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My Hobby
寄稿
囲碁と釣り
九州運輸局海運本部長
齋藤 芳夫
 
 生来、飽き易く怠け者のせいか、これと言って人様に自慢できる趣味がない。色々な事に興味は湧くので、いくつかは試みてみるが、そのうち興醒め、自分にはむかないと思って自然と足が遠のくのが常である。
 そんな自分でも唯一続いているのが囲碁である。小学校5、6年の頃に、実力3段程度の祖父に石の並べ方から教えてもらったのが最初であった。その後、中学に入り、囲碁に熱心な先生が居られたことから、囲碁部を創設し、初めてプロと対戦する好機を得た。当時、私の住んでいた青森県弘前市出身の工藤6段(現在は9段)が運良く帰省されたところを指導に来て頂いたのである。3面碁で、私は、7目置いたが、結果は最後になって数目の負けである。さすがに、初心者のやる気をなくさせず、プロの力に感じ入らせる巧みな指導であった。そのこともあってこの時期は、毎日のように打っていたのでかなり上達したのではないかと思う。
 それ以降は、囲碁雑誌やテレビの囲碁番組を見る程度になったが、今から10数年前の中国運輸局勤務時代に日本棋院の免状を手にした。協和発酵主催の大会において、初段の部で準優勝したため2段の免状が授与された。
 現在はその当時よりも多少は進歩したであろうと期待しつつ、実力3段と名乗っているが、力を確かめる機会が無いのでお相手していただける方がいれば幸いである。
 ここ北九州の門司港に来て、もうすぐ1年になるが、新しく始めたものと言えば釣りである。宿舎、庁舎とも海に近く、釣りを覚えるには絶好の地であるという誘いに乗ってイカ釣りに挑戦した。しかしながらイカはどうも自分に向いていないらしい。擬似えさを買って、これから大漁だと勇みこんで投げた第一投目が岸壁に引っかかってどうしようもなくなるという苦いデビュー以来、ゴールデンウイークを挟んで10回以上行ったが隣の人の竿に見るイカも、我が竿に乗る気は無いらしい。
 今ではイカ釣りについてはあきらめの感があるが、先日、舟釣りの機会を得て、こちらの方の才能に密かに希望をもった。初めてのキス釣りで、40センチ強の真鯛がかかったり、30センチ弱のキスが取れたり、と我ながら上出来の首尾であった。餌のつけ方も知らない全くのど素人の戦果はまさしくビギナーズラックだろうが、このことを釣り名人と言われる人に自慢気に披露すると何とも言えない顔をされる。その反応がまた面白い。やみつきになりそうである。
 
門司港







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