎年夏に雑草木を刈り払う。
5・ 除伐
 10年ほどたつと、植えた木以外の低木が生えてくる。植えて木の邪魔をするため取り除いてやる。
6・ つる切り
 つる植物は幹に巻き付いたり、木に覆いかぶさったりして、木の成長を邪魔するので不必要なつるは取り除く。
7・ 枝打ち
 材にしたとき、表面に節が出ないように下の方から枝を切り落とす。また、枝打ちすることで幹の上と下の太さの差があまりない木になる。
8・ 間伐
 木が大きくなり林が込み合ってくると、木同士が競争し十分に成長できなくなる。そのため間引きをするがその程度によって年輪の幅を調整することができる。
9・ 伐採
 50〜60年かけて育てた木を切り出す
 
切り出した丸太はいろいろなものに加工して利用する。
 
○丸太のままで使う:杭材、緑化木の支柱など
○製材して使う:建設材、土木用材など
○加工して使う:合板材、細など
 
C)天然林を育てる
天然林とは:天然の状態であって植えつけや手入れなどにほとんど人の手が加わっていない林
 
天然林を育てる作業
 天然林は、木の種類も年輪も様々なものが生えている。世代交代も自然の力でゆっくりと進むので、元気のよい木もあるが枯れ木があったり、木が混み過ぎていて森林の働きも衰えてくる。
 天然材であっても、森林がいつも元気でいるためには人間の手助けが必要である。
 
1・ 樹木の種子には豊作、凶作の波があるため豊作の年に大量の種子が落ちてから伐採するようになる。老木や枯れ木を切ると日当たりのよい場所ができ、種子が落ちて新しい木が育つようになる。
2・ 伐採する場合は、種子の供給源となる良い木を母樹として残しておく。
3・ 地表がササで覆われている場合は稚樹が育たないため、ササを刈ったり表面の土壌をかき起こして稚樹が育つようにする。
4・ 良い木の成長を助けるため除伐や間伐などの管理をする場合もある。
5・ ミズナラなどの森林では切り株から出た芽を育てていくこともある。
 
D)林業を支える林道
林道の役割
 森林の保育や伐採の現場に入ったり、木材を運び出したりするほか森林を守るための管理用道路やレクレーションなどの利用に欠かせないもので、林道は林業を支える重要のものである
 
林道があると・・・
●人が容易に山に入れるので、森林の管理がしやすくなる。
●大型の林業機械が入るので、作業効率が上がる。
●木材の運び出しが容易になる。
 
■林道の種類
〔幹線林道〕
 広大な森林地域を管理するために骨格となる林道。車道幅がおおむね4m以上の場合が多い。
〔支線林道〕
 幹線林道から分かれて、各山々に通じる林道。車道幅がおおむね3m以上の場合が多い。
〔分線〕
 支線林道からさらに分かれて、各作業地付近まで通じている林道。車道幅が2m以上の場合が多い。
〔作業道〕
 面伐などの林内作業を行うために、臨時につくられる道。
 
E)植えつけ、下刈りの仕方
植え付けの手順
 
(1)クワやスッコップなどで直径40cm、深さ30cmほどの穴を掘る。
(2)根を広げて苗木を立たせ土をかける。
(3)苗木の先を持ち上下にゆすりながら少し引き上げる。深く植えないように注意する。
(4)苗木の周囲を踏み、苗木を引っ張っても抜けないようにする。
下刈りの手順
カマを使う場合
(1)右手を先、左手を手前にして力マを持つ。右足を前、左足を後にして構える。次に、右から左へカマを、動かして草を刈る。この時、苗木を切らないように注意する。カマは必要以上に大振りしない。
(2)できるだけ地面に近い根元を刈るようにする。
 
カマの使い方
・草など柔らかいものは、カマを降るように刈る。
・かん木などの
・蚊まで刈れないものは、ナタや、ノコなどを使用する。
・足元より低い所は刈らない。
 
刈払い機を使う場合
 刈払機は、むき出しの刈刃を高速で回転させて作業するので危険も多く、特に、周囲に注意しながら作業しなければならない。
(1)刈払い作業中は常に安全な間隔を保ち、半径5m以内は危険区域として他の作業者は立ち入らせないようにする。
 
(2)緊急離脱装置および飛散防護カバーを備えたものを使用する。
 
(3)草とササ・かん木など刈払い機の排気量の違うものを区別して使用し、安全に切断できる部分で切るようにする。
 
(4)複数の人が同時に作業する場合には、全員で作業手順を打ち合わせし、安全作業に心がけ、基本的には次のような移動方法を用いる。







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