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(7) 移送サービスの利用件数
 
 移送サービスの1日の平均利用件数は、2件未満/日で33.7%、2〜4件未満/日で15.1%、両者を合わせた4件未満で約5割を占める。
 
表2-29 移送サービスの1日の平均利用件数
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■利用件数の多い自治体(上位20位) ( )内は1日の平均利用者数
鹿沼市(158)、福生市(122)、横須賀市(120)、吹田市(80)、泉大津市(60.2)、鴻巣市(53)、日高町(50)、武蔵村山市(48)、羽村市(46)、松原市(45)、高浜市(43)、白石市(40)、新居浜市(34)、新居浜市(32)、竹原市(31)、相模原市(29)、加賀市(25)、港区(22)、可児市(20)、北区(20)、河原町(20)、白石市(20)
 
(8)移送サービス運行方法の工夫
 
 運行方法の工夫は、「ドア・ツー・ドア」と回答した自治体が65.7%と最も多い。
 工夫の内容で多かったのは「定時定路線運行(17.8%)」、「相乗りによる効率化(17.4%)」である。
 「固定路線型で必要に応じて自宅も経由」は4.3%導入されている。
 
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人口
10万人以上(62) 3〜10万人未満(125) 1万人未満(43)
67.7% 65.6% 62.8%
17.7% 17.6% 18.6%
16.1% 17.6% 18.6%
1.6% 4.8% 7.0%
11.3% 10.4% 4.7%
 
図2-14 移送サービスの運営方法の工夫(複数回答)
その他の内訳. ・介護スタッフ同行サービス 等
 
表2−30−1 
「固定路線型で必要に応じて自宅も経由」を実施中の事例−1
  事業名 実施の背景、経緯(課題と工夫している点)
塩尻市 障害者に優しいまちづくり事業  
中間市 移送サービス事業 市民の請願による。
(福祉タクシー券交付(年36枚、腎障害者72枚))
西春町 にしはるくるくるタクシー ハンデのある方から自立の方までに利用してもらうため、各種制度を有機的に連携させ提供していく「西春アクセスネット事業」(福祉タクシー料金等補助+外出支援事業+介護タクシー)として議会に提案、理解を得て、平成13年度に事業を開始した。
塩竈市 塩竈市リフト付バス運行事業 在宅障害者で,公共交通機関を利用できない重度の肢体不自由者の移動を支援し、社会参加を促進するため。(リフト付きタクシーが民間タクシー会社で運行しているので、料金の有無などから今後継続すべき事業か検討の必要がある)
笠岡市 リフト付きバス使用貸借事業 関係団体の要望により事業化した。(補助事業)
松山町 外出支援サービス  
筑後市 筑後市重度移動困難者外出支援サービス事業 H12の介護保険開始にともない、介護予防・生活支援事業の中に移送サービスがあったため。
米子市 米子市リフトバス運行事業  
 
表2−30−2 
「固定路線型で必要に応じて自宅も経由」を実施中の事例−2
  事業名 実施の背景、経緯(課題と工夫している点)
薩摩町 生活支援移送サービス 国・県補助事業導入による
奥道町   (車両が一台のため重複することが多い。運転ボランティアのため緊急時対応が難しい。)
 
(9)移送サービス運営方式
 
 自治体の掌握する移送サービスの運営方式は、「社会福祉協議会への委託」が52.6%と最も多い。
 「社会福祉協議会への委託」は、人口1万人未満の自治体の事業の方が、人口3万人以上の自治体の事業に比べて多い。「交通事業者への委託」は、人口規模の大きい自治体の事業の方が、小さい自治体の事業に比べて高くなる。
 自由回答においては、「運転ボランティア、介助者の確保が大変」「利用者の安全確保」「交通事業者、社協、NPOの独自事業とのサービス水準、料金等のバランスを考慮している」等の課題が挙がった。
 
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人口
10万人以上(70) 3〜10万人未満(133) 1万人未満(50)
47.1% 46.6% 76.0%
25.7% 22.6% 10.0%
8.6% 4.5% 8.0%
4.3% 5.3% 10.0%
4.3% 5.3% 0.0%
2.9% 5.3% 0.0%
1.4% 5.3% 0.0%
11.4% 10.5% 0.0%
 
<その他の内訳>
「福祉用具貸与事業者」「在宅福祉公社」「施設への委託」「任意団体への委託」「生きがい対応型デイサービス事業委託事業所」
図2-15 移送サービスの運営方式(複数回答)
 
(10)国、県、基金等から自治体への補助金(移送サービス)
 運営費で、厚生労働省の「介護予防生活支援事業費補助金」「在宅福祉事業費補助金」が多く利用されている。
 
表2−31 移送サービスの補助
  設備投資(市区町村の補助金収入)  
  補助金名称 件数
介護予防生活支援事業補助 3
在宅福祉事業費補助金 2
社会参加促進事業補助金(県) 2
自動車事故対策費補助金 1
岐阜県身体障害者保護費負担金 1
移送サービス事業 1
国・県補助金 1
リフト付き福祉バス補助 1
へき地患者輸送車整備費補助金 1
辺地対策事業債 1
車両購入費 1
地域政策補助金 1
社会福祉事業資金基金 1
高齢者保健福祉関係事業費補助金 1
     
  運営費(市区町村の補助金収入)  
  補助金名称 件数
介護予防生活支援事業費補助金 28
在宅福祉事業費補助金 21
市町村社会参加促進事業費補助 9
外出支援サービス事業費補助金 7
生活支援事業補助金 6
生活支援移送サービス事業補助 4
リフト付福祉タクシー事業補助金 3
身体障害者福祉事業費補助金 2
県身体障害者保護費負担金 2
重度身体障害者移動支援事業 1
身体障害者援護費補助金(国) 1
身障デイサービス事業費補助金(県) 1
老人福祉費補助金 1
高齢者保健福祉関係事業費補助金 1
国・県補助金 1
市内運行バス補助 1
都補助金 1
社会促進事業費補助 1
社会促進事業費補助 1
普通交付税 1
国庫補助 1
道補助金 1
府補助金 1
都地域福祉推進事業(送迎、食事、  
  家事援助、在宅生活・介護保険の開始) 1
県補助金 1
都補助 1
県補助金 1
都・福祉改革推進補助 1
 
(11)移送サービスの運行の課題
 
 アンケートのフリーアンサーで自治体担当者が回答された運行の課題を一部紹介する。「財源不足」「特定時間に予約が集中」「利用目的、地域の拡大」「運転ボランティアの確保」等が課題として多い。
 
・利用料金を徴収していないため、実施すればするほど財政的負担が大きくなる。現在、このサービスを拡大することを検討中であり、受益者負担の方法等が課題である。
・タクシー会社に委託し、一昨年より5台を身障・高齢者対象のサービスとして実施しているが、同様に通院者が重なり予約が取れないなどの苦情が時々寄せられる。今後も利用者が出来るだけ利用しやすい状況を検討していく必要がある。
・移送車両が一台しかないため利用回数に制限があり、サービスの拡充が今後の課題である。
・利用のほとんどが病院への通院のため利用時間(平日午前)の希望が重複し予約がとりにくい。
・運行目的を広げるか検討中である。
・運行曜日・運行時間に制限のあることが課題。
・民間タクシー会社の参入希望があり、現在検討中。
・身体障害者デイサービス(送迎サービス)の時間を除く時間帯であり、年間数回しか利用で出来ない点。
・現在の運行エリアは市内だが、利用者から治療を行っている病院が他市にあるのでそこまで利用したい要望がある。(エリア拡大の件)
・市内での事業者が少ない。市外から事業者の参加を得て実施している。
・利用資格の範囲:普段は自立歩行ではあるが透析後のふらつき等の方は対象になるかどうか(透析通院を該当させるか)
・運転ボランティアの確保が大変。
・市内バス事業者との運行連絡協議会があり、交通サービスの諸問題を協議会に諮る。
・運転事故防止のため、ボランティアの実務研修を行っている。







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