日本財団 図書館


6・1・8 二つの三角関数の積を和と差の形にする
 
 
6・1・9 二つの三角関数の和及び差を積の形にする
 
 
6・1・10 倍数の三角関数
sin2A=2 sinA cosA
cos2A=cos2A−sin2A=1−2sin2A=2cos2A−1
 
 
6・1・11 弧度
 一般には、角度を表すには度〔°〕、分〔′〕、秒〔″〕を用いるが電気工学の計算上では弧度(ラジアン、radian)を用い、記号はθで表し単位記号〔rad〕とする。
 弧度(ラジアン)とは図6・4のような半径1の円(単位円)の円周上を回る点Pの動いた円周上の距離によって角を測る方法である。円弧の長さによって角を測るから弧度という。
 そこで半径1の円の円周=2π・1=2πであるから弧度で測ると360°は2π、180°はπである。これを次のようにかく。
 
図6・4
 
 360°=2π〔rad〕 180°=π〔rad〕
 よって、1〔rad〕=180°/π=57.2957°≒57.3°となる。
(1)360°の弧度:半径rの円周の長さは2πrで、これが円弧の長さとなり全円周360°の弧度は2πr/r=2πとなる。
 それ故に  360°=2π〔rad〕
(2)180°の弧度:180°は全円周の1/2であるから、円弧の長さは2πr/2=πr
 その弧度はπr/r=π、その故に180°=π〔rad〕
(3)90°の弧度:90°は全円周の1/4であるから、円弧の長さは2πr/4=πr/2 その弧度はπr/2・1/r=π/2 その故に90°=π/2〔rad〕
 一般に普通角度A〔度〕と弧度〔θ〕との関係は次のようになる。
θ=π/180×A〔rad〕・・・(6・1)
 
6・1・12 角速度
 
図6・5
 
 速度は単位時間に物体が変位する割合をいう。例えば、t時間に物体が距離Sだけ動いたときの速度Vは V=S/t S=Vtとなる。
 これと同様な考え方で、角速度とは、単位時間に回転角の変化の割合を角速度といいω(オメガ)を用い単位記号に〔rad/s〕を用いる。
 図6・5において腕rがOを中心としてA点からt秒後に角AOB、即ち、θ〔rad〕回転してB点に達したとすると、角速度ω(オメガ)は
ω=θ/t〔rad/s〕・・・(6・2)となる。
 したがって、ω〔rad/s〕の角速度でt〔s〕秒間回転すれば弧度θ〔rad〕は
θ=ωt・・・(6・3)となる。
〔応用〕
 図6・5においてrが1回転すなわち2π〔rad〕だけ回転する時間を周期T〔s〕という。(この意味は何回も回転を繰り返すことから周期という。)
 よって(6・2)式は
 







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION