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(プロッティング設備)
第百四十六条の十四 総トン数500トン(旅客船及び危険物ばら積船等にあっては、総トン数300トン)以上の船舶には、レーダーの表示をプロッティングするための設備(次条において「プロッティング設備」という。)を備えなければならない。
第百四十六条の十五 総トン数 1,600トン以上の船舶にあっては、前条の規定により備えるプロッティング設備は、反射プロッター又はこれと同等以上の効力を有するものでなければならない。
(自動衝突予防援助装置)
第百四十六条の十六 総トン数10,000トン以上の船舶には、自動衝突予防援助装置を備えなければならない。
第百四十六条の十七 前条の規定により備える自動衝突予防援助装置は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。
連動する航海用レーダー、ジャイロコンパス又は船速距離計の機能に障害を与えないものであること。
電源の開閉器は、表示面に近接した位置に設けられていること。
操作用のつまみ類は、使用しやすいものであること。
20以上の物標を捕捉することができ、かつ、捕捉した物標を自動的に追尾することができるものであること。
自動的に物標の捕捉を行うものにあっては、手動操作によっても捕捉を行うことができるものであること。
連続する10回の走査において 5回以上表示される物標を継続して追尾するものであること。
追尾中の物標を、他の物標と識別することができる方法により表示することができるものであること。
自動的に物標の捕捉を行うものにあっては、捕捉を行う範囲を限定し、かつ、当該範囲を表示することができるものであること。
物標を捕捉した後1分以内に当該物標の移動の概略の予測を、3分以内に当該物標の移動の予測を、ベクトル又は図形により表示することができるものであること。
追尾中の物標を選択した場合には、選択した物標を他の物標と識別することができる方法により表示することができ、かつ、選択した物標に係る次に掲げるすべての事項を数字又は文字により見やすい位置に表示することができるものであること。ただし、複数の物標を選択した場合には、それぞれの物標に係るイ及びロ、ハ及びニ又はホ及びヘに掲げる事項を含む少なくとも2以上の事項を同時に表示することができるものであること。
イ 距離
ロ 真方位
ハ 最接近地点における距離
ニ 最接近地点に至る時間
ホ 真針路
ヘ 真速力
十一
ベクトルにより物標の移動の予測を表示するものにあっては、真ベクトル表示方式(当該物標の真針路及び真速力による表示方式をいう。以下同じ。)及び相対ベクトル表示方式(自船を基準とした当該物標の相対針路及び相対速力による表示方式をいう。以下同じ。)により表示することができ、かつ、使用中の表示方式を表示することができるものであること。
十二
図形により物標の移動の予測を表示するものにあっては、真ベクトル表示方式又は相対ベクトル表示方式によっても表示することができるものであること。
十三
追尾中の物標の真針路及び真速力を表示する場合又は真ベクトル表示方式により物標の移動の予測を表示する場合にあっては、対水速力及び対地速力により表示することができ、かつ、使用中の速力の種類を表示することができるものであること。
十四
対地速力の基準として静止した物標を使用する場合にあっては、当該使用した物標を他の物標と識別することができる方法により表示することができ、かつ、必要に応じて当該使用した物標を相対ベクトル表示方式により表示することができるものであること。
十五
物標の移動の予測に用いる時間を調節することができ、かつ、当該時間を数字で表示することができるものであること。
十六
物標の追尾及び移動の予測の確度は、管海官庁の適当と認めるものであること。
十七
距離レンジに応じ管海官庁が適当と認める時間以上追尾中の物標については、4以上の等時間ごとの過去の位置を表示することができるものであること。
十八
捕捉した物標の追尾を解除することができるものであること。ただし、自動的に、かつ、範囲を限定して捕捉を行う場合における当該範囲については、この限りでない。
十九
追尾中の物標が消失した場合、速やかに可視可聴の警報を発し、かつ、当該物標の消失した位置を他の物標と識別することができる方法により表示することができるものであること。
二十
表示面の大きさは、数字、文字及び記号を明りょうに読み取ることができるものであること。
二十一
真方位及び進路方位(自船の進路を基準とした方位をいう。)により表示することができるものであること。
二十二
3海里、6海里及び12海里の距離レンジを有するものであること。
