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中山間地域等直接支払制度についての評価は、来年度に予定されている。
 
小田切委員:中間評価ということで、昨年既に出しているのですが、本格的な評価は多分来年度になろうかと思います。隔年評価することが決まっておりますので、その評価が来年度行われる予定であります。
 ただ、ほかの事業と違って、この事業は「食料農業農村基本法」の中にはっきりと書き込まれている。35条第2項の中で、直接支払制度以外の読み込みができないような形で明文化されているということがあって、継続自体は間違いないのだろうと思いますけれど、ただ、それをどういうふうな仕組みでやるのか、集落重点主義をそのまま継続するのか、そういうことが具体的な論点になってくるのだろうと思います。
 
商店、JAの撤退は、集落、特に、限界集落の住民にとっては死活問題である。
 
森委員長:国土保全に直接関係する奥地集落のあり方の中で、提起された問題で私が思ったのは、小売業です。日常品を買うようなお店屋がなくなる。案外、経産関係の行政の中などでは全く相手にしていないのではないかと思うような、たばこを買ったり、歯ブラシを買ったりするような、そういった店がなくなるということは生活の利便性に大変大きな影響を持ってくる。まして高齢者が多いところでは、そういうお店屋の果たす役割というのはかなり大きいのですね。余りそういう分析をやられていないのではないかなという気がします。
 
池田委員:そのとおりでして、今も農協合併のお話が出ましたけれど、農協が購買部を持っているのですが、そこですら買わなくなったのですね。今はまだいいのです。道路がよくなりましたから、周辺の都市へ買い物に出かけるのですが、年寄りは出られませんから、何らかの形でその地域に商店がないと大変なことになるのではないかという感じがしますね。
 
吉中委員:小国町の面積は、700ちょっとで、島根県六日市町で議論されている合併というのは、4町村でトータルしても600幾らの面積なのです。600何平方キロです。それよりはるかに広い面積を、小国町が有しているということで、これが合併したら本当に、前に山を越えて隣の集落を案内していただきましたが、ワラビ園などいろいろ。本当にすごい距離だったので、そういうものを一つにまとめるといったら、目が全然行き届かないし、大変だろうなということを思ったのと、先ほどJAの話がありましたけれども、六日市町では、やはり昭和28年と31年に編入合併ということで、48年経過していますが、今、JAの本所が益田市にあるのですけれど、六日市町には旧村単位に四つあったわけですが、今は一つしかないのです。役場の所在地である六日市にだけかろうじて支所が残っているけれども、ほとんど支所機能としての位置づけがなく、農業関係の営農指導などというのはほとんどないです。
 今の購買の話でも、六日市の町にある購買は、まだスーパーもやっていますし、それなりに農機具の修理などもやるのですけれども、支所はもうないのです。だから、支所がかろうじてあったときも、肥料ももらえない。当然、今は支所がないですから、お年よりは、年金は農協に対するものすごい不満があって、昔は農協というのは農家の本当に身内みたいな思いがあったと思うのですけれど、今は、黒い鞄と黒いスーツを着ていれば信用金庫と変わらないという話をしたと思うのですけれども、そういったことで愛着がないのです。
 
小田切委員:先ほどから議論になっております日常品の購買についての話ですが、事例的に申し上げれば、例えば京都府の大宮町とか鳥取県の智頭町などでは、農協の支所が撤退した後、その建物を使って、集落が実は購買部を運営しているような事例も出始めております。もちろんそれを運営するのは大変なことだろうというふうに思うのですが、地域のお年寄りのことを考えると、それをやらざるを得ないということで、こういうところに例えば総務省のわがまちづくり事業などが入っていけば、おもしろい展開になるのかなというふうに思っております。
 
池田委員:先ほど農協の合併の話が出て、ほとんど営農指導をしていないというのは、確かにそのとおりで、農協は今、全国の単協の数を最終的には400ぐらいに持っていこうとしているのです。それは、いずれ日本の市町村の数にほぼ似てきているのですね。基本的には農協というのは経済団体ですから、売り上げが、落ちてくると、どうしても合併して効率化せざるを得なくなってきているのだと思うのです。だから、本当に指導などはやっていないのですね。ただ、その合併の姿を見て、みんなサービスが落ちたという話になるから、市町村合併もやりにくいのだと思いますけれども、私は、今から3年ぐらい前から、農協の大合併はいずれ市町村の大合併に通じるというのが持論だったのです。ものすごい勢いで農協は合併したのです。要するに経済団体だからです。市町村も一種の経営体ですから、そういう意味では合併せざるを得なくなってくるのだろうと思いますけれども、その弊害は余りにも大きいと思います。







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