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2002/09/12 毎日新聞夕刊
対イラク攻撃「国連決議が必要」−−アナン事務総長、米国を意識し総会演説へ
 
 【ニューヨーク上村幸治】アナン国連事務総長は12日に始まる国連総会一般演説の冒頭で演説し、国連によって合法性を与えられない限り、特定の国が別の国に武力を行使すべきではないとの見解を示す。「合法性を与える」とは、国連安保理で武力行使容認決議を採択することを意味している。国名は挙げていないが、米国による対イラク武力攻撃を意識したものとみられる。
 演説は、米共和党強硬派が主張する「安保理決議なしの対イラク戦争」を事実上、批判する内容だが、米政府はここに来て、安保理決議の採択を求める方針に転換している。フランスも条件付きで安保理決議採決を容認する姿勢に転じており、安保理での議論が現実味を帯びてきた。アナン事務総長の演説内容はこうした流れを踏まえたものといえる。
 アナン事務総長はまた、イラクを名指しして、国連による大量破壊兵器の査察を受け入れるよう強く要請し、「イラクがこれ以上、安保理決議を無視するなら、安保理がその責任に直面せざるをえないだろう」と述べる。
 さらに「イラクの指導者に影響力を持つ人間は、査察受け入れの重要性を伝えるべきだ」とも呼びかける。イラク寄りの姿勢をとるロシアなどにイラク説得を促すもので、友好国の責任を指摘する形だ。
 アナン事務総長はこれまで、イラク攻撃そのものに批判的だった。
 
 
 
 
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