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オプション1
1. 話し合いの中で、この活動で学習したことを子どもたちに要約してもらいます。動物は生きるために何を必要としていますか? 動物の生き残りに影響する「制限要因」には何がありますか? 野生生物の個体数は不変でしょうか?
 あるいは全体的な「自然のバランス」の中で絶えず変動しているでしょうか?
 自然が「つりあいのとれた状態」であったことはありますか?あるいは生態系そのものも絶えず変化していますか?
 
進め方2
12. 「進め方1」の活動を数ラウンド行った後、捕食者である「ブラックバス」を取り入れます。ブラックバスは、「ブラックバスの巣」として指定された区域からゲームを始めます。ブラックバスは、スキップまたはジャンプで移動します。これにより、フナとブラックバスが激しく衝突するのを防ぎます。ブラックバスがフナを捕まえることができるのは、フナが生息環境に向かうときで、生息環境とフナの陣地の間のみです。ブラックバスは、捕まえたフナをブラックバスの巣に連れ帰ります。これは、ブラックバスがフナを食べる時間の模擬体験です。「食べられた」フナは、次のラウンドでブラックバスになります。フナを捕まえることができなくてもブラックバスは死にません。ブラックバスは毎年放流されているからです。指導者は、各ラウンドでフナとブラックバスの数を数えて記録します。これらのデータをグラフに追加してください。
 先に作成したフナのグラフの横に、これを書き加えます。最初にフナ、次にブラックバスのグラフを書き加えます。子どもたちに次の質問をします。
●どちらの動物が捕食者ですか?どちらの動物が獲物ですか?
●後半のグラフは、活動前半に私たちが行ったフナの生息環境に関するグラフに似ていますか?
●何がフナの数を激減させているのでしょうか?(→まだブラックバスが導入されていないときは、フナの個体数がピークに達して、食物や避難場所の供給が限界に達したりして、生息環境がコントロールしてきました)
 
オプション2
2. 進め方の11で記載したように、指導者が折れ線グラフを作成するのではなく、子どもたちにグラフを作成してもらいます。年数とフナの数を子どもたちに教えます。子どもたちの年齢に応じて、絵を描く、棒グラフを作成する、折れ線グラフを作成するという方法のうち、適切な方法を選んでください。
 
進め方3
13. グラフのデータを表にまとめて話し合った後、ブラックバス等の外来魚について、簡単に子どもたちに説明してください。
 
 ブラックバスは、北米原産の外来魚です。淡水に住むスズキの親戚みたいなものです。若者を中心に、ルアーによるブラックバス釣りがとても盛んです。遠い山奥や海まで行かなくて、比較的近所の池や沼でも釣れるし、引きが強く、針掛かりするとジャンプして釣り人を楽しませてくれます。しかし、最近、ブラックバスが大きな問題となってきました。その理由は、
 
●肉食性の外来魚で、放流されると、在来の魚、淡水エビ、昆虫(ヤゴ等)を捕食する。そして、生態系や内水面漁業に悪影響がでると考えられる。
●誰が放流するのか、どんどん生息域を広げている。特に許可を得ずに放流されるので、密放流といわれている(許可を申請しても許可されるわけがないのだが・・・)。また、多くの自治体では、ブラックバスの放流を法律で禁じるようになった。
●天敵となる生物がいない。唯一の天敵、釣り人は釣っても逃がすので、実質的には、池や沼では無敵である。
●日本の風土に合うのか、よく繁殖する(同じ外来魚のニジマスは、渓流や湖にたくさん放流されても、さっぱり繁殖しない)。
●使用するプラスチックワームが水底に根掛かりして放置される。環境ホルモンが溶出するらしい。
●以前からその水面を利用していた漁業従事者やトラウト釣り人にとってみると、新参者のバス釣り人は、自分達の既得権を侵害する侵入者に見えるようだ。
●従来のブラックバスはラージマウスバスという種類で、水温が低い清流や渓流には生息が適さなかった。しかし、近年、スモールマウスバスという、そのような所に適応するバスが広がってきた。アユや渓流ファン、漁業従事者にとって脅威となってきた。
 
14. 「自然のバランス」について話し合います。自然のバランスが、つりあいのとれた状態になるにはどうすればよいでしょうか?
 
ふりかえり
1. 生息環境の3つの必須要素をあげましょう。
2. 「制限要因」を定義して、その例を3つあげましょう。
3. 下のグラフを検討しましょう。次にあげる期間に、個体数が変動する原因と考えられるのは何ですか?
a)1年目と2年目の間
b)3年目と4年目の間
c)5年目と6年目の間
d)7年目と8年目の間
 
4. 典型的なバランスのとれた個体数を表すグラフは、次のうちどちらでしょう?







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