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海洋活動マニュアル(カッター・ヨット・カヌー・ロープワーク)

 事業名 団員拡充モデル事業
 団体名 日本海洋少年団連盟 注目度注目度5


(2)達着法
 達着法は、艇を岸壁や他船に着けたり離したりする方法です。
(1)達着におよぼす要素
 達着に際し影響する要素には、風向、風速、流向、流速、艇の惰力(行き脚)・舵効などがあります。これらの要素を障害として受け止めず達着に利用することが大切です。
(2)着岸時の留意点
 艇長は行き脚をどの程度にするのか、岸壁への進入角を何度にするのか、あるいは舵効や風向風速、流向流速などを総合的に勘案し、判断しなければなりません。
ア 一般的には、風潮に対し向首するように操艇します。
イ 風潮流による圧流を見込み、風潮下に余裕を残しておきます。
ウ 横圧流が大きい時は、岸壁の遠くから着岸進路に入り、圧流状態を観測しながら櫂上げの時機を判断します。
エ 風潮流に対する修正は、早目に大きく思い切って行います。
オ 大型船付近や高い陸上構造物付近では風向・風速が突然変化することがありますので、気を付けてください。
カ 風上に向う時は行き脚を強く、風下に下る時は行き脚を弱めながら接岸します。
(3)着岸の要領
 着岸予定地の岸壁上5m(約1艇身)手前の地点を目標に約20〜30度の角度で接近します。着岸予定地の約3〜5艇身手前で着岸舷側の櫂を収め(あるいは、『かい立て』)、行き脚で接近しながら約1艇身手前で舵効、あるいは着岸舷と反対側の櫂による『止め』の効果を利用して、岸壁と平行近くになるよう操艇します。
(4)離岸する場合の留意点
 離岸する時には、付近停泊船の航泊状況や風潮流の向きなどを調べ、離岸しやすいように艇を移動したりもやい索を整理しておきます。もやい索は風上側をシングルアップとし、他のもやい索を取り込みます。ボートフックでつき離して離岸します。
ア 風潮流を利用して、操艇できる状態とします。
イ 波浪・うねりが大きい時は、防舷物で艇体を保護しながら少しでも静かな所へ移動した後に乗艇させます。
 
(3)回頭法
(1)回頭
 艇が直進中に転舵による効果で旋回する間に描く円形の軌跡を施回圏といい、舵効だけでなく櫂や風圧力などを利用して艇首を回すことを回頭と呼びます。
(2)その場回頭−左回頭(反時計回り)の場合−
 転心(旋回中心点)を軸に回頭する方法です。舵を旋回方向(この場合はチラーを右一杯)に転舵し、櫂を「右前へ」、「左後へ」と号令すると、艇は前後にほとんど移動することなく転心を軸に、その場で左回頭します。
(3)狭水路回頭−右回頭(時計回り)の場合−
 航行幅が狭い水域で、行き脚と舵効を利用しながら回頭する方法です。まず、航行幅の狭い水域の左岸へ行き脚を持たせて寄せながらチラーを左一杯に転舵し、艇首が約1艇身離れて右岸に向首した時「右後へ」と号令すると、艇首が右(時計回りに)回頭します。(カッターの場合は、操艇法の習熟訓練に利用します。)
 
(4)係留法
(1)係留索の名称
 大型船で用いられる係留索とそれぞれの名称は図の通りです。カッターのような小舟艇では、船首もやい(Head Line)と後部もやい(Stern Line)という2本だけの場合が一般的です。しかし、長期間にわたって係留する場合や荒天時には、スプリング(Spring)やブレストライン(Breast Line)も必要となります。特にうねりなどが入る岸壁では、沖側に錨を入れて接舷による損傷を防ぐ方策が必要です。
 
 
 
(2)係留に当たって留意すべきこと
 ア 風上に向って接岸する場合は、船首もやいを先にとり、追風や追潮に乗って接岸するなど行き脚が大きな時は、船尾もやいを先にとり徐々に行き脚を押さえながら接舷させます。
 イ 係留が長時間におよぶ場合や干満の差(潮差)が大きなところでは、係留索の長さや張り具合に留意するとともに、当直者や見張り員を配置し、艇体の保守に努めなければなりません。
(5)カッターの維持・管理
(1)カッターの管理及び保全
ア 団長は、配属されたカッターの管理及び保全について責任を負い、関連諸規程を厳守する義務を有する。
イ 団長は、カッターの管理担当者を定めておき、管理担当者は、カッターの艇体及び属具について台帳に記載し、常にその保管状態を把握しておく。
ウ カッターの艇体及び属具の管理・保全上の留意事項
  (a) 艇体は毎年1回塗装を施し、台風又は冬季など保全上必要と認めるときは、陸上に揚げ、覆いをかけるなど適切な措置を講じること。
  (b) 艇体の損傷、属具の破損亡夫等の場合は、直ちに修理又は補充し、その後の使用に支障がないようにすること。
  (c) けい留は、結索法に基づき、潮の干満を考慮して確実にすること。
  (d) 艇内は、常に清潔にし、雨水や汚水を溜めておかないこと。
  (e) 属具は、必ず所定に収納整頓し、索具、帆等の濡れたものは、乾かした後に収めること。
  (f) 防舷物の索及びもやい索等で切断の恐れあると認めたときは、直ちに丈夫なものと取替えること。
  (g) 帆走の前後には、索具、滑車等を点検し、完備の状態にしておくこと。
エ 団長は、毎年3月末日までに配属されたカッターの現状報告を会長に提出する。
オ 団長は、配属カッターが沈没、破損等の事故により使用不能となったときは、直ちにその事実を会長に報告する。
(2)塗装
ア 塗装の目的
 塗装は、塗料の機能に応じて次の目的のために行う。腐食・侵食を防ぐ。美観。生物の付着を防ぐ。断熱・絶縁の効果がある。
イ 留意すべきこと
(a)目的に応じた塗料を選ぶこと。
(b)塗装前に下地の発錆や損傷を手入れしてから、下塗、中塗、上塗りと塗装工程に従い塗装すること。
(c)塗料はよく撹拌し、同質になってから塗装すること。
(d)濃淡が出ないように均一に塗装すること。
(e)塗膜が乾くまで充分乾燥させること。
(f)引火し易いので、火気に十分注意すること。
 
