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第2章 地域福祉交通サービスの実態把握
2.1 分析の視点
 我が国の地域福祉交通サービスの実態を、既存資料による実態把握、アンケート調査、ヒアリング調査等により把握した。実態把握の目的は次のとおり。
 
・高齢者・障害者の利用可能な交通手段の実態把握
・市区町村における地域福祉交通サービスの実態把握
・国・県の市区町村支援と市区町村の制度、財源の利用実態把握
・運行主体(タクシー事業者、ボランティア、NPO)の取り組みの把握
 
2.2 コミュニティバス・移送サービス提供の実態(アンケート調査)
 ここでは、市区町村における地域福祉交通サービスの実態把握のため、全国の市区町村に対し実施したアンケート調査結果について述べる。
 
2.2.1 アンケート調査の概要
(1)調査対象とした交通機関、サービス
 アンケート調査で対象とした交通機関は次のとおりである。現在運行されているコミュニティバスの一部は、将来、地域福祉交通サービスの対象として活用可能なものもあると考え、調査の対象に含めた。
 
〈アンケート調査票での交通機関の定義〉
I. コミュニティバス:既存のバスサービスだけではカバーしきれない地区や施設を連絡する乗合バス(代替バスを含む)を指す。乗合タクシーは、III. その他のサービスにご記入下さい。
II. 移送サービス:主に公共交通サービスがあっても利用できないか、困難な人に限定した交通サービス。狭義のドア・ツー・ドアの移送のみならず、病院、高齢者福祉施設等の巡回も含む。車両は、セダンタイプ、車いす仕様車、ストレッチャーの搭載が可能な大型バン、マイクロバス等を指す。
III. その他のサービス(乗合タクシー、福祉タクシー券の交付等)
注:I・IIは自治体職員の判断による。
 
(2)調査対象とした自治体
 
 全国3,247団体からの選定基準は次のとおり。
1)人口規模による選定
(1)人口3万人以上の市区町村(特別区含む)715団体。地域福祉交通が特に一般公共交通機関との関係で一定の役割を担っている地域。(2)の市町村に比べて、DID(人口集中地区)の面積率が高い。
(2)人口1万人未満の1市1,556町村のうち、300団体に送付。過疎地域での交通手段の確保が喫緊の課題となっている地域。
 
表2-1 アンケート調査対象
(拡大画面:23KB)
 
2)地域性を考慮した抽出
 (2)の人口1万人未満の1市1,556町村から、300団体を抽出する際には、次の点に留意した。
・全国を次頁表のように10地区に分割
・配布数300を各地区の当該市区町村数に応じて比例配分し、地区毎の配布数を決定
・各地区の配布自治体は、人口規模の大小に関係なく、市町村数から等間隔に抽出
 
表2−2 人口1万人未満市町村におけるアンケート対象の抽出
地区 都道府県 人口1万人未満の市町村数 アンケート配布市町村数
北海道 北海道 147 36
東北 宮城、岩手、青森、秋田、山形、福島 201 40
関東 東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬 91 17
甲信越 山梨、長野、新潟 175 33
東海、静岡 愛知、岐阜、三重、静岡 120 22
北陸 富山、石川、福井 47 8
近畿 大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山 129 25
中国 広島、岡山、鳥取、島根、山口 212 39
四国 香川、愛媛、高知、徳島 130 25
九州、沖縄 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 305 55
合計 1,557 300  
 
(3)調査方法
 郵送配布、郵送回収。一部FAXによる回収。
 
(4)調査実施期間
 平成14年8月8日〜9月2日
 
(5)調査項目
 参考資料の調査票のとおり。







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