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(4)今後の課題と方向性
(1)今後の課題
 本プログラムは半年間という長期間であったため、非常に量的にも質的にも内容の多いものであった。交通行動のレビュー(診断カルテ)とプランニング(交通プラン)は必要不可欠なアプローチではあるものの、関係者への負担が多く見受けられた部分があったことは否定できない。
 本年度のプログラムを通じて提起された問題点・課題点について整理すると次のとおりである。
 
イ. 教材
 本プログラムでは、教材として、副読本と事務局が作成したプリントを用いた。なお、ワーキング内での提案によりワークシートを作成した。
 副読本は、環境問題の現状と原因を知るために、主としてStep−1で用いた。内容は児童から保護者まで幅広く対応するための内容であり、その方針には問題はないと考えられる。
 しかし、小学5年生に対応した漢字の利用ではないなど、細かい点での配慮が必要である。また、副読本の利用方法について、授業内で児童に考える力を養うことを目的としている時に、副読本がその障害となることもあった。
 ワークシートは、無機質なゆえに児童の反応は良くなかった。小学校で採用している漢字ドリルや算数ドリルなどを参考に再考しなければならない。また、1回または1コマの授業で1枚を仕上げることができるように工夫することも必要である。
 
ロ. 授業内容と構成
 授業内容および構成に関する問題点と課題を整理すると以下のとおりである。
 
(a)作業量の軽減
・同一作業の繰り返しは、児童に飽きられる。
・計算量が多く、時間を多く費やす結果となった。
(b)保護者への負担軽減
・本プログラムは学校と保護者など地域コミュニティとの協働体制が重要であり、保護者への協力依頼は欠かせないものであるが、プログラムを進める上で、保護者への負担量が大きい面があったと思われる。
 
(2)今後の方向性
 
イ. プログラムの位置づけの確認
 本プログラムのねらいは、地球環境の問題は身近なものであり、なかでも日常の交通を考えることをとおして子どもたちが成長することを期待している。
(拡大画面:82KB)
図III−1−5 本プログラムの位置づけ(確認)
 
ロ. 今後の方向性
 本年度のプログラムの実践によって、期待した学習内容に対する成果は概ね達成されたものと考えられる。しかし、進め方や教材などについては工夫する必要があることもわかった。
 今後は、本年度の成果を踏まえて、次のような方向で取り組むことが考えられる。
(a)プログラムの継承と定着
→まず、緑ヶ丘小学校の教師の方々にご協力いただいて、教材、ワークシート、授業の進め方の再検討、吟味によってブラッシュアップし、定着に向けた取り組み課題を検討する。
・H14に取り組んで頂いた教師の方々のストックの継承
・学校での取り組みシステムの定着
(b)教材、ワークシート、進め方の改良
・一般的な教育プログラムへの移行、概成
 チューターなし/ショートプログラムの作成
 5年生迄の習得カリキュラムとの整合
 関連テーマ、フィールド学習との連携
 支援ソフトウエアの開発
・保護者説明会+αの協力獲得方法







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