(6)海の障害物
(1)操艇の障害物も学習の素材
 カッター操艇訓練を行う際にの障害となるものは、暗礁、流木、沈船、定置網などが考えられます。これらの障害物は、操艇する時には障害となっても、一つ一つが海を知るための素材として学習の対象となるものです。
(2)暗礁
 海底の形状も陸上と同じく、山もあれば谷もあり、また洞窟もあります。山の頂上が水面には現れなくても、カッターがその頂上に当たると艇体が破損するほどに危険なところも多いのです。このような山の頂上を暗礁と呼んでいます。暗礁付近は潮の流れが複雑で、うねりや波浪で波立つことも多いのですが、暗礁付近には根付の魚類も多く、良い釣場でもあります。
(3)定置網
 陸の海面に突き出たようなところから、垣網が沖合に伸び、その先に身網があります。オタマを海に置いたような型をしていますが、これが定置網です。海面上の浮きから海底の方へ網が張られ沈子で海底に固定されています。遊泳して来た魚が、垣網にそってのぼり、身網の中に入るのを待って網をおこす漁法です。
 定置網の周囲には保護区域が設けられています。魚の通る道を妨害したり、網に近よって魚を離散させるようなことをしてはいけません。
(4)流木
 海には木の根っ子や廃材、あるいは積み荷の木材などが流れていることがあります。モーターボートがこれらに当たると、艇体に穴があいたり、スクリューやシャフトが折れ曲って、航行できなくなるかもしれません。当たり具合によっては、カッターの艇体でも損傷することがあります。操艇訓練中にこのような流木を発見したら、日時や場所、流木の大きさや数量等を最寄りの海上保安部(電話番号『118』)に知らせることが必要です。
(5)沈船
 沈んだ船のマストや煙突が、水面近くにある場合があります。港内では古い杭が水面下に隠れていることもあります。注意が必要です。
(6)海草
 岸辺に近い岩場付近の水域を訓練エリアとするカッターは、ほんだわらやこんぶなどの海草にオールをとられないようにすること。オールに海草や大きなビニールがからまると、漕ぐことは勿論操艇が思い通りにならず、潮流や風圧で岸に寄せられることがあります。
 
(7)艇指揮心得
(1)カッター操艇訓練は、艇指揮が同乗して行う。
(2)艇指揮は、カッター操艇訓練の責任者として、常に適切な情況判断のもと、的確な号令を下さなければならない。
(3)艇指揮は、カッター操艇訓練にあたっては、次の事項を厳守しなければならない。
ア 気象、海象を十分見定め、無理な訓練は避けること。
イ 定員数以上に乗艇させないこと。
ウ 操法および海事法令を遵守し、危険防止と艇の保全につとめること。
エ 帆走は特に注意を必要とするので、必ず経験のある指導者の同乗のもとに行い、しかも安全な海域を越えたり、実力以上の行動をとるが如きことのないようにすること。
オ 乗艇時は、救命胴衣を装着すること。
 
(8)艇長心得
(1)艇長は艇指揮の命に従い、艇の行動を掌る。
(2)艇長は常に毅然とした態度で号令し、判断を誤らず適切な時機に適切な号令を令し、艇員が号令一下それに即応する動作のできるようにしなければならない。
(3)艇員の状態を把握し、軽快なリズムに整え持続させることに努め、疲労を思慮し適宜「かい揚げ」、「かい組め−休め−」、「番かえ」などを令し、艇員の疲労が偏らないように努める。
(4)舵取りは、艇員の労力を無駄にしないよう小角度の舵角とし、目的地に向け最短距離となるように航進させる。
(5)横からの波浪に対しては、艇員が漕ぎ易いように船首を波に立てる。
(6)船舶交通の輻輳する狭水道や見通しの悪い水路の曲り角などでは、見張りを特に厳重にし、他船を認めたらいち早く衝突のおそれが生じないように操艇し、海上交通法規が適用される状況に陥らないように努める。
(7)艇内は常に清潔にし、汚水−ビルジ−を貯めない。
(8)退艇に際しては、定められた順序で行うよう監督し、腰を低くさせ、艇を傾けさせない。







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更新日: 2019年5月18日

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