二十三
使用中の距離レンジの値を見やすい位置に表示することができるものであること。
二十四
航海用レーダーにより得られた情報を、損なうことなく表示することができるものであること。
二十五
自動衝突予防援助装置による情報(以下「衝突予防情報」という。)及び前号の情報の表示の輝度は、それぞれ独立に調整することができるものであること。
二十六
衝突予防情報の表示の輝度は、管海官庁の適当と認めるものであること。
二十七
衝突予防情報の表示は、必要に応じて3秒以内に消去することができるものであること。
二十八
距離レンジ、表示方式等の切替え後1回目の走査において、衝突予防情報及び第二十四号の情報を表示することができるものであること。
二十九
自船に対する物標の接近を警戒するためにあらかじめ接近警戒圏を設定することができるものであって、当該接近警戒圏に物標が進入した場合に、速やかに可視可聴の警報を発し、かつ、当該物標を他の物標と識別することができる方法により表示することができるものであること。
三十
物標の最接近地点における距離及び最接近地点に至る時間があらかじめ設定した値以内となることが予測された場合に、速やかに可視可聴の警報を発し、かつ、当該物標を他の物標と識別することができる方法により表示することができるものであること。
三十一
模擬操船状態の衝突予防情報を通常の表示と明確に区別できる方法により表示することができ、かつ、いつでも模擬操船状態の表示を中止することができるものであること。ただし、物標の捕捉、追尾及び第十号の表示の更新を中断してはならない。
三十二
表示された物標の距離及び方位を速やかに測定することができるものであること。
三十三
自動的に機能を点検することができ、かつ、点検中であることを表示することができるものであること。
三十四
連動する航海用レーダー、ジャイロコンパス又は船速距離計からの情報の伝達が行われていることを表示することができ、かつ、当該情報の伝達が停止した場合に、可視可聴の警報を発するものであること。
三十五
第十九、第二十九、第三十号及び前号に掲げる警報を発するための装置は次に掲げる要件(前号に掲げる警報を発するためのものにあっては、イに掲げる要件)に適合するものであること。
イ.
作動の試験のための回路を備えたものであること。
ロ.
可聴警報を一時的に停止することができ、かつ、停止中において他の警報を発することを妨げないものであること。
三十六
表示面における表示は、管海官庁の指定する記号によるものであること。
三十七
第百四十六条の十の三第六号及び第百四十六条の十三第2項第一号から第八号までに掲げる要件
 この第百四十六条の十七の規定の中には「管海官庁の適当と認める」という表現がある。このうち第十六号の予測の確度は、自動衝突予防援助装置型式承認試験基準に示されているシナリオに基づいた確度であることが要求される。なお、そのほかの各号については、「船舶検査心得」にて説明される。
 
 この規則の改正は、附則で次のように定められている。(関係分のみ)
(施行期日)
1. この省令は平成 9年1月1日から施行する。
(経過措置)
1. この省令の施行の際現に船舶に備え付けている自動衝突予防援助装置については、これらを引き続き当該船舶に備え付ける場合に限り、この省令による改正後の船舶設備規程第百四十六条の十七の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(関連規則)
船舶検査心得 3−1
146−17・0(自動衝突予防援助装置)
(a)第4号の「捕捉」を、自船に対する相対速度が100ノット以上の物標に対して行う場合は、手動操作による捕捉に限る。
(b)第10号の「見やすい位置」とは、レーダー表示面の外側をいう。
(c)第17号の「距離レンジに応じ管海官庁が適当と認める時間」とは、次に掲げる距離レンジの区分に応じ、それぞれ次に掲げる時間をいう。
(1)3海里レンジ 2分
(2)6海里レンジ 4分
(3)12海里レンジ 8分
(d)第20号の「明りょうに読み取ることができる」とは、表示面の有効直径が 340mm以上であることをいう。
(e)第24号の「表示」については航海用レーダーの性能基準の要件に適合すること。
(f)第36号の「管海官庁の指定する記号」とは、表140−17・0<1> に示す記号を示す。
(g)第37号により引用される規定における取扱い及び保守に関する説明書には、少なくとも次に掲げる事項についての説明を記載すること。
(1)過去の位置の表示の意味。
(2)模擬操船の基礎原理。
 
表146−17.0<1>
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