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II 都市と農村を結ぶNPOの役割
 従来は、農山村地域において地域住民が国土保全活動を行っていたが、最近は都市部にあって、都市の住民を送り出す役割をNPOが担うという傾向が増えている。
 そのようなNPOは、都市住民に国土保全の重要性を理解してもらうために、都市住民を農山村へ派遣するための募集、研修、派遣した人材のフォローアップなどと通じて、都市住民と農山村とを結ぶパイプ役を担っている。
 また、今後の活動も注目されている。
 
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 代表事例を挙げてみると以下のようなものになる。
 
法人名: 特定非営利法人 JUON NETWORK
事務所: 東京都杉並区
活動場所: 埼玉県神泉村、富山県利賀村、新潟県畑野町、徳島県三好郡等
活動内容: 廃校を活用したセミナーハウス、間伐材を活用した大学寮の建設などを通じた大学の生協活動をきっかけとして、都市と農山漁村を結ぶ自然と文化のネットワークづくりや森林保全育成のためのボランティア活動を実施している。 他の主な活動 ・主に大学生を対象とした森林、放棄田や里山の手入れ等を行う「森林の楽校(もりのがっこう)」では、地元住民との交流を通じて、森林・環境問題・農山村文化を学習。 ・廃校を活用したセミナーハウスの運営。
 
法人名: 特定非営利法人 地球緑化センター
事務所: 東京都中央区
活動場所: 秋田県峰浜村、群馬県上野村、岐阜県河合村、徳島県上勝町等
活動内容: 世界各地の人々と地球緑化に関わる文化交流の実践等地球緑化活動を行っている。特に、主として成人した若者を対象とした農山村に1年間派遣して農林業を体験する「緑のふるさと協力隊」においては、参加者の4割が定住するという大きな効果がある。 他の主な活動 ・一般市民を対象とした「市民講座」の開催及び相談助言活動による緑化に対する意識の啓発。 ・若者から年輩者までの広い世代を対象に「山と緑の協力隊」として、農林業をきっかけとした地元住民との交流を図るための週末森林ボランティア活動を実施。
 
法人名: 特定非営利法人 ねおす
事務所: 北海道札幌市
活動場所: 北海道登別市、黒松内町、東川町、弟子屈町、三重県宮川村等
活動内容: 当法人は、任意団体として、自然体験活動をするエコツアー、ネイチャーツアーを行っていたが、国、地方公共団体との協働活動を通じて、公共的な活動を担う団体としてNPO法人格を取得した。地方と都市との「交流」による地域の「人材育成」をはかることにより地域の接続的な発展に寄与することを目的として事業を展開している。「交流」のみならず、職員等が地域に住み、地域に浸透しながら事業を実施していることに特徴がある。 他の主な活動 ・「黒松内ぶなの森自然学校」では、黒松内町と都市の人々の交流を進めるため、環境、自然体験学習プログラム事業、人材の育成事業、地域交流促進事業の3つを柱に地域ポテンシャル(自然、産業、地域住民)を活かしたエコツアー、子ども達を対象とした自然体験活動、人材育成などを推進。
 
法人名: 特定非営利法人 ホールアース研究所
事務所: 静岡県富士郡芝川町
活動場所: 東京都八丈町、静岡県芝川町、沖縄県等
活動内容: 当法人は、営利企業としてスタートしたが、自然体験型環境教育という公共的な活動を行うために、NPO法人格を取得した。都会の子供を対象にした自然学校は国内最大手である。また、当法人は、農山村に事務所を置いているため、自然学校の募集活動は旅行会社のTBに委託をしている。 他の主な活動 ・自然学校において、全国の修学旅行生を対象に、自然体験プログラムの実施及び自然との共生を図るための指導者を育成。 ・自然環境保全に関する調査・研究、農林業を通じた地域振興への支援。







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