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第2章 グリーン経営の進め方
 グリーン経営を進めるためには、「自らの環境保全活動の取組状況の把握」→「(評価結果に基づく)今後の改善へ向けた取組の検討」→「取組の推進」→「取組状況の把握と見直し」というサイクルによって、様々な環境保全活動の継続的な向上を目指すことが必要です。
 このマニュアルでは、個人タクシー事業者の実態に合い、かつ、容易に環境保全活動が行えるよう、環境保全への具体的な取組を「グリーン経営推進チェックリスト」(以下、チェックリスト)で把握・評価し、それをもとにグリーン経営を進めることができるような仕組みを示しています。
 
「グリーン経営推進チェックリスト」を活用したグリーン経営の推進フロー
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■「グリーン経営推進チェックリスト」の使い方
 チェックリストは、左に「チェック項目」、右に「改善取組項目」、下に「まとめ」という構成になっています。
 
(1)左の「チェック項目」の欄に直接チェックをつける
 「チェック項目」には、個人タクシー事業者のみなさんにぜひとも取り組んでいただきたい環境保全活動を示しています。自らが実施している取組にチェック()をつけます。
 
(2)右の「改善取組項目」の欄を記入する
 チェックが終わりましたら、チェック結果をもとに、今後取組をどのように改善していくかについて、「何を」「いつまでに」「どうやって実現するか」を検討し、右の「改善取組項目」の欄に記入します。
 
(3)下の「まとめ」の欄を記入する
 最後に、チェック結果以外の取組も含めて、今後の環境負荷低減への取組についての自己宣言(私は・・・する)を下の「まとめ」の欄に記入します。まとめには以下のような内容をご記入ください。
○今後の環境負荷低減への取組について最も重要視すること
○具体的な取組方針
○チェック項目以外での取組内容
 
 チェックリストには、グリーン経営を進めるうえでの重要な取組をあげています。
 バスや法人ハイヤー・タクシーといった法人向けのチェックリストでは、取組の内容に応じてレベル設定(レベル1〜レベル3)を行っていますが、この個人タクシー事業者向けのチェックリストではレベル設定を行っていません。したがって、チェック項目における取組内容のレベルは様々です。
 また、取組内容でも、すぐに実施できること、状況が整わないと実施できないことなどがあります。例えば、「次の点に注意してエコドライブを実施している」については心がけ次第ですぐに実行に移せますが、低公害車やアイドリングストップ装置の導入については、車種の選定や予算の確保について十分な検討が必要です。
 次にいつチェックリストの記入を行うかを決めた上で(半年後など)、それまでの間にそれぞれの取組に関してどのように実現していくのかについて、「何を」「いつまでに(×月までに)」「どうやって」実現するかを明確にします。
 
 チェックリストのそれぞれの欄をすべて記入することにより、「グリーン経営推進チェックリストを活用したグリーン経営の推進フロー」(3頁)の「1.自らの環境保全活動の取組状況の把握」および「2.今後の改善へ向けた取組の検討」を実施することになります。
 この後は、「改善取組項目」に記入した改善取組の内容に従って、具体的な取組を実施します(「3.取組の推進」)。自ら期間を決め、再びチェックリストの記入を行い、フローの最初に戻ります。
 このようにして、「自らの環境保全活動の取組状況の把握」→「(評価結果に基づく)今後の改善へ向けた取組の検討」→「取組の推進」→「取組状況の把握と見直し」というサイクルをまわしていきます。
 
「グリーン経営推進チェックリスト」における評価項目の体系
 個人タクシー事業者のみなさんがグリーン経営を進めるために取り組むべき活動には様々なものがあります。このチェックリストでは、すべての事業者にぜひとも取り組んでいただきたい項目として次の6項目を取り上げました。
 「1.環境保全のための仕組みの整備」の項目は、まず、環境保全活動に取り組むことを自ら表明し、環境に関わる事項についての情報を収集・習得することが必要であるとの観点から取り上げました。
 「2.エコドライブの実施」と「4.自動車の点検・整備」は、今、運輸業界に期待されているCO2や自動車排出ガスの削減対策を進めるうえで効果的であり、かつ、不可欠な取組です。また、経営と環境対策の両立を図るという観点からも重要な取組です。
 「3.低公害車の導入」は、CO2や大気汚染物質の排出削減などについて、大きな環境改善効果が得られます。国土交通省、環境省、経済産業省が定めた「低公害車開発普及アクションプラン」の趣旨を踏まえ、運輸業界でも率先して取り組むことが必要な項目として取り上げました。
 「5.廃棄物の適正処理およびリサイクルの推進」は、車両の使用に伴う環境保全対策だけでなく、廃車等に際しての二次公害の防止も運輸業にとって重要な取組として取り上げたものです。
 無線配車の導入による「6.空車走行距離の削減」は、乗客の要望に迅速に対応し、かつ環境負荷の低減につながる取組であり、経営と環境対策の両立を図るという観点からも重要な取組として取り上げています。
 
評価項目
大項目 小項目(具体的取組内容)
1. 環境保全のための仕組みの整備 環境保全への取組についての意思表明と利用者への周知
環境関連情報の収集・習得
2. エコドライブの実施 燃費に関する定量的な目標の設定
エコドライブ関連情報の収集・習得およびエコドライブの実施
推進手段等の整備
3. 低公害車の導入 低公害車等の導入
4. 自動車の点検・整備 環境に配慮した点検・整備の実施
車両の状態に基づく適切な点検・整備
5. 廃棄物の適正処理およびリサイクルの推進 廃棄物の適正な管理
6. 空車走行距離の削減 空車走行距離の削減







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