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◆スタッフに訊く・・・1
中田 滋幸さん
●50歳 男性 正規スタッフ 勤続年数15年
●施設と関わるようになった理由
 心理職として市の職員となり、市のいろいろな施設をまわり、愛育園へ来て15年ほど経ちました。
●施設について
 病院でも、学校でも、養護施設でもなく、いろいろなことを子ども達に対してやってあげられる施設だと思います。専門職である心理職を活かせる場所でもあります。
●在籍生の変化に気づくとき
 これは以前の子ども達との変化ということですが、最近の子どもは言葉でのカウンセリングがしづらくなっています。発達レベルを1ランク下げて付き合わなくてはならなくなりました。
●在籍生との関わりで注意している点
 年齢で判断するとミスがでるので、子どもの本質を見抜くよう心がけています。また、こちらの枠に合わせて子どもを見ると、子どもの世界が見えなくなるので、子どもの枠に合わせて物事を考えていくように気をつけています。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 子どもに何かが出来そうな雰囲気が出てきて、先に光が見えてきたときはうれしいです。
●辛いと感じるとき
 どうしてもうまくいかない場合がたまにあり、その時は本当に辛いです。また、これは体制的なことで宿命とは思っているのですが、市の職員として辞令一枚で他の職場、他の職種へ異動することもあり、これは辛い部分ではあります。
●施設での自分のポジション(役割)
 職種としては心理療法士として若い人達に教える立場です。他に地域サービスの主任として、この施設と地域や外部との橋渡し役であり、調整役と考えています。年齢的にも全体を見て取りまとめる役目でもあると思っています。
●施設の今後について
 ここでしか出来ないこと、即ち、対人関係をメインにすえて治療をしてゆくという目標をきっちりと定めて、それに向かって進んでゆきたいと思っています。
●その他
 スタッフの数のことですが、国の最低基準を見直して欲しいと思います。今の子どもにはもっと人数が必要だと感じています。
 
◆スタッフに訊く・・・2
村田 洋さん
●35歳 男性 正規スタッフ 勤続年数3年
 
●施設と関わるようになった理由
 社会福祉事業団の職員として採用され(10年前)、事業団内の施設をいろいろ経験し、愛育園に来て3年になります。
●施設について
 寄宿生を可能な限り週末帰宅させるのがこの園の特徴だと思います。
●在籍生の変化に気づくとき
 問題が起きたとき、自分で乗り越える力がついたとき、この園の流れにのって日常生活を送ることができるようになったときです。
●在籍生との関わりで注意している点
 怒り方、注意の仕方、伝え方が感情的にならないようにしています。また、子どものぺースに巻き込まれず、うまく関わっていきたいです。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 成長したなと感じたときや、1日に1つでも褒められることが出来るようになったときは嬉しいです。
●辛いと感じるとき
 子どもの感情の爆発をうまく受け止められないとき。
●施設での自分のポジション(役割)
 この園は、心理、生活、地域の3部門があるのですが、その生活部門の世話役(チェアマン)としてこの一年がんばっていきたいと思っています。担当の子どもだけではなく、園全体の子どもの様子を見守っていきたいです。
●施設の今後について
1. 週末帰宅についてのメリット、デメリットをしっかり討議したい。
2. 定員いっぱいの子ども(現在定員50名、在籍41名)をあずかるためには、新たなプログラムを考える必要がある。
●代表・その他のスタッフについて
 いろいろ勉強させていただいています。
 
