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(2)推進体制
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解説
 環境保全への取組を全社的に展開するには、会社の方針を決定し、伝達し、評価、見直しを行う体制が必要です。そのためには、責任者や環境保全のための組織を整え、責任や権限の所在を明らかにします。企業の規模によっては責任者を補佐し、従業員の取組をリードする組織が必要な場合もあります。
 環境保全への取組を全社的に進めるためには、誰がどのような役割を担い、どのような責任や権限を持っているかを従業員に明確に示していくことが必要です。
 周知する手段としては、資料や社内報の掲示や配布等様々な工夫が考えられます。
 
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解説
 環境保全への取組の成果が上がらない場合やより一層向上させたい場合には、取組を様々な観点から見直す必要があります。推進体制についても、組織が適切か、複雑すぎないか等について、取組結果を踏まえながら見直し、それぞれの企業の実態に合った推進体制を整えていくことが望まれます。
 
関連資料
a. 推進体制の具体例
 推進体制に関する事例としては、次のようなものがあります。委員会などの組織の呼称は企業独自に様々なものがありますが、企業の規模や取組のレベルに応じた体制作りが行われています。
 
○事例1
・経営責任者による推進事例
責任者(社長):総体的計画・指導を行う
担当者:責任者の指示を受けて、運行管理責任者や整備管理者等が、従業員の指導、意識向上、取組実績の把握、営業会議での指導等に取り組む。
 
 
○事例2
・経営責任者の下に委員会等の組織を置いて、環境保全活動全般の取組を行う事例
環境管理推進委員会:環境整備を目指した調査・提言、車両運行に関わる重要事項の決定を担う。
営業所別の分科会:各事業所でエコドライブ環境保全対策の推進管理など具体的な活動を進める。
 
 
○事例3
・環境管理責任者のもとに、特定の環境保全活動について委員会を組織する事例
省エネ運転運動推進委員会
正副委員長:役員
営業所推進委員
営業所推進担当者:委員会とドライバーとのパイプ役として、各種事項の伝達、実績データの集計管理、報告を行う。
 
 
○事例4
・社長の下に環境対策委員会を置き、特定の環境保全活動については分科会を設けて検討・推進し、本社各部署・各営業所においても具体的な活動に取り組む事例
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担当別役割分担表
担当者 役割
社長 環境方針の策定、見直し
環境対策委員会 委員 取組目標の設定
社内推進体制の構築
取り組み結果の評価と表彰
事務局 推進委員会の運営
環境保全活動分科会 省エネ分科会 エネルギーの節約による環境改善の検討・推進
省資源・リサイクル分科会 企業活動における省資源・リサイクルおよび、従業員の意識改革による環境改善の検討・推進
廃棄物管理・削減分科会 廃棄物(廃車等)処理や削減による環境改善の検討・推進
本社各部署各営業所 環境責任者 取組結果の把握
推進担当者 具体的取組の推進
 
(3)従業員に対する環境教育
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解説
 環境への取組を行っていくには、一人ひとりの従業員が環境問題に対する関心や環境に関する知識を持つことが重要です。したがって、取組の前提ともなる環境保全の重要性や環境に関わる法規制、行政指導の内容等について、ドライバーも含めた従業員のみなさんへ日頃から伝達しておくことが必要です。
 従業員へ伝達する内容としては、車両の走行に伴う環境への影響、運転に伴う排出ガスやCO2の削減の必要性、環境・安全に関する法規や行政指導の内容として大気汚染防止法や自動車NOx・PM法、騒音規制法、道路運送車両法の環境保全に関連する事項等があります。最低限、この程度は従業員の皆さんが知っておく必要があります。
 
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解説
 従業員の環境意識を向上させるには、法規制や行政指導の内容に加えて、グリーン経営の必要性、自社の環境方針の内容や方針を実現していくための具体的な取組、地球環境問題等の重要な環境問題に関する一般的な情報等についても、定期的に周知する努力が必要です。
 環境教育として情報を定期的に伝達する取組には、次のようなものが考えられます。
 
・定例講習会、業務研修会、事故防止懇談会等
・日常点検の立会い、定期点検計画打合せ、その他の随時個別指導
・資料の社内掲示や回覧、配布等
 
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解説
 従業員の環境意識のさらなる向上を図るためには、従業員に対して一方的に情報を提供し、教育するばかりでなく、従業員が自ら考えたり、取組へ積極的に参加していくことが重要です。そのために、従業員から標語や提言等を募集するなどの形で、従業員の声を反映させる仕組みが望まれます。
 
関連資料
a. 環境に関わる法律の一例
 従業員に伝えておきたい環境に関わる法律の主なものとして次のようなものが挙げられます。また、法律以外にも、業界による行動規範や規制以外の指針等も重要となります。
 
  法律名(通称)
1. 環境一般に関する法律 ・環境基本法
2. 地球環境に関する法律 ・地球温暖化対策の推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)
・特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)
・エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
3. 大気汚染・悪臭に関する法律 ・大気汚染防止法
・自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(改正自動車NOx・PM法)
・スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律(スパイクタイヤ使用禁止法)
4. 騒音・振動に関する法律 ・騒音規制法
・振動規制法
5. 廃棄物・リサイクルに関する法律 ・循環型社会形成推進基本法
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)
・資源の有効な利用の促進に関する法律(改正リサイクル法)
・使用済み自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)







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