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3. 法規制の動向
3.1 法制度の整理
3.1.1 循環型社会形成のための法制度・政策の整備
(1)1990年(平成2年)以前
 現代の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会活動により、廃棄物の最終処分場の残余年数の減少、石油・ガス等の鉱物資源等の将来的な枯渇の可能性、地球温暖化や有害化学物質による環境汚染の増加といった問題が深刻化している。これら諸問題の克服は、日本だけでなく、地球全体が持続的発展をしていくために必要な課題である。そこで大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから脱却した循環型経済システム構築の重要性が世界的に認識されている。
 
(2)1991年(平成3年)以降
 日本では、1991年(平成3年)に、循環型経済システム構築への方向を具体的に示した「再生資源の利用の促進に関する法律」が施行された。それ以来、廃棄物減量、リサイクル促進について基本的な法律や具体的な廃棄物を対象とした法律が施行され、廃棄物の回収・リサイクルを目的とする新しい社会システムも発足してきた。様々な法律・施策ならびに経験を総括し、2000年(平成12年)には「循環型社会の形成のための法体系」が産業構造審議会で示され、同年の通常国会では、循環型社会の形成に向けた基礎的な法律である以下の法律が制定された。
「循環型社会形成推進基本法」
「資源有効利用促進法(再生資源の利用促進法の改正)」
「廃棄物処理法」改正
「グリーン購入法」
 
 さらに、個別の分野におけるリサイクル法として、以下の法律が制定された。
「容器包装リサイクル法」
「家電リサイクル法」
「建設資材リサイクル法」
「食品リサイクル法」
 
 また、現在、産業構造審議会 環境部会 廃棄物・リサイクル小委員会 自動車リサイクルワーキンググループでは、「使用済み自動車の再資源化等に関する法律案」を検討している。
 
表−3.1.1 環境関連の法制度の推移
法制度等 概要 関連動向
1879年
(明治12年)
「市街地掃除規則及び厠構造並し尿汲み取り規則」制定 ・内務省通達。
・明治初期のコレラ等の流行に端を発したもの。廃棄物処理を防疫の観点からとらえているのが特徴。
 
1900年
(明治33年)
「汚物掃除法」制定 ・廃棄物の適正処理に関する防疫
・清潔維持ないしは生活環境整備衛生向上を基本としている。
 
1953年
(昭和28年)
「離島振興法」制定(第一次計画) ・本土との格差是正を目的とし制定。
・10年の時限立法。
 
1954年
(昭和29年)
「清掃法」制定 ・汚物掃除法と基本となる考えは同じ。  
1963年
(昭和38年)
「離島振興法」延長、第二次計画実施 ・第一次計画を引き継ぐ。  
1970年
(昭和45年)
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)制定 ・廃棄物の区分のほか、汚染者負担の原則を取り入れ、産業廃棄物についての事業者処理責任原則を導入しているのが特徴。  
1972年
(昭和47年)
    ・国連人間環境会議(ストックホルム)開催
1973年
(昭和48年)
「離島振興法」延長、第三次計画実施 ・産業の振興と社会生活環境の整備に重点。  
1983年
(昭和58年)
「離島振興法」延長、第四次計画実施 ・居住環境の総合的な整備を図ることを目的とする。
・交通の総合化・体系化、特性を生かした産業の自立的振興などに重点。
 
1986年
(昭和61年)
「廃棄物処理法」改正 ・産業廃棄物の規制強化が中心。  
1990年
(平成2年)
      ・八丈島で「自動車の投棄を規制する条例」成立。
・兵庫県警が豊島開発を廃棄物処理法違反で摘発。
1991年
(平成3年)
「廃棄物処理法」改正
「再生資源の利用の促進に関する法律」(リサイクル法)施行
・廃棄物の排出抑制、再生利用等の減量化を位置づけたのが特徴。
・再生資源の原料としての利用、再生資源としての利用可能な設計、分別回収しやすい表示、副産物の利用促進を目的に、事業者、工事の発注者、消費者、公共団体の責務が規定された。
・事業者に対して使用済み製品や副産物を廃棄物として処理するのではなく、資源として利用するよう働きかけているのが特徴。
 
1992年
(平成4年)
    ・地球サミット(リオデジャネイロ)開催
1993年
(平成5年)
「離島振興法」延長改正(第5次計画)
「環境基本法」施行
・ハード、ソフト両面にわたった戦略的な振興対策を推進。
・公害対策基本法を廃止し、地球環境問題への対応も取り込んだ環境基本法を制定。
 
1994年
(平成6年)
「廃棄物処理法」改正 ・不法投棄に関する罰則の強化、マニフェスト制度の適用範囲の拡大、廃棄物処分場の環境アセスメントの住民への情報公開を含めた処理施設許可要件・手続きの明確化等。  
1997年
(平成9年)
「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律」(容器包装リサイクル法)一部施行
「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」発表
・ガラスびん、PETボトルを対象として、大企業に限定してスタート。
・ダイオキシン対策のため、大規模焼却炉の導入が求められる。対策として、ごみ処理の広域化が必要に。
・温暖化防止京都会議=京都議定書
1998年
(平成10年)
    ・利尻島で道、町などにより放置車両の撤去が行われる。
・平成10年、11年に、「ぴかぴか対馬」キャンペーンを行い、不法投棄車両を撤去。
1999年
(平成11年)
「民間資金等の活用による公共施設等の整備の促進に関する法律」(PFI法)施行 ・「廃棄物処理施設」が公益的施設として、「リサイクル施設」がその他施設として挙げられている。  
2000年
(平成12年)
「ダイオキシン類対策特別措置法」施行
「容器包装リサイクル法」完全施行
・ダイオキシン規制の対象になる施設を特定施設として指定。特定施設をもつ事業者は届け出を義務づけられる。
・事業者に排出するガスや水の測定と、測定結果の報告を義務付け。結果は公表される。
・紙製・プラスチック製の容器包装も対象に拡大、中小規模の事業者にもリサイクルの義務が適用。
 
2001年
(平成13年)
「特定家庭用機器商品化法」(家電リサイクル法)施行
「国等による環境物品等の調達の推進に関する法律」(グリーン購入法)施行
「廃棄物処理法」改正
「資源有効利用促進法」(再生資源の利用の促進に関する法律を改正)施行
「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)施行
・テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目が対象。
・小売業者や製造業者に引取義務、排出者に運搬、再商品化に関する料金の支払い義務を課す。
・国等や地方自治体が地球にやさしい物品(環境物品)の調達を率先的に行うとともに、グリーン購入に役立つ情報の提供を推進することを目的。
・マニフェスト(管理票)制度の強化などによる、不適正処理対策の強化、公共関与による廃棄物処理施設の整備、廃棄物のリサイクル等減量化の推進等。
・対象業種・製品を拡大。事業者に対して3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みを求める。
・食品の製造・加工・販売業者による食品廃棄物の再資源化を推進。
・沖縄県が「自動車解体業等における廃自動車等の無許可及び不適正処理に係る対応方針」を策定。
2002年
(平成14年)
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設資材リサイクル法)施行 ・工事の受注者に建築物の分別解体、建設廃材等の再資源化を義務づける。  
 
 
図−3.1.1 循環型社会の形成の推進のための法体系
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