◆スタッフに訊く・・・3
山春 美佳さん
●29歳 女性 正規スタッフ 勤続年数4年
 
●施設と関わるようになった理由
 大学で心理学を学び、社会福祉事業団に心理職として採用され、こちらに配属になりました。地域サービス部門で電話の相談も受けています。
●施設について
 いろいろな職種のスタッフがいて、いろいろな角度から子どものケアが出来る場所だと思います。
●在籍生の変化に気づくとき
 日々接していると分かりませんが、区切りのときなどに以前との違いを感じたりします。
●在籍生との関わりで注意している点
 基本としては人として誠実な姿勢で接すること。心理職としては子ども達の言葉や行動で表される表面上のことではなく、本当の心は何なのかを考えて接していこうと思っています。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 カウンセリングをしていて、子どもが自分自身の良いところを見つけられたりしたときに横にいられるとうれしいです。また、夜勤なんかで一緒に楽しいときを過ごせたりしたときもうれしいですね。
●辛いと感じるとき
 自分の無力さを感じる場面に出くわしたときです。
●施設での自分のポジション(役割)
 まずはカウンセラーとしての立場。もう1つは生活スタッフと同じように生活場面に入っていくこともあります。また、職員間で話し合ったりするとき、経験が重なってきている分、自分の意見を言うことが多くなってきました。
●施設の今後について
 利用者側の幅が広くなってきているので、それに対応してゆく必要があると思います。
●代表・その他のスタッフについて
 スタッフがスタッフを支えるというところがあり、心強いです。
 
▼団体詳細
団体名称●広島市児童療育指導センター 愛育園(アイイクエン)
代表者名●西田 篤(ニシダ アツシ)
所在地●〒732−0052 広島県広島市東区光町2−15−55(ヒガシクヒカリマチ)
電話番号●082−263−0683 FAX●082−261−0545
URL●無し E−MAIL●無し
設立年度●1970年 在籍生平均在籍年数●2年弱
入寮生数●男・・・22人 女・・・9人(平均年齢・・・13歳) 入寮定員●男・・・―人 女・・・―人
通所生数●男・・・10人 女・・・3人(平均年齢・・・14歳) 通所定員●男・・・―人 女・・・―人
年齢制限●有り(10歳〜18歳) 性別制限●無し 相談業務●有り(無料)
家庭訪問●有り(無料) 親の会●有り(44人) 会報発行●有り(年6回)
特記事項●寄宿の定員は合計35名、通所生は合計15名となっている。/入園児はほとんどが広島県内の児童で、まれに近県からも入園がある。/併設診療所における相談は有料である。
スタッフ状況●日中・・・全スタッフが対応する。4名は夜勤(入り2名、明け2名)。ボランティアは年間延べ127名[夜間]2名(男女各1名)が宿直。
スタッフ●正規・・・男12人・女15人/ボランティア・・・男1人・女15人/その他・・・男―人・女―人
 
▼通所費・入寮費
通所費・入寮費は児童相談所が保護者の所得により決定する。
 
▼生活
日課スケジュール●[午前]6:30・・・起床、着替え、洗面、居室清掃/7:00・・・朝食、園内清掃活動/8:50・・・自習、分級授業(寄宿生)/10:00・・・通園生登園、適応指導教室利用/10:30・・・読書(月)、学習(火・水)、図書館(木)スポーツ(金)/11:45・・・後片付け・清掃[午後]12:00・・・昼食/1:30・・・ふれあいタイム(月)、レクリエーション(火)、グループ活動(水・木)、キッチンシアター、美化活動、畑作業など(金)/3:30・・・おやつ、自由時間/5:00・・・夜勤の先生と過ごす、通園生帰宅/5:15・・・洗濯物受け取り/5:30・・・夕食、自由時間/8:50・・・はみがき、就寝準備/9:00・・・小学生就寝/10:00・・・中学生以上就寝。
※登校、施設内分級参加、適応指導教室通級の困難な子は園独自のプログラムに参加します。
週末・休日●週末は原則として治療の観点より週末帰宅制度を推奨しています(土15:00〜月7:30)。祝日等はレクリエーションや園外活動を実施しています。
食事●三食とも委託業者による給食を食べます。年に1回、園児に対する嗜好調査(アンケート)を行い、それを給食会議で話し合い、食事内容の改善に努めています。
清掃●委託業者が行いますが、一部個人の居室および共同場所の清掃は一週間の生活プログラムに組み込んで実施しています。
年間スケジュール●1月・・・ボーリング大会/2月・・・豆まき・手巻きパーティー/3月・・・ひな祭り茶会/4月・・・花見/5月・・・春の遠足/7月・・・七夕茶会/8月・・・夏祭り/9月・・・社会見学/10月・・・デイキャンプ/11月・・・文化祭・市民マラソン大会参加/12月・・・餅つき。







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